2011-03-10

1920年から1972年までのプロ・アマのスポーツ放送の音声資料

米国議会図書館(LC)、1972年以前のスポーツのラジオ・テレビ音声録音資料を購入
Posted 2011年3月10日

2011年3月9日に、米国議会図書館(LC)が、John
Miley氏が収集してきた、ラジオやテレビのスポーツ中継の音声を録音したコレクションを購入したと発表しました。"John Miley
Sports Broadcast
Collection"と名付けられた同コレクションは、1920年から1972年までのプロ・アマのスポーツ放送の音声資料とのことで、その数は
6,000点を超すようです。また、同コレクションは、歴史的なゲームの記録資料としてだけではなく、名スポーツアナウンサーの音声記録としての価値もあるとのことで、LCでは今後デジタル化を行い、LCの閲覧室で提供する予定のようです。

Library Acquires Historic Radio & TV Sports Recordings (Library of
Congress 2011/3/9付けのニュースリリース)
http://www.loc.gov/today/pr/2011/11-046.html

Library of Congress Buys Audio Archive (New York Times 2011/3/8付けの記事)
http://www.nytimes.com/2011/03/09/sports/09archive.html

藤原辰史『カブラの冬:第一次世界大戦期ドイツの飢饉と民衆』人文書院 2011年

カブラの冬 レクチャー第一次世界大戦を考える
第一次世界大戦期ドイツの飢饉と民衆
藤原 辰史著
税込価格: ¥1,575 (本体 : ¥1,500)
出版 : 人文書院
サイズ : 19cm / 154p
ISBN : 978-4-409-51112-1
発行年月 : 2011.1

■概要
第一次世界大戦期ドイツ。イギリスの経済封鎖は76万の餓死者を生んだ。食糧戦争としての大戦を描く。
第一次世界大戦期にドイツで発生した飢饉の事実を、当時の新聞や文献、あるいは欧米・日本での研究成果に依拠しつつ紹介・整理。民衆のプロテスト、その後の時代への影響にも触れる。

■目次
はじめに 戦争と食糧
1 日本からみた「カブラの冬」———おなかがすいてはいくさはできぬ
2 飢える大国

第1章 大国が飢える条件
1 餓死者七六万二七九六人の衝撃
2 兵糧攻めをうける「城」------イギリスの海上封鎖
3 シュリーフェン作戦の挫折
4 食料輸入大国ドイツ------生命線としての輸送網
5 農業生産力の減退とその対策

第2章 食糧危機のなかの民衆と政府
1 熱狂と陶酔の影で
2 戦時下の食生活-----Kパン・民衆食堂・密商
3 行政の介入------価格統制から戦時食糧庁設立まで

第3章 日常生活の崩壊過程----「豚殺し」と「カブラの冬」
1 深まる危機
2 豚殺し
3 カブラの冬
4 女たち----争いと行列
5 子どもたち-----犯罪と病気

第4章 食糧暴動から革命へ
1 崩れゆく「城」
2 行列から暴動へ------街角の「ポロネーズ」
3 日常における政治の顕在化------三級選挙法をめぐって
4 水兵たちの食事と革命

第5章 飢饉からナチズムへ
1 終わり損ねた戦争
2 連鎖する憎悪------「匕首伝説」の誕生
3 ナチスによる飢饉の総括
4 大戦が生んだナチスの食糧政策

おわりに ドイツの飢饉の歴史的位置
1 交戦国の食糧状況概観
2 「カブラの冬」の遺産

参考文献
あとがき
略年表

2011-03-09

1917.9.4-5 an Ottla Kafkas Briefe "Richard Wagners Meistersingern"

[Prag, 4. und 5. September 1917]
Richard Wagners Meistersingern
http://homepage.univie.ac.at/werner.haas/1917/ok17-048.htm

Übrigens fällt mir jetzt so oft der Vers aus den Meistersingern ein:
"ich hätt' ihn für feiner gehalten" oder so ähnlich.

Ich meine damit: in dieser Krankheit liegt zweifellos Gerechtigkeit,

ここで僕が何を意図しているのかというと・・・この病には疑いもなく正義がある、ということです

es ist ein gerechter Schlag, den ich nebenbei gar nicht als Schlag
fühle sondern als etwas im Vergleich zum Durchschnitt der letzten
Jahre durchaus Süßes,

それは正義の一撃であるが、ちなみに僕はそれをまったく打撃とは感じなくて、むしろ近年の平均値と比較してみれば、徹底的に甘美なものと感じているのです。

es ist also gerecht, aber so grob, so irdisch, so einfach, so in die
bequemste Kerbe geschlagen.

つまり公平に、しかしながら、とても荒々しく、とても世俗的に、とても単純に殴打されて、もっとも心地よい切り傷ができるのです。

Ich glaube eigentlich: es muß noch einen andern Ausweg nehmen.

つまるところ僕は「それはまたもう一つ別の解決策でなければならない」と信じているのです。

2011-03-07

2011年3月現在のアスコナ

http://before-and-afterimages.jp/news2009/2011/03/ascona-3.html
http://before-and-afterimages.jp/news2009/2011/03/ascona-2.html
http://before-and-afterimages.jp/news2009/2011/03/ascona-1.html
http://before-and-afterimages.jp/news2009/2011/03/ascona.html

瀟洒なホテルがあるわりには荒んだ廃墟を連想させたアスコナの「真理の山(Monte
Verita)」。オリエンタリズムと似而非スピリチュアルな雰囲気の疑似茶室に茶畑。「世界が平和でありますように」の柱。貧相な「ユートピアの塔」。改装中で数年間閉館している展示館。神話の頽廃。
http://twitter.com/tanajun009/statuses/44123246160908289

この地で買い求めた研究書によれば、ゼーマンたちが神話化した「社会変革思想を孕んだ芸術家コロニー」といった姿とは異なり、ドイツ人たちの一風変わった観光用サナトリウムだったらしい。とすれば、この頽廃も必然か。
http://twitter.com/tanajun009/statuses/44123836345626624

必読『ロシアとパレスチナを繋いだ想像力—シオニズムの歴史社会学』

第1回東京大学南原繁記念出版賞受賞論文

 鶴見太郎(日本学術振興会特別研究員)

 『ロシアとパレスチナを繋いだ想像力—シオニズムの歴史社会学』

 受賞した論文は,後日,東京大学出版会から書籍として刊行されます.

【講評】(田中純/東京大学大学院総合文化研究科教授)

 本論文は,1881-82年のポグロムから1917年のロシア革命にいたる帝政末期のロシア・シオニズムを,歴史的・実証的にはきわめて精緻に,理論的には社会学的観点から明快に分析した独創的な研究である.方法の軸として著者は,統計資料などを駆使して示されるロシア・シオニズムの「客観的文脈」に加えて,シオニスト自身の「主観的文脈」に注目し,彼らの思想がいかなる想像力のもとで形成されていたかを明らかにしている.

 本論文ではまず,19世紀後半の多民族国家ロシア帝国におけるユダヤ人の社会的位置や他民族との関係の変化,および初期シオニズムの様相が概観されたのち,ロシア・シオニズムの機関誌が丹念に読み込まれ,シオニストの世界観における「ネーション」概念の重要性が多面的に浮き彫りにされる.そこでとりわけ注目すべき発見は,ロシア・シオニストたちがユダヤ人の本質規定をむしろ忌避していたという事実である.

 著者はこの点を注意深く掘り下げ,指導的シオニストの自伝的小説などの読解を通じ,ロシア・シオニズムの想像力において非ユダヤ人との関係が果たした役割をあぶり出してゆく.著者によれば,シオニストたちはディアスポラのもとで社会的に構築されてきた「ユダヤ人」概念に反発する形で,いまだ意味づけられていない「純粋な社会性」を創り出す場を追求した.そして,このようにして紡ぎ出された「社会」という位相こそ,ロシア・シオニズムがオーストリア・マルクス主義の民族理論を下敷きにしつつ,それを批判することによって模索した,パレスチナにおける多民族秩序の根底をなすものである,と著者は言う.

 これは現代の中東問題にもつながりうる,アクチュアルな意義をもった分析である.本論文は,省みられることの少ない一次資料の発掘に基づき,ロシア語を中心にヘブライ語も含む文献を駆使して展開された,優れたロシア・ユダヤ社会史研究であると同時に,社会学的見地からのネーション論や集団的アイデンティティ論を踏まえた民族問題論でもあるという点で,実証と理論の両面を兼ね備えた,世界的に見てもあまり類例のない劃期的な業績と見なしうる.抑制された端正な文体は非常に明晰であり,巧みに工夫された構成もあって,大変読みやすく説得力のある論述になっている.用語解説を含む付録をはじめとした隅々まで行き届いた配慮が,本論文の完成度をさらに高めている.

 以上の点から,国際的に通用する第一級の学術的成果として,本論文は第1回東京大学南原繁記念出版賞を授賞するにふさわしい内容と評価できる.


【受賞のことば】鶴見太郎

 このたびは,栄えある第1回東京大学南原繁記念出版賞に拙稿を選出いただき,どうもありがとうございました.この受賞はすなわち,出版事情が厳しい中,商業ベースではとても売れそうにない私の研究の成果が,名高い東京大学出版会から世に出されるということでもあり,その点への安堵がまずありました.しかしそれ以上に,人生で初めて賞と名のつくものを,大変に名誉な形で受けることができたことは,存外の喜びであるとともに,他人事だと思っていた賞というものに対して恐縮している次第でもあります.

