2011-11-09

民魂の音を聴く——東欧ユダヤ民族音楽〈クレズマー〉と現代世界

「民魂の音を聴く——東欧ユダヤ民族音楽〈クレズマー〉と現代世界」

チラシ:http://gcoe.hus.osaka-u.ac.jp/111127workshop1.pdf

<趣旨>
 来る11月27日(日)、神戸ユダヤ文化研究会並びに大阪大学
との共催企画として、東欧ユダヤ民族音楽〈クレズマー〉の調べを
とともに、踊りあり、トークあり、コンサートありという盛り沢山
のイベントを開催いたします。
 第1部「イディッシュダンス・ワークショップ」では、ベルリン
にてユダヤ舞踏家の下で研鑽を積まれている吉田佐由美さんを講師
にお迎えして、オルケステル・ドレイデルの生演奏をバックに、東
欧ユダヤ・ダンスの舞を参みなさんにも実体験していただきます。
 第2部「『クレズマーの文化史』を横断する」では、黒田晴之さ
ん(松山大学)の新著『クレズマーの文化史——東欧からアメリカ
に渡ったユダヤの音楽』(人文書院)の刊行を記念して、音楽評論
家の平井玄さん、チンドンからクレズマーまで弾きこなすクラリ
ネット奏者の大熊ワタルさん、サントリー学芸賞を受賞した『中東
欧音楽の回路』の伊東信宏さん(大阪大学)をゲストに、東欧ユダ
ヤ民族音楽〈クレズマー〉の現状と展望について縦横無尽に語って
いただきます。
 第3部は今回の目玉企画として、国内外で知る人ぞ知る世界音楽
隊シカラムータの特別編成「ジンタらムータ」によるライヴ演奏を
存分に堪能していただきます。コンサートの終盤には、即席生え抜
きの「イディッシュ・ダンス隊」の飛び入り参加で大団円を迎える
かも?
 3・11の原発震災による〈大破局〉[khurbm]の年、〈修復〉
[tikun]に向けたささやかな機会になればと願っています。
 ぜひお見逃しなく!

<日時>2011年11月27日(日)13:00〜18:30

<場所>大阪大学(豊中キャンパス)
  21世紀懐徳堂スタジオ(イ号館・2階)
    会場地図:http://21c-kaitokudo.osaka-u.ac.jp/access

≪参加無料・事前登録不要≫

<主催>神戸ユダヤ文化研究会、大阪大学グローバルCOEプログ
ラム「コンフリクトの人文学国際研究教育拠点」、「イディッシュ
語文化圏における芸術活動の研究」(文部科学省科学研究費:基盤
研究B)、大阪大学MCE研究会

<プログラム>

◆12:30 開場

◆13:00〜15:15
�.イディッシュダンス・ワークショップ
  講師:吉田佐由美
  演奏:オルケステル・ドレイデル
     樋上千寿(クラリネット)
     白石雅子(アコーディオン)

◆15:30〜17:00
�.「クレズマーの文化史」を横断する
  ゲスト:平井玄
      大熊ワタル
      伊東信宏
      黒田晴之

◆17:10〜18:40
�.ジンタらムータ・コンサート
  演奏:ジンタらムータ
     大熊ワタル(クラリネット)
     佐藤芳明(アコーディオン)
     磯部舞子(バイオリン)
     ギデオン・ジュークス(テューバ)
     こぐれみわぞう(ちんどん太鼓)

<プロフィール>

・吉田佐由美
ベルリン在住、グラフィックデザイナー。イディッシュ・ダンスを
Walter Zev Feldman, Michael Alpert, Helene Domergueら欧米第
一線のダンサーに師事。クレズマー音楽&イディッシュ・ダンスを
最もよく知る数少ない日本人の一人。

・オルケステル・ドレイデル
リーダーの樋上千寿が、シャガールの描く楽士が奏でる音楽を追究
する中でクレズマーに出会い、2003年春に白石雅子と結成。シャ
ガール芸術の源泉のひとつとなったイディッシュ文化との関連で伝
統的なクレズマー音楽を紹介する演奏&講演活動を続けている。

・平井玄
1952年新宿生まれ。群衆思想/音楽文化論。中学でロックを棄て、
ジャズの深海に溺れる。40歳で浮かび上がるとクレズマーの小舟に
救われる。今夏、ロンドン暴動でソニーの倉庫が炎上した。そこか
ら音楽を考え直したい。著書に『愛と憎しみの新宿』『千のムジ
カ』『ミッキーマウスのプロレタリア宣言』『引き裂かれた声』
『暴力と音』『破壊的音楽』『路上のマテリアリズム』など。

・大熊ワタル
シカラムータ/ジンタらムータの他、ソウルフラワーモノノケサ
ミットや演劇とのコラボなど幅広い活動。ロックバンドでの活動開
始後、20代半ばでチンドン屋に弟子入りし、クラリネットを街頭で
修行。東京のシーンでクレズマーを演奏した最初期の一員でもあ
る。

・伊東信宏
1960年生まれ。大阪大学文学部、同大学院修了。大阪大学大学院文
学研究科教授(音楽学)。博士(文学)。著書に『バルトーク』、
『中東欧音楽の回路』(サントリー学芸賞)など。朝日新聞、
NHK-FMなどで解説、批評を担当。

・黒田晴之
松山大学経済学部教員。なぜか20世紀中頃のドイツ文学をいつもア
ウトサイダー(ヤーン、カネッティ、H・フィヒテ)から追ってい
る。ただいまの脳内サウンドシステムでは、ダブとクラウトロック
をクレズマーに接続させる。第37回ドイツ語学文学振興会奨励賞を
受賞。著書に『クレズマーの文化史——東欧からアメリカに渡った
ユダヤの音楽』など。

・ジンタらムータ
チンドン・ジンタをバックボーンに、ロック・ジャズの最前線で世
界の街頭音楽をシャッフルし、実験性・即興性がシンクロした独自
の祝祭的音楽で、国内外で評価の高い「シカラムータ」。そのア
コースティック版・出前ユニットがジンタらムータ。地中海〜バル
カン〜東欧や、中南米などの民衆音楽を中心に、オリジナル曲も交
えて、コンサート会場だけでなく、街頭パレードや、結婚式のパー
ティーなど、神出鬼没で活動する。