ペーター=アンドレ・アルト著/瀬川 裕司 訳
カフカと映画
税込価格 : 3570円 (本体価格3400円)
ISBN : 978-4-560-08274-4
ジャンル : 海外文学
体裁 : 四六判 上製 254頁
刊行年月 : 2013-03
内容 : 映画がなければカフカは生まれなかった
カフカは映画が好きだった。「イメージが動く」などの手法が彼の作品に応用されている。『城』と《吸血鬼ノスフェラトゥ》の共通点など、表現をめぐる刺激的な関係が明らかになる。
Kafka und der Film Über kinematographisches Erzählen
Peter-André Alt
ハードカバー: 237ページ
出版社: Beck C. H. (2009/03)
言語 ドイツ語, ドイツ語, ドイツ語
ISBN-10: 3406587488
ISBN-13: 978-3406587481
発売日: 2009/03
目次
Vorspann
Ästhetik dynamischer Bilder
Einübung des Kino-Blicks
(Betrachtung)
Verkehr und Film
(Kinder auf der Landstraße,
Der Verschollene, Das Urteil)
Verfolgungsjagden
(Der Verschollene)
Doppelgänger
(Der Proceß)
Das Lichtspieltheater der Gebärden
(Ein Brudermord)
Stereoskopisches Sehen
(Der Jäger Gracchus)
Ein Landvermesser in Transsylvanien
(Das Schloß)
Abspann
Anmerkungen
Bildquellen
Personenregister
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カフカ、映画に行く
KAFKA GEHT INS KINO
ハンス・ツィシュラー [著] ; 瀬川裕司 訳, みすず書房, 1998.7, 201p
A5変型判 タテ200mm×ヨコ148mm/208頁
定価 2,625円(本体2,500円)
ISBN 4-622-04707-1 C1098
1998年7月31日発行
目次
観客
弁士
悲しき文通者、あるいは散歩者
皇帝の名前
またしてもこの白い奴隷女
破線で描かれたパリ、もしくはモナリザの盗難
幕間
拉致されて、あるいはリュツォヴの猟人団
任意の例、もしくは分身
見えない観光名所、もしくは男泣かせの女
〔ほか〕
〈日記はまったくつけていません。なぜ日記をつけなければならないのかわからないのです。僕を心の奥深くで感動させるようなものに出会うことがない。それは、昨日のヴェローナのキネマトグラフの劇場でのように僕が泣いてしまうような場合も同じです。人間関係を楽しむことならできますが、それを体験するということがありません。〉(フェリーツェへの手紙
1913年10月29日)
「カフカの早い時期における日記や手紙のなかに、映画に言及されている箇所があることを初めて知ったのは1978年、カフカを題材とするテレビ映画を撮影していたときのことであった。映画への言及は広い範囲に拡散しており、ひどく謎めいているものも少なくない。その文章の調子は、映画を観に行くということに関して彼が抱いていた激しい感情を示唆するものであった。以来、私はこのテーマに本腰を入れて取り組むようになった。」
カフカは大の映画ファンだった。映画を注意ぶかく観察し、つねに〈書くこと〉との関係で考えつづけていた。さらに人生の無意味さを感じつつ「意識を失うほどの孤独」に陥るたびに、彼は映画館に通っていた。
カフカは、いつ・どこで・何を観たか。「白い奴隷女」「婿殿には公務員を」「男泣かせの女」「シオンへの帰還」等々、作家を魅了した映画の一つ一つを追跡し、斬新な手法でその文学と人物にアプローチした待望の書。
「カフカ、映画に行く」の著訳者:
ハンス・ツィシュラー
Hanns Zischler
1947年ニュルンベルクに生まれる。1966年にインゴールシュタットで大学入学資格を取得後、ミュンヒェン大学およびベルリン自由大学で文芸学・哲学を学ぶ。映画・舞台での俳優活動のほか、演出家、脚本家、プロデューサー、エッセイストとさまざまな顔を持つ才人として知られる。とりわけジャック・デリダの著作をはじめとするフランスおよびイギリスの現代思想の翻訳紹介は高い評価を受けており、〈ドイツでもっとも知的な俳優〉とも呼ばれている。著書としては"Im
Wortlaut"(1997、Alphaus)、"You Can't Judge A Book by its
Cover"(1995、Merve Verlag)、"Tagesreisen"(1993、Merve
Verlag)ほかがあり、代表的な映画出演作としては『新ドイツ零年』(1991、ジャン=リュック・ゴダール)『別れの朝』(1983、ローベルト・ファン・アカレン)『さすらい』(1975、ヴィム・ヴェンダース監督)等がある。
瀬川裕司
せがわ・ゆうじ
1957年広島市に生まれる。1982年東京大学文学部卒業。1989年東京大学大学院人文科学研究科博士課程退学。1987-88年ベルリン自由大学留学。横浜国立大学助教授を経て、現在は明治大学助教授。共著書に『現代映画作家を知る17の方法』(1997、フィルムアート社)『ドイツ・ニューシネマを読む』(1992、フィルムアート社)、訳書にヘルムート・カラゼク『ビリー・ワイルダー
自作自伝』(1996、文藝春秋)『ドイツ映画の誕生』(1995、山科書店、共訳)、ヴィム・ヴェンダース『夢の視線』(1994、河出書房新社)、レナーテ・ザイデル『ロミー・シュナイター』(1991、平凡社)ほかがある。