2010-08-12

鳥影社『ローベルト・ヴァルザー作品集』全5巻(新本史斉/若林 恵/F・ヒンターエーダー=エムデ訳)

私は誰も私にならないことを願う。
私だけが、私自身に耐えられる。
多くを知り、たくさんのことを見、何も言わない、ただそれだけである。

第1巻 タンナー兄弟姉妹(新本史斉訳)

2010年7月、第1巻刊行
サイズ 四六判 ページ 381P
ISBN 9784862652515 (4862652514) C-CODE 0097

今日のヨーロッパ文学において古典的存在とされるスイスの散文作家、ローベルト・ヴァルザーの長編小説と散文小品を集成。1には、「タンナー兄弟姉妹」を収録。
生きるということに特別な意味を付与しない主人公ジーモン——自分の生を「ただただ生きる」ことで、彼は手に触れるように世界を感じるのである。

吉田孝夫「ローベルト・ヴァルザーの二次性の文学」 京都大学大学院課程博士論文 2000
http://opac.ndl.go.jp/recordid/000000352249/jpn

新本史斉:「母の言葉」の喪失から生まれる「微笑む言葉」、「舞い落ちる」散文--ローベルト・ヴァルザーの小説『タンナ--兄弟姉妹』をその前史から読む
津田塾大学紀要 (42), 135-163, 2010-03


第2巻 助手
第3巻 ヤコプ・フォン・グンテン
第4巻 ベルリン時代、ビール時代の散文作品(『散歩』他)
第5巻 ベルン時代の散文作品と遺稿(『盗賊』他)