 私の研究の出発点は,混迷極まるパレスチナ問題の根源を探るというものです.その衝撃の強さから,それに関する歴史の登場人物や思想,事件というものには様々な色付けがなされることが少なくありません.そうした中,私は,それらを等身大で見てみたいと思いました.しかし,等身大で見ようとすればするほど,それらを個体として見ることはできず,それらが様々な社会関係の中に埋め込まれていることが明らかとなります.拙稿は,こうした視点を「社会学的」と銘打って,ロシア帝国と深くかかわっていたユダヤ人の中から,パレスチナにユダヤ人の民族的拠点を打ち立てようとするシオニズムという考え方がどのようにして生まれたのかを探求したものです.こうして見ることで,初期のシオニストが,パレスチナを目指すという明示的な目標の一方で,ロシア帝国という場をもう一度目指していたことが浮かび上がるとともに,よくあるナショナリズムとして個別的に見ていたのでは奇妙に思えるシオニズムのある特質についても理由があったことがわかりました.

 こうした自らの研究成果に照らし合わせてみますと,私自身が,特定の社会的文脈の中に,しかも相当程度に恵まれた文脈の中に埋め込まれていたことに多いなる感謝の念を抱かないわけにはいきません.このたびの受賞への喜びも,そうした意味で今後の大きな原動力となることは間違いありません.しかしそれだけでは私は調子に乗ってしまいますので,厳しいご批判を頂戴できましたら幸いに存じます.

【受賞者略歴】

[略歴]1982年生まれ.2006年東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了.2006-2007年エルサレム・ヘブライ大学ロスバーグ国際校客員研究員.2010年東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了.博士(学術).2010年エルサレム・ヘブライ大学人文科学部博士後研究員.現在,日本学術振興会特別研究員PD.[専攻]歴史社会学,ロシア・東欧ユダヤ史

2011-02-28

Google、チェコ国立図書館所蔵の歴史資料約20万点をデジタル化へ

2011年2月22日付けのGoogleブックスのブログ"Inside Google
Books"の記事で、Googleが歴史資料のデジタル化でチェコ国立図書館と提携したと発表しています。デジタル化される資料は、16世紀から18世紀までに刊行された、約20万点とのことです。また、チェコ国立図書館は、EUの支援を受け、2019年まで、19世紀から20世紀までの30万件の図書と雑誌のデジタル化を行うとも発表しています。
Printed treasures from the Golden City (2011/2/22付け Inside Google Booksの記事)
http://booksearch.blogspot.com/2011/02/printed-treasures-from-golden-city.html
Národní kulturní bohatství zachovají nové technologie
Statisíce knih a periodik online (2011/2/22付け Národní knihovna ČRのプレスリリース)
http://www.nkp.cz/files/tz_ndk_google.pdf
National library to digitise half a million items (2011/2/22付け Prague
Daily Monitorの記事)
http://praguemonitor.com/2011/02/23/national-library-digitise-half-million-items

2011-02-19

カフカが暮らした時代のベルリン集合住宅(Siedlung)写真多数掲載『建築家ブルーノ・タウト  人とその時代,建築,工芸』

著者田中辰明氏が長年、現地調査の上、撮影した写真を多数収録。現在も住宅として住まわれている物件がほとんど。
Taut,Bruno (1880-1938)。
# A5判/並製232頁/カラー口絵6頁
# 定価2625円(本体2500円+税)
# 株式会社オーム社
目次
第1章 タウトの生涯とタウトを取り巻く人々
第2章 ユネスコ世界文化遺産と1925年までに設計されたジードルング群
第3章 1926年以降に設計されたジードルング群
第4章 ダーレビッツに残るブルーノ・タウトが設計した旧自邸
第5章 ブルーノ・タウトの多様な作品群
第6章 日本での活動−建築家の休日
第7章 タウトの言葉
文献一覧
タウト作品見学ガイド
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マンションドクターニュース>>No.85(2010.08)「ドイツの世界遺産集合住宅−90年を経たタウトのジードルングを見て−」
http://www.kikou.gr.jp/files/mdnews85/mdn85_3.html
「日本美の再発見者 建築家ブルーノ・タウトのすべて 生誕100年記念 ヨーロッパ・日本巡回展 」
http://www.nmao.go.jp/japanese/exhibitionarchive/1984/040/exhibition_no040.html
http://webcatplus.nii.ac.jp/webcatplus/details/book/8058528.html
ユネスコ世界遺産「Berlin Modernism Housing Estates」
http://whc.unesco.org/en/list/1239

2011-01-29

多和田葉子『Kafka Kaikoku (カフカ開国)』書き下ろし新作

『カフカ開国』多和田葉子氏インタビュー
ベルリン日独センター広報紙93号、2010年12月
http://www.jdzb.de/images/stories/documents/interview%20tawada%20yoko%20echo%2093-j.pdf

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2011年2月にベルリン日独センターで、多和田葉子書き下ろし舞台劇『カフカ開国』を上演します。出演はベルリンの劇団らせん舘で、計6回の公演を予定しています。原作者の多和田葉子氏は東京で生まれ、早稲田大学でロシア文学を専攻しました。初めてドイツを訪れたのは1979年、シベリア鉄道の旅です。1982年にハンブルクに移住し、ハンブルク大学でジーグリット・ヴァイゲル教授の下で現代ドイツ文学を専攻、チューリッヒ大学で文学博士号を取得します。1986年にドイツ語による作品がモノグラフ『Japan-Lesebuch』(テュービンゲン、Konkursverlag
出版)に収録されて文壇デビュー、翌1987年に日独語の詩集『あなたのいるところだけ何もない・Nur da wo du bist da ist
nichts』が刊行されます。日本で初めて刊行された単行本は1992年の『三人関係』(講談社)です。以後、日本語とドイツ語による執筆活動を続け、日独で多数の賞を受賞しています。
『カフカ開国』公演に向けて、本紙は2005年に本拠をベルリンに移した多和田葉子氏にインタビューしました。


編集部:『カフカ開国』は先生の最新の戯曲です
が、タイトルの意味および内容(簡単なあらすじ)
を教えてください。

多和田:これは、ドイツ語の「ウンゲツィーファー」
という単語をめぐる劇と言っていいかもしれま
せん。カフカの『変身』ではみなさんご存じのよ
うに、主人公グレゴール・ザムザがこの「ウンゲ
ツィーファー」に変身してしまいますが、邦訳は「
害虫」その他いろいろありますね。クルーゲ語源
辞典で調べてみると、この単語はもともと「不浄
な動物」、おそらく「不浄なので、生け贄にふさわ
しくない動物」という意味であったろうと書かれ
ています。変身してしまったグレゴールはもう仕
事ができなくなる、あるいは仕事をしなくてもよ
くなるわけです。両親の借金を返すために働か
なければならなかったはずが、変身してしまって
からは不思議なことに、借金のことはもう問題に
されず、結局は家族がグレゴールの妹の結婚に
未来への希望をたくすことで終わっています。
『カフカ開国』はこの謎に満ちたカフカの「変
身」を芝居にしたものですが、同時に日本の開
国に関する物語でもあり、「夜叉が池」が出てき
て、泉鏡花自身も登場します。鏡花は、日本の近
代化が始まっても江戸時代の妖怪を忘れること
なく、怪しい世界を言語の中にすくいとることに
成功した作家だと思います。


編集部:先生の文学創作活動において、カフカは
どのような意義をもつのでしょうか。


多和田:カフカの文学では言語そのものの魔
術性と超現実主義的な要素がお互いに作用し
あっていて、ドイツ語文学の中では例外的な存
在だと思います。カフカは中学生の時から好き
でしたが、後にヴァルター・ベンヤミンのおかげ
で、再発見することができました。わたしは世界
各国を旅してきましたが、カフカはいろいろな
文化圏で若い人に読まれています。日本やアメ
リカだけでなく、中国やイスラム圏でも熱心な
カフカの読者と出会うことができました。


編集部:先生は日本語とドイツ語で執筆活動を
続けておられますが、最新作はどちらの言語で
書かれましたか。また、その言語を選んだ理由
も教えてください。

多和田:『カフカ開国』では、ある国で作り上げ
た作品をもう一つの国に輸出するのではなく、
作り上げる過程で既に、わたしたちが生活し、
稽古し、シュピーレンしている場所から学びた
いと思いました。この場合、場所というのはドイ
ツ語のことです。「シュピーレン」というドイツ語
には「芝居を上演する」という意味もありますし、
言葉遊びをする場合の「遊び」もシュピーレンで
すね。前者はらせん館の仕事、後者はわたしの
仕事です。このお芝居には日本語の部分もあり
ますが、その部分は意味が分からなくても、音
として楽しめると思います。


編集部:劇団らせん舘は、1997年から『サンチョ
パンサ』『 舞台動物』『 旅をする裸の眼』等の先
生の作品を上演してきました。らせん舘は、「諸
文化の狭間において、言葉の可能性の限界を追
求し、現代的な演劇形式を開発すること」を目指
しています。先生も、日本語とドイツ語、また日本
文化とドイツ文化の間をひんぱんに往来する人
物と目されていらっしゃいます。そういう意味で先
生とらせん舘は気性の似通う、親和力が作用す
る同士と言えるでしょうか。


多和田:わたしは魂がたくさんあるので、これ
からも魂の呼びあうたくさんのアーチストと出
遭いたいと思っています。ただし、派閥や一族
を作る気はありません。らせん館は1992年から
わたしの作品を舞台にのせ続け、他には例のな
い独自の美学を作り上げてきています。今の時
代、母語の通じない場所で暮らしているアーチ
ストや知識人はたくさんいます。外国語を舌に
のせる感触は、時代を代表する感触と言ってい
いのではないでしょうか。外国語を話す時、穴
があいていたり、折れていたり、割れていたり、
壊れていたり、ゆがんでいたりする部分があり
ますが、そんなところにこそ、本当に知る価値の
ある事柄が見えてくると思うのです。


