2013-02-26

『近代チェコ住宅社会史』

森下 嘉之:著
A5判 298ページ 上製
定価:7,200円+税
ISBN978-4-8329-6776-2 C3022
奥付の初版発行年月:2013年02月 / 発売日:2013年02月下旬
発行:北海道大学出版会

本書は、20世紀に誕生 した新国家チェコスロヴァキアの形成と社会変容を、住宅問題を通して考察する試みである。チェコに広がる大規模高層住宅は、20世紀前半に展開された様々な社会改革運動の末に形成され、共産主義体制が成立するまでに、市民層の社会改革家や都市官僚層、前衛的建築家、さらには共産党員らが、独自の住宅・社会改革を打ち出していった。
当時のチェコで展開された、独自の社会構想に着目する。

目次

第I部 郊外住宅地の実験 -帝政期から1920年代まで-
第1章 帝政期ボヘミアの都市・住宅・社会
第2章 チェコスロヴァキア第一共和国の住宅政策-産業振興と自立した市民層の育成
 第3章 1920年代の住宅改革運動—自立した個人を基盤とした国家へ—

第II部 「家族住宅」から「最小住宅」へ-1930年代の住宅改革から戦後へ-
第4章 経済恐慌期における住宅政策の変容—「家族住宅」から「最小住宅」へ—
第5章 新しい住宅改革構想—戦間期チェコの建築家集団の活動から
 第6章 ドイツ系住民の居住地域における住宅問題—地域社会とネイション—
 第7章 チェコスロバキア第三共和国(1938~1948)期における住宅政策の変容
関連書

福田宏『身体の国民化—多極化するチェコ社会と体操運動—』2006,北海道大大学出版会
北村昌史『ドイツ住宅改革運動—19世紀の都市化と市民社会』2007,京都大学学術出版会
裕成保志『〈住宅〉の歴史社会学—日常生活をめぐる啓蒙・動員・産業化—』2008,新曜社