2013-02-27

プラハの城と言えば、カフカの『城』が連想されるけれど、ちょうどアガンベンの『裸性』には、19世紀半ばに刊行された『ローマ測量師記録』にあるカストルムの図像が『城』の描写と驚くほど似かよっているという記述があった。

プラハの城と言えば、カフカの『城』が連想されるけれど、ちょうどアガンベンの『裸性』には、19世紀半ばに刊行された『ローマ測量師記録』にあるカストルムの図像が『城』の描写と驚くほど似かよっているという記述があった。

裸性
ジョルジョ・アガンベン 著 ; 岡田温司, 栗原俊秀 訳, 平凡社, 2012.5, 221p
ヌディタ、すなわち裸性=剥き出しとは、セクシュアリティに関わるものである以上に、われわれが無防備であること、さらされてあることに関係している。原罪を一種の自己誣告とみる独創的なカフカ論をはじめ、原罪によって開かれた潜勢力としての「認識の可能性」がヌディタの核心にあることを喝破した好著。シリーズ第一弾。

[目次]

創造と救済
同時代人とは何か?
K
亡霊にかこまれて生きることの意義と不便さ
しないでいられることについて
ペルソナなきアイデンティティ
裸性
天の栄光に浴した肉体
牛のごとき空腹-安息日、祭日、無為をめぐる考察
世界の歴史の最終章