編集部:先生の創作活動は詩、エッセイ、散文、
戯曲、放送劇と幅広く、ピアニストの高瀬アキさ
んと一緒にベルリン日独センターでデュオ・パ
フォーマンスの公演をされたこともあります。一
番好きな創作ジャンルを特定することは可能で
しょうか。そして、文学者として最も大きな影響を
受けたのは、どのジャンルでしょうか。


多和田:戯曲を読むのは昔から好きで、シェイ
クスピア、チェーホフ、ギリシャ悲劇から始まっ
て、クライスト、ビューヒナー、ハイナー・ミュラー
など読みました。でも詩や散文などを読んだり
書いたりするのも戯曲と同じくらい好きです。
どのテキストも自分に合った形式を見つける
必要があります。だからいろいろなジャンルで
創作するのです。


編集部:『カフカ開国』は、「日独交流150周年」の
公式認定行事として上演されます。作品に、日独
関係に関する言及もありますか。


多和田:長い鎖国が終わって、日本は長い間閉
じていたささやかな扉を開きました。プロイ
センは近代化のスピードが速かったので日本
の近代化のお手本に選ばれました。でも近代
化を猛スピードで行なうことは人間や文化に
どのような影響を与えるのでしょう。江戸時代
の化け物や幽霊たちは姿を消す暇がなかった
ので、生き残り、最新技術、アニメ、マンガの中
に再登場します。日本はただただ遅れまいとし
て、近代化、軍事化、アジア隣国の植民地化、戦
争、民主化、工業化の中を突っ走ってきました。
今こそ足をとめて休息しながら、自分の国の歴
史を批判的に振り返ってみる時が来たのでは
ないかと思います。

大空社『世界文学総合目録 全10巻』第4回配本(2012年6月) 978-4-283-00636-2第7巻 ドイツ編 00637-9

明治初年から昭和二十年までに初訳が行われた外国作家を網羅し、
その作家の翻訳作品を作品別の目録として編纂。
収録した作家については、本書刊行時までに刊行されたすべての翻訳作品を収録。
図書のみならず新聞・雑誌を含めた初の作家・作品別総合目録!
原作者別・作品別の構成、配列はそれぞれの年代順に目録化。
翻訳掲載紙誌および図書の装幀と挿絵で、それぞれの作家がどのようなイメージで受容されてきたかを明らかにする。
各作家の略伝、原典資料に語らせる作家像の変遷と連動して、作品目録の歴史的位置を理解できる構成とする。
【各巻構成】
1 国・地域別編成
2 作家(原作者)の50音順配列
3 各作家の構成
a) 略伝
b) 明治・大正・昭和・平成の日本における作家像——代表的文献より抄出した資料集
c) 翻訳掲載紙誌・図書の挿絵・装幀——多数の貴重図版でたどるイメージ集
d) 作品別翻訳文献目録——新発見資料を多数収載。初訳の登場・各翻訳の影響関係が一目瞭然となる年代順配列
4 解説・論考(配本/地域ごとに収録)
外国文学受容の歴史・時代背景を主要叢書などの目録を使って解説。また、専門研究者による最新の論考を多数収録。
■B5判・上製・クロス装・各巻400〜500頁
■各配本セット定価(本体48,000円+税)
■各巻定価(本体24,000円+税)〈分売可〉
http://www.ozorasha.co.jp/bungaku.html#A-807

この展覧会は、「変身-変容」をテーマに人間とそうでないものとの境界を探るもの

東京アートミーティング トランスフォーメーション - 東京都現代美術館
___________________________
展覧会概要[中沢新一・長谷川祐子 共同企画]
生きることは変わること。細胞や知識の更新、時代、環境との出会い、また想像力によって、日々私たちは変わっていきます。
この展覧会は、「変身-変容」をテーマに人間とそうでないものとの境界を探るものです。古今東西、変身をテーマにしたイメージや芸術は多くつくられてきました。特に日本においては、昔話から現代の漫画やアニメのキャラクターに至るまで、豊かなイメージが溢れています。
では今、なぜ「変身-変容」なのか?インターネットやグローバル経済、テクノロジーの発達によって、従来の社会に属する「人間」という形がぶれはじめ、その存在には、かつてないほどの多様性が生まれつつあります。
本展では、動物や機械、想像上の生き物、異なる遺伝子組成をもつ体など、人とそうでないものの間を横断する多様なイメージが、絵画、彫刻、映像、アーカイヴ、シンポジウムなどを通して展開されます。そこで表現される「変身-変容」する形は、私たちの夢や希望、おそれをひとつの予兆として映し出します。
1980年代から現在にわたり15カ国21組のアーティストたちによってつくられた作品を通して、今、変わることの可能性と意味を伝えます。
___________________________
東京アートミーティングとは
現代アートを中心に、デザイン、建築などの異なる表現ジャンル、およびその他の専門領域が出会うことで、新しいアートの可能性を提示します。第一回目は、「トランスフォーメーション」のテーマのもと、アートと人類学が出会います。東京藝術大学とも連携し、「東京藝大トランスWEEKS」として、将来世代の育成を図るための展示、パフォーマンス、シンポジウムなどを開催します。
___________________________
■出品作家
AES + F
マシュー・バーニー Matthew Barney
サイモン・バーチ Simon Birch
フランチェスコ・クレメンテ Francesco Clemente
マーカス・コーツ Marcus Coates
ヤン・ファーブル Jan Fabre
ガブリエラ・フリドリクスドッティ Gabríela Friɚriksdóttir
石川直樹 Naoki Ishikawa
バールティ・ケール Bharti Kher
イ・ブル Lee Bul
小谷元彦 Motohiko Odani
及川潤耶 Junya Oikawa
ジャガンナート・パンダ Jagannath Panda
パトリシア・ピッチニーニ Patricia Piccinini
シャジア・シカンダー Shahzia Sikander
スプツニ子! Sputniko!
ヤナ・スターバック Jana Sterbak
サラ・ジー Sarah Sze
高木正勝 Masakatsu Takagi
トゥンガ Tunga
アピチャッポン・ウィーラセタクン Apichatpong Weerasethakul
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アーカイヴ展示
古今東西、人類学からマンガまで「変身-変容」に関連する資料を展示することにより、展覧会とは別の角度から人間と動物の関係について探ります。
アーカイヴ設計:小田マサノリ(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所特任研究員)石倉敏明、大澤紗蓉子(多摩美術大学芸術人類学研究所)
___________________________
東京文化発信プロジェクトとは
東京文化発信プロジェクトは、世界の主要都市と競い合える芸術文化の創造発信、芸術文化を通じた子供たちの育成、多様な地域の文化拠点の形成を目的として、東京都と東京都歴史文化財団が芸術文化団体、アートNPO等と協力して実施しているプロジェクトです。
演劇、音楽、伝統芸能、美術など様々な分野のイベント、まちなかで市民とアーティストが協働するアートプログラム、子供向けの体験型プログラムなどの事業を展開しています。
___________________________
主 催 東京都、東京都現代美術館・東京文化発信プロジェクト室(公益財団法人東京都歴史文化財団)、 東京新聞、東京藝術大学
特別協力 多摩美術大学芸術人類学研究所
助 成 ブリティッシュ・カウンシル財団法人ベルギーフランドル交流センター
協 力 NECディスプレイソリューションズ、株式会社ヤマト
中沢新一・長谷川祐子 共同企画
■東京都現代美術館 企画展示室1F, 3F, アトリウム
会 期 2010年10月29日(金)~2011年1月30日(日)
休館日 月曜日 *ただし1/3, 10は開館、12/29-1/1, 1/11は休館
開館時間 10:00〜18:00(入場は閉館の30分前まで)

2011-01-04

2011年から著作がパブリック・ドメインとなった人Walter Benjamin

Public Domain Day - 1 January 2011(Public Domain Dayのサイト)
http://publicdomainday.org/2011

Happy Public Domain Day 2011!(COMMUNIAのサイトの記事)
http://communia-project.eu/content/happy-public-domain-day-2011

ニューヨーク市博物館デジタル化コレクション(ベータ版)

たとえばkeyword欄に「jewish」と入れて検索すると、82件のニューヨーク街頭の景色等がヒットします。(2011年1月4日現在)

Museum of the City of New York's Collections Portal
http://collections.mcny.org/MCNY/C.aspx?VP3=CMS3&VF=MNY_AboutUs

2010-12-31

『鴎外のベルリン——交通・衛生・メディア』

美留町義雄
鴎外のベルリン——交通・衛生・メディア
A5判上製/228頁/定価3500円+税
ISBN978-4-89176-797-6  C0095
*本書では「鴎」の字は正字を用いています(區+鳥)。


■内容紹介
鴎外が見聞した、2つの《帝国》の相貌。
代表作『舞姫』の舞台となるこの新興都市で、
少壮エリート鴎外森林太郎は何を実見し、
日本の現実へと変奏させたのか?
従来の作家像/作品像を刷新する、
新たなる《都市空間の文学》の試み。
カフカが住んだ時代のベルリンとは時期がずれるが、プラハの「衛生化」などの動きとカフカ文学を絡めて論じた
三谷研爾『世紀転換期のプラハ—モダン都市の空間と文学的表象』 三元社
http://franzkafka1883-1924.blog.so-net.ne.jp/2010-03-07

などの類書。

『ハプスブルク帝国の情報メディア革命—近代郵便制度の誕生』 (集英社新書)も併せて。


■著者紹介
美留町 義雄 (ビルマチ ヨシオ)
1967年、東京に生まれる。立教大学文学部ドイツ文学科卒業、同大学院文学研究科博士後期課程(ドイツ文学専攻)満期退学。日本学術振興会特別研究員(PD)を経て、大東文化大学文学部准教授。専攻、ドイツ近代文学を基盤とした比較文学・文化研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■資料として貴重
19世紀後半のドイツを再現する貴重図版80点以上収録!
ジャケット裏に、1889年当時の貴重なベルリンの市街図を掲載。
本書はもちろん鴎外文学を読み解くうえで必須の資料!

