2012-08-10

Landolfi, Tommaso作品集『カフカの父親』 (Il babbo di Kafka e altri racconti)

カフカの父親
トンマーゾ・ランドルフィ著 ; 米川良夫, 和田忠彦, 柱本元彦訳
# 単行本: 256ページ
# 出版社: 国書刊行会 (1996/05)
# ISBN-10: 4336035911
# ISBN-13: 978-4336035912
# 発売日: 1996/05
# 商品の寸法: 19.4 x 13.6 x 2.2 cm

奇抜なアイデア、日常生活にぽっかり開いた裂けめを完璧なストーリーテリングで調理する、現代イアリア文学の奇才ランドルフィ、初の作品集。

  * 「マリーア・ジュゼッパ」
* 「手」
  * 「無限大体系対話」
* 「狼男のおはなし」
* 「剣」
* 「泥棒」
* 「カフカの父親」
* 「『通俗歌唱法教本』より」・・・オペラ歌手の歌声の重さや固さ、色、はては匂いや味についての怪論文
* 「ゴーゴリの妻」 Gogol's
Wife・・・文豪ゴーゴリの愛妻は、吹き込まれた空気の量によって自在にその姿を変えるゴム人形だった。グロテスクなユーモア譚
* 「幽霊」 Ombre
* 「マリーア・ジュゼッパのほんとうの話」
* 「ころころ」
* 「キス」
* 「日蝕」
* 「騒ぎ立てる言葉たち」 ・・・ある朝突然口から飛びだしてきた言葉たちが意味の配分をめぐって大論争を繰り広げる、ナンセンスな味わい

http://d.hatena.ne.jp/owl_man/20090217/1234868501

トンマーゾ・ランドルフィ(1908-1979)
イタリアの作家。フィレンツェ大学に学び、同市の文学サークルに参加。逆説、言葉遊び、ナンセンスなどの手法を用いた超現実的な作品を多数発表、20世紀イタリアを代表する短篇作家。賭博狂いなど、数々の奇行でも有名だった。

カルヴィーノやブッツァーティなどもそうだが、イタリアの奇想作家の 「奇妙な味」 は、英米の所謂 「異色作家」
系統のものとは、根本的に何かが違うような気がする。アングロサクソンのストーリー・テリングの伝統にもとづいた語りとは、最初から異なる地面の上に立った、突拍子もない、素っ頓狂なお話が飛び出してくる。ランドルフィはそのなかでも、もっとも
「たがのはずれた」 作家である。このセンスを気に入ってもらえたら、「ゴキブリの海」 (『現代イタリア幻想短篇集』
国書刊行会、所収)もどうぞ。

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