第一次世界大戦期ドイツの飢饉と民衆
藤原 辰史著
税込価格: ¥1,575 (本体 : ¥1,500)
出版 : 人文書院
サイズ : 19cm / 154p
ISBN : 978-4-409-51112-1
発行年月 : 2011.1
■概要
第一次世界大戦期ドイツ。イギリスの経済封鎖は76万の餓死者を生んだ。食糧戦争としての大戦を描く。
第一次世界大戦期にドイツで発生した飢饉の事実を、当時の新聞や文献、あるいは欧米・日本での研究成果に依拠しつつ紹介・整理。民衆のプロテスト、その後の時代への影響にも触れる。
■目次
はじめに 戦争と食糧
1 日本からみた「カブラの冬」———おなかがすいてはいくさはできぬ
2 飢える大国
第1章 大国が飢える条件
1 餓死者七六万二七九六人の衝撃
2 兵糧攻めをうける「城」------イギリスの海上封鎖
3 シュリーフェン作戦の挫折
4 食料輸入大国ドイツ------生命線としての輸送網
5 農業生産力の減退とその対策
第2章 食糧危機のなかの民衆と政府
1 熱狂と陶酔の影で
2 戦時下の食生活-----Kパン・民衆食堂・密商
3 行政の介入------価格統制から戦時食糧庁設立まで
第3章 日常生活の崩壊過程----「豚殺し」と「カブラの冬」
1 深まる危機
2 豚殺し
3 カブラの冬
4 女たち----争いと行列
5 子どもたち-----犯罪と病気
第4章 食糧暴動から革命へ
1 崩れゆく「城」
2 行列から暴動へ------街角の「ポロネーズ」
3 日常における政治の顕在化------三級選挙法をめぐって
4 水兵たちの食事と革命
第5章 飢饉からナチズムへ
1 終わり損ねた戦争
2 連鎖する憎悪------「匕首伝説」の誕生
3 ナチスによる飢饉の総括
4 大戦が生んだナチスの食糧政策
おわりに ドイツの飢饉の歴史的位置
1 交戦国の食糧状況概観
2 「カブラの冬」の遺産
参考文献
あとがき
略年表