■目次
第1章 ベルリンの路上にて—鴎外の足
「菩提樹下」の石畳
アスファルト
交通と制度
「普請中」の道路

第2章 交通・身体・規律—「有楽門」をめぐって
「停留所に待てる群衆」
昇降口の秩序
日比谷公園有楽門

第3章 都市の衛生—下部構造と権力
中庭の光景
ベルリンの水
「下水を汲む」鴎外
東京の衛生

第4章 ベルリンの喫茶店にて—「バウエル茶房」と鴎外
カフェ・バウアー
鴎外とイタリア
情報センターとしてのカフェ
ベルリンのファスト・フード

第5章 伝便と広告柱—鴎外と情報メディア
伝便
気送郵便
断絶したネットワーク
「小包郵便物に就て」
広告柱
林立するリトファス柱
「独身」の終焉

2010-12-23

ドイツ国立図書館、オクスフォード大学、Europeanaが、第一次世界大戦期の私文書等のデジタルアーカイブ構築で合意

「私文書等」になにが含まれるかわかりませんが
興味深い取り組みです

http://current.ndl.go.jp/node/17313
ドイツ国立図書館、オクスフォード大学、Europeanaが、第一次世界大戦期の私文書等のデジタルアーカイブ構築で合意
Posted 2010年12月20日
2010 年12月16日、欧州デジタル図書館Europeanaのプレスリリースによると、ドイツ国立図書館と英国のオクスフォード大学、そして
Europeanaが第一次世界大戦期の私文書等をデジタル化し、オンラインアーカイブを作成することで合意したようです。これは、オクスフォード大学がすでに英国内で進めていた"Grate
War Archive"による同様の取り組みをドイツにも広げるために、Europeanaがドイツ国立図書館に対してオクスフォード大学との提携を持ちかけたことによるものとのことです。
Great War Archive
http://www.oucs.ox.ac.uk/ww1lit/gwa
1914-18 archive alliance signed (2010/12/16付け Europeanaのプレスリリース)
http://version1.europeana.eu/c/document_library/get_file?uuid=fa159661-1b01-4b2d-a862-172231afc9e0&groupId=10128
Germany and UK work together on First World War archive (2010/12/16付け
Research Informationの記事)
http://www.researchinformation.info/news/news_story.php?news_id=698
Britain, Germany to create online WW1 archive (2010/12/16付け Reutersの記事)
http://www.reuters.com/article/idUSTRE6BF3HJ20101216

2010-12-17

千葉市美術館ほか「ブラティスラヴァ世界絵本原画展とチェコの人形劇」展

先日、標記展覧会に行ってきました
http://www.ccma-net.jp/exhibition_01.html
全国各地を巡回するようなので、お近くであればぜひに

フルジム人形劇博物館の協力を得て、家庭用人形劇場8台及び人形約170体
が展示されていたのですが、
家庭用人形劇場が、『変身』の舞台そのもののような気がしました
1つの部屋を基本としていて、ドアの開け閉めによって場面が変わるという
人形劇のビデオ上映もあり、字幕なしですが臨場感があって
おもしろかったです
また、人形劇は、チェコナショナリズムの主力媒体であり、
「ドイツ人の圧政に苦しむ象徴的キャラクター」なども紹介されていました
(赤鬼のようなかんじでした)
盛んになったのが、ちょうど1912年からとのことで
そのあたりも興味深かったです

連続公開セミナー「小説の演劇化の理論と解釈」第2回:2010.11.11.(木)16時〜18時カフカ『審判』

企画のご案内です
Prof. Hans=Peter Bayerdörfer 連続公開セミナーの案内
テーマ:小説の演劇化の理論と解釈
講師:ハンス=ペーター・バイヤーデルファー教授(ミュンヘン大学演劇学研究所)
(Prof. Hans=Peter Bayerdörfer, Univ. München)
主催:中央大学文学部ドイツ語文学文化専攻
近年のドイツや日本では小説を舞台化することが演劇の大きな潮流となっています。ゲーテの『若きウェルテルの悩み』、フォンターネの『エフィー・ブリースト』やカフカの『審判』の舞台化などがその例として挙げられます。こうした傾向を踏まえ、今回の連続セミナーではドイツにおける小説の舞台化の理論と解釈についてバイヤーデルファー教授の説明をいただき、それから参加者間での討論を進めてゆく予定です。是非、ご参加ください。
* 本セミナーはドイツ語で進められます。
開催日時:
1回:11月 6日(土)16時~18時 : ゲーテ『若きウェルテルの悩み』
2回:11月11日(木)16時~18時 : カフカ『審判』
会場 :中央大学 多摩校舎 文学部ドイツ語文学文化専攻共同研究室(文学部3号館高層棟5F)
http://www.chuo-u.ac.jp/chuo-u/campusmap/tama_map/index_j.html
http://www.chuo-u.ac.jp/chuo-u/access/access_tama_j.html
<iframe width="425" height="350" frameborder="0" scrolling="no"
marginheight="0" marginwidth="0"
src="http://maps.google.co.jp/maps?f=q&amp;source=s_q&amp;hl=ja&amp;q=%E4%B8%AD%E5%A4%AE%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E6%96%87%E5%AD%A6%E9%83%A8&amp;sll=35.641098,139.405743&amp;sspn=0.003453,0.010568&amp;brcurrent=3,0x6018e2e1e1da72b3:0xbbe6a74d0cea3535,0&amp;ie=UTF8&amp;rq=1&amp;ev=p&amp;split=1&amp;filter=0&amp;radius=0.36&amp;hq=%E4%B8%AD%E5%A4%AE%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E6%96%87%E5%AD%A6%E9%83%A8&amp;hnear=&amp;ll=35.691182,139.756565&amp;spn=0.003453,0.010568&amp;output=embed"></iframe><br
/><small><a href="http://maps.google.co.jp/maps?f=q&amp;source=embed&amp;hl=ja&amp;q=%E4%B8%AD%E5%A4%AE%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E6%96%87%E5%AD%A6%E9%83%A8&amp;sll=35.641098,139.405743&amp;sspn=0.003453,0.010568&amp;brcurrent=3,0x6018e2e1e1da72b3:0xbbe6a74d0cea3535,0&amp;ie=UTF8&amp;rq=1&amp;ev=p&amp;split=1&amp;filter=0&amp;radius=0.36&amp;hq=%E4%B8%AD%E5%A4%AE%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E6%96%87%E5%AD%A6%E9%83%A8&amp;hnear=&amp;ll=35.691182,139.756565&amp;spn=0.003453,0.010568"
style="color:#0000FF;text-align:left">大きな地図で見る</a></small>

司会 :高橋慎也(文学部ドイツ語文学文化専攻教授)
参加申し込み:文学部ドイツ語文学文化専攻共同研究室(3号館5F、Tel:
042-674-3739)E-MAIL:shintaka@tamacc.chuo-u.ac.jp
*当日参加も可能です

電子展示「東欧における結婚式」

欧州デジタル図書館 Europeanaが新たなバーチャル展示を公開しました。今回のテーマは「東欧における結婚式」(Weddings in
Eastern Europe)とのことで、ハンガリー、リトアニア、ポーランド、スロベニアにおける結婚式の伝統について、お見合いから結婚式が終わるまでを、資料を交えて解説しています。
Weddings in Eastern Europe
http://econnect.ait.co.at/wedding-exhibition/
Wedding Traditions Featured In New Virtual Exhibition (2010/10/28付け
Eurooeanaのニュース)
http://version1.europeana.eu/web/guest/news/-/blogs/wedding-traditions-featured-in-new-virtual-exhibition

論文管理ソフトのご紹介

論文管理ソフト?のご紹介です
Academic reference management software for researchers | Mendeley
http://www.mendeley.com/
Mendeleyの使い方
http://acguy.info/mendeley

カフカ原稿の行方に判決が出たそうです

カフカ原稿の行方に判決が出たそうです
Kafkaesque conundrum
Scholars and lawyers have been poring over the contents of 10 bank
vaults opened this summer in Tel Aviv and Zurich: manuscripts written
in the hands of Franz Kafka and Max Brod. Their opinions may sway the
outcome of the bitter tug-of-war over the men's estates.
http://www.haaretz.com/weekend/week-s-end/kafkaesque-conundrum-1.314307
 Kafka's Last Trial
New York Times - ‎2010年9月22日‎
http://www.nytimes.com/2010/09/26/magazine/26kafka-t.html

『イディッシュ語辞典』 上田 和夫 著

<大学書林>
『イディッシュ語辞典』 上田 和夫 著
税込価格 : \63000 (本体 : \60000)
http://www.bk1.jp/product/3309749/?s=gm14082802

『チェコ民族再生運動』12,075円

> 著者の紹介文
> http://www.kobe-u.ac.jp/info/book/1005_03.htm
>
> 目次(pdf)
> http://www.iwanami.co.jp/.PDFS/02/2/0238610.pdf
>
> より詳細な概要については石川達夫のホームページ (http://web.cla.kobe-u.ac.jp/staff/ti/index)
> を参照されたい。また、岩波書店のホームページ
> (http://www.iwanami.co.jp/hensyu/tan/index_t.html) で最初の30ページを無料閲覧できる。

