ドイツ児童書の社会史 ほらばなしはいかにして啓蒙の時代を生き延びたか
出版社 明石書店
著者
佐藤茂樹
価格 5,040円(税込)
発売日 2013年1月31日
ページ数 321P
ISBN 9784750337524
内容注記
親族と寝食を共にする徒弟を含んだ大家族の時代から父母を中心にした職住分離の小家族時代へ。18〜19世紀にドイツ社会が大きく変化するなかで子どもたちに提供される読み物も独自の世界を作り出した。子どもの本は、啓蒙の時代を経てどう変わっていったのか。
【目次】
プロローグ 児童文学の社会史に寄せてーヨーアヒム・ハインリヒ・カンペ『ロビンソン・ジュニア』の例から
第1部 "父"たちの児童書(ほらばなしはいかにして啓蒙の時代を生き延びたかーヨーハン・ゴットリープ・シュンメル「抵当遊び」から
『かにの本』再考 ほか)
第2部 メルヘンとそのコンテクスト(オーストリア最初のメルヘン集まで
フリードリヒ・ド・ラ・モット・フケーの『ウンディーネ』を読む ほか)
第3部 もうひとりのグリム(グリム対グリムス
オランダ語版選集に紛れ込んだもうひとりのグリムー『ヴァイオリンを抱えた小男フリーダーの愉快な話』 ほか)
第4部 十八世紀ドイツの子どもの本(ヨーハン・ゴッドリープ・シュンメル『子どもの遊びと会話』
ヨーアヒム・ハインリヒ・カンペ『ロビンソン・ジュニア』 ほか)
【著者情報】
佐藤茂樹(サトウシゲキ)
1952年生まれ。慶應義塾大学文学研究科博士課程単位取得退学(ドイツ文学)。現在、関東学院大学文学部比較文化学科教授
氏 名 佐藤 茂樹 (サトウ シゲキ)
所 属 文学部比較文化学科
学部担当科目 ドイツ語、ドイツ研究入門、ドイツの言語文化、
ドイツの文化と社会、ゼミナール、基礎ゼミナール
専門分野 近代ドイツ文学(特に口頭伝承が書物による伝承に変化・変容していく過程や児童書の成立・発展の歴史など)
最終学歴 慶應義塾大学文学研究科修士課程
研究テーマ 伝承文芸の社会史、児童書の社会史
研究テーマの説明 口頭の伝承が書物に取り入れられて、新たな受容層に浸透し、新たな伝承の系譜を形成していく過程に特に関心を持っています。
主要業績 ・「新児童の友総目次」(人文研所報、2003)
・「等身大の異文化コミュニケーション」(明石書店、2004)
・「18世紀ドイツの子どもの本(1)〜(6)」(幼児の教育、2005)
・「メルヘンとそのコンテクスト」(文学部紀要、2005)
・「ウィーンの都市形成と民間伝承」(人文研所報、2006)
メッセージ 最近は、いつも誰かと一緒にいないと不安な人が増えています。大学生になったら、他人に振り回される生活をやめて、自分の人生を邁進してください。安易にもたれあう仲間を作るくらいなら、友だちなんかいなくともかまわないくらいの強い気持ちを持って、かけがえのない自分の人生設計をしてください。
ゼミナール ドイツ語圏を中心にした伝承の比較研究が課題です。伝承の内容は、一方では、地域・時代の生活世界の現状に応じて「屈折」し、変容します。また一方では、それにもかかわらず、保持され続ける要素もあります。ここからさまざまな比較文化研究への糸口が見出されることでしょう。