2011-11-07

『作品は「作者」を語る—アラビアン・ナイトから丸谷才一まで』

ソーントン不破直子・内山加奈枝(編著)
2011年10月
3000円(税込)
四六判並製・334頁
装丁:矢萩多聞
ISBN 9784861102929

■内容

ロラン・バルト以後の「作者」とは何か?
『百年の孤独』に深い影響を与えた『アラビアン・ナイト』、ヘミングウェイの身体性が抜きがたく刻み込まれた『ニック・アダムズ物語』、時空を越えた幽霊としての作者を示した丸谷才一『輝く日の宮』など、8つの視点から「作者」を探究する。

■目次

第1章 『アラビアン・ナイト』—「作者の死」とシェヘラザードの語り 【小泉 泉】
第2章 ヒエロニモの沈黙—『スペインの悲劇』における作者と権力 【佐藤達郎】
第3章 模倣と剽窃の異国ロマンス—アメリカ・ジャポニスム小説と「作者」 【中地 幸】
第4章 夏目漱石が現代批評に与える「生きたもの」—『こころ』における主体と倫理 【内山加奈枝】
第5章 メタフィクション「大きな二つの心臓のある川」を書いたのは誰か?—ヘミングウェイと「作者」の身体 【小笠原亜衣】
第6章 リチャード・ライト『ブラック・ボーイ』が語る「作者」像 【升田光子】
第7章 ジェフリー・ダーマーを描くことはできるのか?—ジョイス・キャロル・オーツの『生ける屍』における作者観 【森井美保】
第8章 「作者」という幽霊、「読者」という未来—丸谷才一『輝く日の宮』の作者観 【ソーントン不破直子】


■著者

小泉 泉(こいずみ・いずみ)
日本女子大学、跡見学園女子大学、武蔵野大学、首都大学東京非常勤講師
佐藤達郎(さとう・たつろう)
日本女子大学文学部英文学科准教授
中地 幸(なかち・さち)
現在都留文科大学文学部英文学科教授
内山加奈枝(うちやま・かなえ)
日本女子大学文学部英文学科講師
小笠原亜衣(おがさわら・あい)
玉川大学工学部ソフトウェアサイエンス学科准教授
升田光子(ますだ・みつこ)
日本女子大学、慶応義塾大学非常勤講師
森井美保(もりい・みほ)
山梨学院大学、東京都市大学、日本女子大学非常勤講師
ソーントン不破直子(そーんとんふわ・なおこ)
日本女子大学名誉教授