「演劇なるもの」をめぐっての原理的考察

> 演劇インタラクティヴ 日本×ドイツ
>
> 編者:谷川道子(東京外国語大学教授、GCOE研究協力者)、秋葉裕一(早稲田大学演劇博物館副館長、GCOE拠点副リーダー)
>
> 【内容】
> 世代、問題意識、専門領域を異にする十人の論者が、「演劇」をめぐって問いかけあい、語りあい、切り結んだ考察の軌跡
>
> 2010年3月1日発行
> A5判・291ページ
> 早稲田大学出版部
>
> 定価3,200円+税
> 【目次】
> 前口上 谷川道子
>
> 第一の段「演劇なるもの」をめぐっての原理的考察
> 第一場 中島裕昭:「キャラ」で見る喜劇—映画「釣りバカ日誌」とブレヒト/ヴォリヨキの『プンティラ』—
> 第二場 尾方一郎:人形劇、日本とドイツの場合—儀礼からオブジェクト・シアターへ—
> 第三場 本田雅也:ドイツと日本、「近代」と演劇—「国民/国家」が生まれるとき、「演劇」とのそれぞれのつきあいかた—
> 第四場 丸本 隆:ドイツの日本演劇受容にみる異文化「誤解」のダイナミズム—「能まがい」「歌舞伎もどき」が投じた波紋—
>
> 第二の段 20世紀初頭の<日本×ドイツ>演劇の同時代性と差異
> 第五場 谷川道子:築地小劇場の成立と展開—ドラマティストとしての久保栄の位置ー
> 第六場 市川 明:宝塚歌劇とカイザーの『二つのネクタイ』—堀正旗が残したもの—
> 第七場 萩原 健:<作品の美学>よりも<作用の美学>を!—戦前の日独アジプロ演劇の実践—
>
> 第三の段 現代演劇における<日本×ドイツ>の新たなる創造性
> 第八場 秋葉裕一:ベルトルト・ブレヒトと井上ひさし—「あとから生まれてくる人々へ」の「思い残し切符」—
> 第九場 大塚 直:アングラ演劇の世界的位相—寺山修司のドイツ体験と「市街劇」成立をめぐって—
> 第十場 四ツ谷亮子:一九九〇年代以降の現代演劇の実践と批評—ドイツと接する「点」から「面」へ—
>
> 後口上 秋葉裕一
>
> http://www.enpaku.jp/publish/book/publish20100301.html

ユダヤ人カフカ、系の研究書

Manfred Voigts: Geburt und Teufelsdienst. Franz Kafka als
Schriftsteller und als Jude.
Königshausen & Neumann, Würzburg 2008.
127 Seiten, 20,00 EUR.
ISBN-13: 9783826038020
Freigabedatum: 2008-01-07
Verlag: Königshausen & Neumann

Versuch, die Vieldeutigkeit oder gar Nicht-Interpretierbarkeit von
Kafkas Texten zu dessen Existenz als Westjude in Beziehung zu setzen.
Voigts greift dabei u.a. auf die Sprachtheorie von Moses Mendelssohn
zurück.
書評
http://www.literaturkritik.de/public/rezension.php?rez_id=12052&ausgabe=200807
http://books.google.com/books?id=a7q3znB9Wn8C&pg=PP1&dq=Geburt+und+Teufelsdienst.+Franz+Kafka+als+Schriftsteller+und+als+Jude.&as_brr=3&ei=YGTnS8zDN5islQT_qKznCQ&hl=ja&cd=1#v=onepage&q&f=false

本の紹介 アラビア圏におけるカフカ受容

興味深い新刊のご紹介です
単なる「受容事情史」だけでなく、作品に伺えるカフカのアラブ観もふまえて
トータルに論じられていたら最高ですが・・
Atef Botros
Kafka – Ein jüdischer Schriftsteller aus arabischer Sicht
(Band 29 der Reihe Literaturen im Kontext. arabisch – persisch – türkisch)
ISBN 978-3-89500-673-9
2009, Gebunden. 276 Seiten, 240 x 170 mm
19,80 €
Dr. Ludwig Reichert Verlag
Tauernstraße 11
D-65199 Wiesbaden
Tel.: +49 (0)611 46 18 51 oder 946 59 11
Fax: +49 (0)611 46 86 13
■著者紹介
http://www.gei.de/index.php?id=562&L=1
http://www.uni-marburg.de/cnms/arabistik/team/botros
■内容紹介
Dieses Buch widmet sich der arabischen Kafka-Rezeption von 1939 bis
zur Gegenwart. Der Fokus liegt auf der Auseinandersetzung mit Franz
Kafka und seinem Werk durch arabische Intellektuelle, behandelt aber
auch die produktive Rezeption und stellt Werke aus der modernen
arabischen Literatur vor, die Kafkas Literatur nahstehen. Diese
Kernfrage der Rezeption als Kulturübersetzung erweitert sich um die
Beschäftigung mit Kafkas jüdischer Zugehörigkeit im Kontext des
jüdisch-arabischen Konflikts. Über diese Umwege der Rezeption wird die
moderne arabische Ideengeschichte in ihrer Vielfalt nachgezeichnet.
„Diese Beschreibung und Erklärung des arabischen Kafka liefert uns
eine sehr aufschlussreiche Charakterisierung dessen, was man im Westen
inzwischen als „Krise der arabischen Identität" zu bezeichnen sich
angewöhnt hat. Ich kenne keinen tieferen Zugang zu solcherart
Zwangsvorstellungen im Kontext des „Jüdischen" als seine detaillierte
Analysen."
Prof. Georg Meggle (Philosoph, Leipzig)
„Das Buch warnt vor dem Niedergang einer langen hermeneutischen
Tradition in einen literarischen Diskurs, der in politischen
Stereotypen gefangen ist. Er will die Momente bewahren, in denen
Kafkas Werk sich in einer seltenen Nähe zu der modernen literarischen
Tradition in der arabischen Welt findet und zur Quelle eines
progressiven Denkens in Ägypten wurde."
Galili Shahar, Haaretz, 29.09.2008
„Unabhängig von Hautfarbe, Religion, Sprache und Ort spürt jeder
Mensch die Nähe eines kranken Freundes, der in Prag lebte, seine Werke
auf Deutsch verfasste und dessen Botschaft trotz des verfrühten Todes
alle Zeiten überlebte; sein Name ist Franz Kafka", schrieb der
deutsch-irakische Schriftsteller Najem Wali. In noch größerer Nähe des
arabischen Alltages kommt Kafka in einem Gedicht des palästinensischen
Dichters Mahmud Darwisch vor: „Unter meiner Haut fand ich Kafka
schlafend, in Übereinstimmung mit unserem Alptraumgewand und mit der
Polizei in uns." Auch der Literaturnobelpreisträger Naguib Mahfouz
schrieb: „Gekannt habe ich Kafka schon vor mehr als vierzig Jahren,
aber begegnet bin ich ihm erst vor allem nach der arabischen
Niederlage von 1967."
Seit 1939 wird Kafkas Werk in der arabischen Welt gelesen,
kommentiert, übersetzt und ziemlich kontrovers diskutiert: Zwischen
Identifikation, Aneignung, literarischer Inspiration, Projektion,
Fehldeutung und Politisierung. Eine weit reichende Verbreitung erfährt
er erst 1946 durch die einführenden Essays des ägyptischen
Schriftstellers Taha Husain. Seine Kafka-Kommentare können als Teil
seines Säkularisierungsprojekts begriffen werden.
Während Kafka in der arabischen Welt in den sechziger Jahren eine
besondere Bedeutung erlangt, verschärft sich die osteuropäische
Polemik gegen ihn im Kontext des Kalten Krieges. Angeregt durch diese
Polemik und im Zuge des aufsteigenden arabischen Antizionismus stellt
sich plötzlich ab 1971 die Frage nach Kafkas Haltung zum Zionismus.
Die Rezeption des jüdischen Dichters, der sich überwiegend in Kreisen
des Prager Zionismus bewegt, wurde nach der Verschärfung des
Nahost-Konfliktes maßgeblich erschwert.
Die Abhandlung befasst sich mit der gesamten Rezeptionsgeschichte,
fokussiert vor allem auf bedeutenden Auseinandersetzungen arabischer
Intellektueller und geht darüber hinaus, um diese Rezeption im Kontext
der modernen arabischen Ideengeschichte zu deuten. In diesem
Verständnis versteht sie sich als Teil einer zukunftsorientierten
Forschung, die sich mit Austauschprozessen, Ideentransfers,
Kulturübersetzung, Überlappung und Interferenzen zwischen Europa und
dem arabischen Raum befasst, ohne diese Sphären als Gegensätze zu
begreifen.

