2013-04-05

『わたしの家 痕跡としての住まい』

わたしの家 痕跡としての住まい
販売価格:2,100円 (税込)
著者名 柏木博
発行 亜紀書房
判型 四六
ページ数 327
発行年月 2013.03
商品コード 39939

内容・概要
ベンヤミンは、近代化以降、「家」もしくは「室内」は、その人らしさを映し出す「痕跡」であるといっている。どんなに乱雑な部屋でも、あるいはある一つの趣味に統一された室内でも、最小限のスペースしかない家であろうとも、家からはそこに住まう人が見えてくる。最小限の家コルビュジエの南仏の小屋。書物を読み書くことを優先させた荷風の偏奇館。放浪作家、林芙美子の終の棲家・・。本書では、デザイナーや作家などの家を例にとりながら、人と家との関係について探っていく。
人にとって居場所、終え、部屋とはなんなのだろうか。人は家に何を求めるのだろうか。そのことを歴史的に捉え直したのが本書である。

■目次
 ・はじめに
1. 室内と痕跡
  室内の観相学
  最小限の住宅、ル・コルビュジエのカバノン
  身体を補足する装置、ル・コルビュジエの家具
  コラージュとしての室内、自己の表象
  箱・キャビネット・室内という書物
  ポーとソローの家、ポール・オースターの小説から
  いつも明かりを求め楽しんできた
2. 作家たちの家
  偏奇館の「断腸邸日常」、荷風の室内
  木兎の家、童謡作家・白秋の田舎家
  放浪ではなく終の棲家、林芙美子邸
  コスモスとしての花壇、宮沢賢治の庭
  主人のメトニミーとして、渋澤龍彦の部屋
  生活者の手ざわり、柳宗悦邸見学記
  女中タキの「部屋」、中島京子「小さいおうち」
3. 室内と安全
  「わたし」と「わたし」を隔てるもの
  鍵=内と外を認識させる装置
  防御・防護・遮断することをめぐって
  個人の居場所、室内・パソコンへの侵害
  街路の傍観者・監視者
 ・あとがき