Fwd: カフカと同世代のアメリカ人の卒業アルバム

米ノースカロライナ大、19世紀末から20世紀半ばごろまでの学生の卒業アルバム等をデジタル化
Posted 2010年2月22日
米国のノースカロライナ大学が、学生の卒業アルバム(1890年〜1966年)や卒業生に関する雑誌(1912年〜1924年)等、かつての学生生活を知るうえで貴重な資料をデジタル化し、ウェブで公開しています。この卒業アルバムデジタル化は、他に3つの大学も加わって取り組んでいる卒業アルバムデジタル化プロジェクトの一環だということです。デジタル化はInternet
Archiveとのパートナーシップの下で行われ、デジタル化した資料はInternet Archiveのウェブサイトで管理されています。
Digitized UNC Yearbooks Bring University's History to the Web
- Library News and Events 2010/2/17付けの記事
http://www.lib.unc.edu/blogs/news/index.php/2010/02/digitized-unc-yearbooks-bring-universitys-history-to-the-web/
UNC Yearbooks(卒業アルバム)
http://www.lib.unc.edu/ncc/uncyearbooks.html
The Alumni Review(卒業生に関する雑誌)
http://www.lib.unc.edu/ncc/alumnireview.html
Carolina Digital Library and Archives Digital Production Center
http://cdla.unc.edu/index.html?page=dpctech

Felix Weltschの伝記

Kafkas fast unbekannter Freund: Leben und Werk von Felix Weltsch.
Philosoph, Journalist und Zionist (Broschiert)
von Carsten Schmidt (Autor)
Broschiert: 300 Seiten
Verlag: Königshausen & Neumann (März 2010)
Sprache: Deutsch
ISBN-10: 3826042743
ISBN-13: 978-3826042744

全欧州規模のホロコースト関係資料のオンラインデータベース化プロジェクトが始まる

http://current.ndl.go.jp/node/17138

日本語で読める最も詳しいチェコ語の文法書?『中級チェコ語文法』

●『中級チェコ語文法』【語学】
金指久美子 著 11月26日刊 ■3990円
初級を終えた学習者待望の一冊。格変化・活用・数量表現など、辞書ではなかなか
分からない用法を詳しく解説しました。見開き一項目、丁寧な説明と例文でつづる
「読む」文法書です。
http://www.hakusuisha.co.jp/detail/index.php?pro_id=08548

カナダ国立図書館・文書館(LAC)、世界大戦期の捕虜収容所関係資料の利用ガイドを公開

カナダ国立図書館・文書館(LAC)、世界大戦期の捕虜収容所関係資料の利用ガイドを公開
カレントアウェアネス-R chojo
2010年11月25日、カナダ国立図書館・文書館(LAC)が、同館の所蔵する、第一次および第二次世界大戦期の捕虜収容所関係資料の利用ガイドを公開しています。
Thematic Guides - Unpublished Guides - Internment Camps in Canada
during the First and Second World Wars
http://www.collectionscanada.gc.ca/the-public/005-1142.27-e.html
New Guide for Internment Camps in Canada during the First and Second
World Wars (2010/11/25付け LACのニュース)
http://www.collectionscanada.gc.ca/whats-new/013-499-e.html

記事紹介『 「イズム」から「データ」へ デジタル人文学の進展』

http://current.ndl.go.jp/e1123
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■E1123■ 「イズム」から「データ」へ デジタル人文学の進展
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2010年11月16日付けのNew York Times紙に,「人文学の豊かな可能性の扉
を開くデジタルのカギ」(Digital Keys for Unlocking the Humanities'
Riches)と題された記事が掲載された。ここでは,同記事と,記事執筆者で
あるコーエン(Particia Cohen)氏が16日と17日に同紙のブログに書いた関
連記事を基に,主に米国でのデジタル人文学の進展やプロジェクトについて
紹介する。
記事冒頭では,20世紀の人文学の歴史が,フロイト主義,構造主義,ポス
ト・コロニアリズム等といった「イズム(主義)」によって牽引されてきた
のに対して,今後は「データ」が人文学の研究方法にとって大きな位置を占
めるだろうと述べられている。デジタル人文学の助成をしている全米人文科
学基金(NEH)のボブレー(Brett Bobley)氏によると,膨大な量のデータ
を分析することで,そこにパターンと流れを発見することが可能となり,予
期せぬ問題提起につながるという。
スタンフォード大学のエーデルシュタイン(Dan Edelstein)氏は,17-18
世紀の啓蒙運動の時代に欧州の人文主義者たちが手紙のやり取りで形成した
ネットワークである「文芸共和国」を研究している。記事では,啓蒙運動は
イングランドを出発点として欧州のその他の地域へと広がったと考えるのが
通説であるが,エーデルシュタイン氏を中心としたプロジェクト"Mapping
of the Republic of Letters"で,ロックやヴォルテール,ルソー等の当時
の思想家の手紙のやり取りを地図上にマッピングすると,パリとロンドン間
の手紙の往復が実際は少数であることが分かったとある。
ドリュー大学のフォイス(Martin K. Foys)氏は,11世紀に作られた「バ
イユーのタペストリー」をデジタル化するプロジェクトを行った。「バイユ
ーのタペストリー」とは,フランスのノルマンディ公ウィリアムが1066年の
ヘイスティングスの戦いでイングランドを征服するまでの歴史を表わした,
長さ224フィート(約70m)の織物であるとのことである。このデジタル化に
よって,タペストリー全体を画面上でスクロールさせることで確認すること
ができるようになり,フォイス氏によると,このようなデジタル化は中世研
究を変える可能性を持つものであるという。またフォイス氏はこのほかにも,
欧州中世の地図と関連資料をオンラインでネットワーク化して,複数の研究
者が同時に扱うことの出来るようにするプロジェクト"Digital
Mappaemundi"も進めているとのことである。
以上のほか,2010年3月に欧州10か国によって始められた,芸術・人文学
のデータのデジタル化を目指したプロジェクト"Digital Research
Infrastructure for the Arts and Humanities"や,Googleによるデジタル
人文学への助成(E1081参照)等が紹介されている。また,個々の取組みと
して,ヴァージニア大学で行われている,紀元320年の古代ローマの都市の
様子を三次元でデジタル化する "Rome Reborn" というプロジェクトや,
1850年から1900年までの米国における鉄道網や通信網,蒸気船等の発展を地
図やグラフ等で表した,ネブラスカ大学での"Railroads and the Making
of Modern America"といったプロジェクト等,多様なプロジェクトが言及
されている。
前出のフォイス氏は,デジタル人文学によって研究者コミュニティ全体で
の研究協力が容易になると,研究者の仕事の方法を根底から変えることにつ
ながると述べている。一方,プリンストン大学のグラフトン(Anthony
Grafton)氏は,デジタル人文学はすばらしい成果を生み出すものであるが,
人文学の成果の多くは解釈に拠るものであり,デジタル化がすべてを成しう
るものではないと述べ,デジタルメディアは方法であって目的ではないと指
摘している。
Ref:
http://www.nytimes.com/2010/11/17/arts/17digital.html
http://artsbeat.blogs.nytimes.com/2010/11/16/digitally-mapping-the-republic-of-letters/
http://artsbeat.blogs.nytimes.com/2010/11/17/from-ancient-rome-to-a-valley-in-virginia-more-digital-humanities-projects/
E1081
( http://current.ndl.go.jp/e1081 )

カフカの<ペア>とその基本機能 吉田仙太郎著

タイトル 思索する耳 : ワーグナーとドイツ近代
責任表示 三光長治〔ほか〕著
出版地 東京
出版者 同学社
出版年 1994.6
形態 463p ; 20cm
ISBN 4-8102-0091-4
目次
ジークフリート 三光長治著.
ジークフリートは誰か? 池上純一著.
悟性と感情の弁証法 杉谷恭一著.
ワーグナーの<Unwillkur>概念をめぐる序論的考察 藤野一夫著.
ニーチェのワーグナー・コンプレックス 谷本慎介著.
歌劇『タンホイザー』試論 藤田総平著.
暁の頌歌 山崎太郎著.
ハンス・ザックスのパラドックス 三宅幸夫著.
「ワーグナー/ミュラー」の『トリスタンとイゾルデ』 谷川道子著.
初期アドルノの音楽理論 好村冨士彦著.
アドルノのマーラー論に見る逆説的表現竜村あや子著.
アドルノの「パラタクシス」 高木昌史著.
ダールハウス、ブロッホ、ハルム 杉橋陽一著.
暴力と救済 高橋順一著.
ジークフリートと竜 桜井春隆著.
バロック悲劇としての『ハムレット』恒川隆男著.
J.W.リッターの自己描写 ラルフ=ライナー・ヴーテノー著 高辻知義訳.
愛するアヒム… 池内紀著.
カフカの<ペア>とその基本機能 吉田仙太郎著.
ローベルト・ヴァルザー 渡辺勝著.
パウル・ツェランあるいは詩という非対称性前田良三著.
ブルク劇場における保守と革新の構図 丸山匠著.
わがワーグナー体験 三光長治ほか述. \
三光長治略歴・三光長治業績一覧:p453〜460

『トーラーの名において シオニズムに対するユダヤ教の抵抗の歴史』

単行本: 432ページ
出版社: 平凡社 (2010/4/2)
言語 日本語
ISBN-10: 4582702872
ISBN-13: 978-4582702873
発売日: 2010/4/2
商品の寸法: 21.2 x 16 x 3.2 cm
原書はフランス語で、 Au nom de la Torah: Une histoire de l'opposition juive au
sionisme, 2004。

■内容紹介
シオニズム運動とイスラエル建国がいかにユダヤの教義トーラーに反すると考えられてきたかを歴史的に辿る。パレスチナ問題と反ユダヤ主義の歴史の冷静な理解に不可欠の書。
■帯
〈ユダヤ人国家イスラエル〉という虚構
政治的公正さの風向きの変化で危うさが目立つ国。
シオニズムのユダヤ教僭称/キリスト教のシオニズム化/のおかげで
道義的検証を免れてきた軍事パワー。
これを神への反逆と告発するユダヤ教思想、
その諸潮流を照らし出す必読書。——板垣雄三
シオニズムがユダヤ教の延長にあるものと
考えている人びとには、本書を読むことを薦めたい。
だが、イスラエルが真にユダヤ教の国であるなどと
信じ込んでいる人びとには、本書を読むことを必須としたい。
——シュロモ・サンド(テル=アヴィヴ大学歴史学教授)
■目次
日本語版の読者へ
ヨセフ・アガシ教授による序文
プロローグ
第一章 いくつかの指標
非宗教化と同化/歴史——闘争の舞台
反シオニストと非シオニスト
第二章 新しいアイデンティティー
メシア主義から民族主義へ
「非宗教的ユダヤ人」の誕生
不完全な転身
ユダヤ人、ヘブライ人、イスラエル人?
現代ヘブライ語と非宗教的なアイデンティティー
第三章 〈イスラエルの地〉、流謫と帰還のはざまで
戒律の侵犯と流謫
メシアに対する用心深さ
シオニズムの理念
シオニズムの企図
第四章 武力行使
成文化された平和主義
ロシアのユダヤ人——苛立ちと暴力
矜持と自衛
解放と植民地化——民族主義の二つの顔
度重なるイスラエルの勝利
テロリズムの起源に
第五章 協調路線の限界
〈聖地〉におけるシオニズムの抵抗
ディアスポラの地におけるシオニズムの拒絶
国家との関係
国家とユダヤ教
第六章 シオニズム、ショアー、イスラエル国
大災厄の原因
ショアーに対するシオニストたちの姿勢
奇跡的再生か、継続的破壊か?
第七章 破壊の予言と存続のための戦略
ユダヤの連続性のなかにイスラエル国が占める位置
公的な議論とその限界
約束か、脅威か?
■著者紹介
ラブキン,ヤコヴ・M.
1945年、旧ソ連レニングラード(現サンクト=ペテルブルク)生まれ。レニングラード大学で化学を専攻、モスクワ科学アカデミーで科学史を学ぶ。1973年以来、カナダ、ケベック州モンレアル(モントリオール)大学で歴史学を講じる(現在、同大学教授)。科学史(とりわけSTSの観点から)、ロシア史、ユダヤ史を専門とする。2008‐09年に二度、日本に滞在し、東京大学大学院人文社会系研究科、同志社大学一神教学際研究センター(CISMOR)などで、シンポジウム、公開講座、研究会などを精力的にこなした
菅野 賢治
1962年、岩手県生まれ。パリ第10(ナンテール)大学博士課程修了。一橋大学法学部助教授、東京都立大学人文学部准教授を経て、東京理科大学理工学部教授。専門はフランス語フランス語圏文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

Fwd: Elisabeth Lack著『カフカの描く「動く物体」:動きの実験室としての日記と手紙』

Kafkas bewegte Körper: Die Tagebücher und Briefe als Laboratorien von
Bewegung [Broschiert]
# Broschiert: 254 Seiten
# Verlag: Fink (Wilhelm); Auflage: 1., Aufl. (28. Oktober 2009)
# Sprache: Deutsch
# ISBN-10: 3770548566
# ISBN-13: 978-3770548569
# Größe und/oder Gewicht: 23,6 x 15,8 x 2,2 cm
Franz Kafkas Tagebücher und Briefe sind ein Fundus für die
literarische Darstellung expressiver Körper.
»Kafkas bewegte Körper Die Tagebücher und Briefe als Laboratorien von
Bewegung« ist die erste Auseinandersetzung mit den literarischen
Möglichkeiten und Verfahren des Motion Capturing in Kafkas Schreiben.
Elisabeth Lack arbeitet Kafkas spezifische somatologische Poetologie
heraus, die sich aus dessen Arbeit an der Metapher ableitet und weist
auf die Nähe seiner bewegten Körper zur Körperdarstellung in den neuen
Medien, z.B. in den gezoomten oder im Tempo verzerrten Bewegungen in
den Fotografien Muybridges hin.
Franz Kafka's diaries and letters are a fund for the literary
representation of expressive bodies. » Kafka's moved bodies the
diaries and letters as laboratories of movement « the first discussion
with the literary possibilities and procedures of the inflexion
Capturing is in Kafka's writing. Elisabeth Lack works out of Kafka
specific "somatologische Poetologie" which is derived from his work on
the metaphor and points to the nearness of his moved bodies to the
body representation in the new media, e.g., in the zoomed or in the
tempo to distorted movements in the photographs Muybridges.
Elisabeth Lack ist Referentin für das wissenschaftliche Leitbild an
der Humboldt-Universität zu Berlin.
Elisabeth Lack is an advisor for the scientific model at the Humboldt
University to Berlin.

独文学会のメルマガより、中島敦のカフカ受容について書いたエッセイ

日付: 2009年11月30日21:45

今日配信のメルマガに、中島敦のカフカ受容について書いた
エッセイが載ってました

●中島敦の独乙語の時間(N. Yamamuro)[J]
http://www.jgg.jp/modules/kolumne/details.php?bid=65

クビーンに似た画風の絵もある。とても知的なBD(バンド・デシネ)。

ニコラ・ド・クレシー『天空のビバンドム』
http://www.amazon.co.jp/dp/4864100446/

大戦間期の雰囲気があると思ったら、

巻末のインタビューでドイツ表現主義やジョージ・グロッスから影響を受けたとのこと。

 

カフカが訪れたイタリアとは少し時期がずれるかもしれませんが「古写真によるイタリア案内」

最晩年のヴァールブルク(Aby M.Warburg,1866-1929)
と助手ビングのイタリア旅行日誌を編纂した本『ビングとともに、ローマ、ナポリ、カプリ、そしてイタリア』
http://www.corso-willkommen.de/index.php?id=61

カフカ文献レファレンスのご紹介

Goebel, Rolf J.:
Kafka, Contextualization, and Cultural Studies
(Journal of the Kafka Society of America 20(1/2) 1996.6/12 pp.14-18
国会図書館請求記号: Z52-E573)
http://crd.ndl.go.jp/GENERAL/servlet/detail.reference?id=1000075302

2010-11-10

『ベンジャミン・フランクリン、アメリカ人になる』

ベンジャミン・フランクリン、アメリカ人になる
ゴードン・S・ウッド 著
池田 年穂 訳
金井 光太朗 訳
肥後本 芳男 訳
A5判/上製/392頁
初版年月日:2010/09/10
ISBN:978-4-7664-1772-2
(4-7664-1772-0)
Cコード:C0023
税込価格:3,780円

■内容紹介
アメリカ建国の父、フランクリン評伝。
▼アメリカ建国の父ベンジャミン・フランクリン。その波乱に富んだ人生を、ピューリツァー賞・バンクロフト賞受賞の歴史学者ゴードン・S・ウッドが鮮やかに描き出す。
▼18 世紀、なぜ彼は実業から手を引いて紳士になったのか? また、なぜあの時期を選んで『フランクリン自伝』を書き始めたのか?
18世紀のイギリス帝国の中で典型的なジェントルマンに上りつめようと奮闘し、最終的にイギリス本国に拒絶された人物としての新しいフランクリン像を描き出す。
▼実利主義的なアメリカ人の典型としての従来のフランクリン像を否定した、米国で話題の評伝The Americanization of
Benjamin Franklin, Penguin Press, 2004 の邦訳。

■目次

 日本語版への序
 序
 謝辞

序 章
 庶民的な建国の父
 フランクリンの仮面を剥ぐ
 一八世紀に生きた歴史上のフランクリン
 多くの仮面をかぶった男

第1章 フランクリン、紳士になる
 ボストンでの幼少期
 フィラデルフィアに出奔する
 後ろ盾を得る
 一七二四年から一七二六年にかけてのロンドン滞在
 フィラデルフィアに戻る
 結婚する
 紳士と庶民
 中間層
 フリーメイソン
 公民としての活動
 フランクリン、中間層的地位に悩む
 「コウモリ紳士」
 フランクリンの富
 ついに紳士になる

第2章 フランクリン、イギリス帝国主義者となる
 フランクリンの電気実験
 公職に就くことの重要性
 フランクリンの新世界へのビジョン
 オルバニー連合案
 ペンシルヴェニアの政治
 本国へ派遣される
 富への道
 ロンドン
 デボラ
 王党派フランクリン
 フランクリン、アメリカに一時帰国する
 「余生はロンドンっ子」として

第3章 フランクリン、愛国派となる
 印紙税法
 印紙税法危機に対するフランクリンの対応
 イングランド人の尊大ぶり
 議会へのアメリカ代表派遣
 庶民院でのフランクリン審問証言
 フランクリンの新しい帝国観念
 アメリカではイギリス人らしすぎて、イギリスではアメリカ人らしすぎる
 英米双方の陰謀
 外部課税としてのタウンゼンド関税諸税
 フランクリンとフィラデルフィアに残された家族
 政府のお役に
 ヒルズバラ卿との対立関係
 『自伝』
 ハチンソン書簡事件
 枢密院議場でのさらし者
 帝国救済最後の努力

第4章 フランクリン、外交官となる
 猜疑
 個人感情に関わる問題
 情熱的な革命家
 イギリスの和平提案を拒絶
 駐フランス使節団
 アメリカ人の象徴
 使節の諸問題
 足を引っ張る同僚使節
 フランスとの同盟
 厄介な狂信者、ジョン・アダムズ
 フランクリンの外交的功績

第5章 フランクリン、アメリカ人になる
 『自伝』ふたたび
 道徳的完成に至る計画
 祖国アメリカの異邦人
 フィラデルフィアへの帰還
 合衆国憲法制定会議
 連邦議会とフランクリンの闘争
 フランクリンと奴隷制
 フランクリンの死
 フランクリンの死に対する反応
 労働の賛美
 セルフメイドのビジネスマンになる
 アメリカ国民性の神話

 訳者解説
 訳者あとがき
 参考文献
 註
 人名索引
 事項索引

【著者】
ゴードン・S・ウッド(Gordon S. Wood)
1933 年マサチューセッツ州コンコード生まれ。1955年タフツ大学を優等で卒業後、空軍将校として一時日本に駐留。帰国後、ハーヴァード大学大学院に進学し、バーナード・ベイリンのもとで歴史学の博士号を取得。ハーヴァード大学、ウィリアム・アンド・メアリー大学等で教鞭を執った後、1969年以降、ブラウン大学歴史学部アルバ・O・ウェイ講座教授。2008年に教授職を引退し、現在はブラウン大学名誉教授。1969年に刊行したThe
Creation of the American Republic, 1776-1787(The University of North
Carolina Press)でバンクロフト賞を受賞。1992年にはThe Radicalism of the American
Revolution(Vintage)を刊行し、翌年ピューリツァー賞(歴史書部門)を受賞。その他の主要著作として、The
Americanization of Benjamin Franklin(本書)、Revolutionary Characters:
What Made the Founders Different(Penguin, 2006), The Purpose of the
Past: Reflections on the Use of History (Penguin, 2008)
などがある。現代アメリカを代表する歴史家の一人。

【訳者】
池田年穂(いけだ としほ)
1950年生まれ。慶應義塾大学教授。移民論、移民文学。

金井光太朗(かない こうたろう)
1953年生まれ。東京外国語大学大学院教授。アメリカ政治史。

肥後本芳男(ひごもと よしお)
1959年生まれ。同志社大学教授。アメリカ社会文化史。

2010-11-04

『白雪姫たちの世紀末 闇の女王をめぐるヨーロッパ19世紀末の文化論』

白雪姫たちの世紀末 闇の女王をめぐるヨーロッパ19世紀末の文化論
郁文堂
原研二著
出版年月日 2010/08/01
ISBN 9784261073034
判型・ページ数 4-6・216ページ
定価 本体1,800円+税
■内容紹介
「白雪姫」をキーワードに、19世紀後半から20世紀はじめにかけてのヨーロッパの文学と文化、特にオーストリアを中心とする文化(文学・思想・絵画・音楽・建築など)を読み解きます。
各章に読書案内・解説付。写真・図版多数。
■目次
はじめに
1黒い群れの女王
コラム:受容美学
2 白雪姫と王妃
(1)王の不在
(2)本当は怖くないグリム童話
コラム:メルヒェンの構造分析と様式分析
3 白いオフィーリア
(1)ランボーとオフィーリア
(2)ミレイのオフィーリア
コラム:だまし絵
コラム:エリザベス・シッダル
(3)漱石とオフィーリア
コラム:ランスロットと、シャーロットの姫
(4)黒いオフィーリア—オフィーリアの歴史
コラム:セーヌ川の身元不明の女
4 ユーディットの微笑み
コラム:ルル
5 裏返しのピエタ
(1)ココシュカの『ピエタ』
(2)惨殺された人形 ココシュカとアルマ・マーラー・ヴェルフェル
6 ファッションの変貌
7 ウィーンのファッサーデ
8 王妃の物語 皇妃エリーザベトとウィーンの音楽
(1)エリーザベト・フォン・エスターライヒ
コラム:シシーの映画
(2)フランツ・ヨーゼフとオペレッタ
コラム:フランツ・ヨーゼフと文学
コラム:ルートヴィヒ・アンツェングルーバーとその妻
(3)アルノルト・シェーンベルクと欠けている言葉
コラム:オペラとオペレッタ
9 女性性との思想的対決
(1)解体の告知者 エルンスト・マッハ
(2)マッハ批判 フッサール
(3)女性性の克服 オットー・ヴァイニンガー
(4) ヒステリー女性への関心 ジークムント・フロイト
コラム:父親殺し
10 闇の女王を越えて
(1)闇の女王の正体
(2)闇の女王のかなた
コラム: 読書案内
あとがき

■原 研二
1951年3月8日宮城県仙台市に生まれる。1974年東北大学文学部卒業、同大学大学院に進学。1977年東北大学文学部ドイツ文学研究室助手。
1978年筑波大学現代語・現代文化学系助手。1978年‐80年ボン大学、ザールラント大学留学。1981年筑波大学現代語・現代文化学系講師。
1986年東北大学文学部ドイツ文学専攻分野助教授。1995年東北大学文学部ドイツ文学専攻分野教授。1997年東北大学大学院文学研究科ドイツ文学専攻分野教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


■評・野家啓一(科学哲学者)

誰もが知るグリム童話の「白雪姫」の物語を縦糸に、女性像の変容という観点からヨーロッパ世紀末の文化状況を読み解いた秀作である。

ムージル研究者である著者は、彼の作品に現れる「黒い群れの女王」という表現に注目する。そして、その正体を暴くための手がかりを正負両面で「女性的なもの」の象徴である白雪姫に求める。

白雪姫の残像は、『ハムレット』のオフィーリアを媒介にしてランボーの詩やミレイの絵画、さらに漱石の『草枕』にまで辿(たど)られる。こうして「文学的なテキストや絵画が孤立したものではなく、ある時代の思潮のなかにある」ことが浮き彫りにされる。

後半、舞台は世紀末ウィーンに移り、当時の建築や音楽を背景に、著者はクリムトの「ユーディット」像に「裏返しにされた白雪姫」を、また皇妃エリーザベトに「時代の白雪姫の一人」を見る。そこから「闇の女王」の正体は秩序の解体と解放への予兆であることが明らかにされる。

文学研究の面白さと奥深さを存分に伝えてくれる本書は、一昨年惜しまれつつ早世した気鋭の独文学者の遺著である。(郁文堂、1800円)
(2010年11月8日  読売新聞)

2010-10-12

松浦寿輝のカフカ論(”Eine kaiserliche Botschaft”)

2010/10/10(日)朝日新聞掲載
水野和夫(エコノミスト)書評によると、

松浦寿輝「帝国の表象」(『帝国とは何か』37-60頁)
は、カフカ『皇帝の親書』(Eine kaiserliche Botschaft)を扱っているという。

■帝国とは何か
■山内 昌之,増田 一夫,村田 雄二郎 編
■体裁=四六判・上製・カバー・278頁
■品切重版未定
■1997年2月26日
■ISBN4-00-002712-3 C0031
帝国は終わったのか,それとも姿を変えた帝国支配の始まりか-権力構造から心性まで,帝国の実相をさまざまな角度から考える.
われわれの文化と精神に痕跡を留める帝国の構造を探り,実在した帝国の勃興と衰亡に,帝国支配の現実と本質とを発見する.
現代の社会と意識の深層に横たわる「帝国」を掘り起こす,野心的論集.
■目次
作品 著者 ページ
帝国の地平 増田一夫 著 1-8
帝国の遺産 山内昌之 著 9-36
帝国の表象 松浦寿輝 著 37-60
アメリカ文学と帝国主義 柴田元幸 著 61-82
共和国の二重の身体 増田一夫 著 83-110
中国皇帝と天皇 村田雄二郎 著 111-136
遊牧のローマ帝国 本村凌二 著 137-154
多様性と開放性の帝国 鈴木董 著 155-180
帝国の幻影 石田勇治 著 181-202
帝国の残像 木畑洋一 著 203-224
民族協和の幻像 山室信一 著 225-250
帝国ふたたび 山内昌之 著 251-266

■Eine kaiserliche Botschaft
Der Kaiser - so heißt es - hat dir, dem Einzelnen, dem jämmerlichen
Untertanen, dem winzig vor der kaiserlichen Sonne in die fernste Ferne
geflüchteten Schatten, gerade dir hat der Kaiser von seinem Sterbebett
aus eine Botschaft gesendet. Den Boten hat er beim Bett niederknien
lassen und ihm die Botschaft ins Ohr geflüstert; so sehr war ihm an
ihr gelegen, daß er sich sie noch ins Ohr wiedersagen ließ. Durch
Kopfnicken hat er die Richtigkeit des Gesagten bestätigt.Und vor der
ganzen Zuschauerschaft seines Todes - alle hindernden Wände werden
niedergebrochen und auf den weit und hoch sich schwingenden
Freitreppen stehen im Ring die Großen des Reichs - vor allen diesen
hat er den Boten abgefertigt. Der Bote hat sich gleich auf den Weg
gemacht; ein kräftiger, ein unermüdlicher Mann; einmal diesen, einmal
den andern Arm vorstreckend schafft er sich Bahn durch die Menge;
findet er Widerstand, zeigt er auf die Brust, wo das Zeichen der Sonne
ist; er kommt auch leicht vorwärts, wie kein anderer. Aber die Menge
ist so groß; ihre Wohnstätten nehmen kein Ende. Öffnete sich freies
Feld, wie würde er fliegen und bald wohl hörtest du das herrliche
Schlagen seiner Fäuste an deiner Tür. Aber statt dessen, wie nutzlos
müht er sich ab; immer noch zwängt er sich durch die Gemächer des
innersten Palastes; niemals wird er sie überwinden; und gelänge ihm
dies, nichts wäre gewonnen; die Treppen hinab müßte er sich kämpfen;
und gelänge ihm dies, nichts wäre gewonnen; die Höfe wären zu
durchmessen; und nach den Höfen der zweite umschließende Palast; und
wieder Treppen und Höfe; und wieder ein Palast; und so weiter durch
Jahrtausende; und stürzte er endlich aus dem äußersten Tor - aber
niemals, niemals kann es geschehen -, liegt erst die Residenzstadt vor
ihm, die Mitte der Welt, hochgeschüttet voll ihres Bodensatzes.
Niemand dringt hier durch und gar mit der Botschaft eines Toten. - Du
aber sitzt an deinem Fenster und erträumst sie dir, wenn der Abend
kommt.

2010-09-19

本の収納 一手に引き受けます!ミニライブラリーがつくれるコンパクトブックスタンドの会

フェリシモ > クラソ > 本の収納 一手に引き受けます!ミニライブラリーがつくれるコンパクトブックスタンドの会

どんどん増える本の収納の悩みを解決してくれる、シンプル&コンパクトなブックスタンド。ミニマムスペースでも効率よく、さまざまなサイズの本やDVDをまとめてすっきり。部屋ごとにカラーで使い分けるのはもちろん、並べて置けば大きな本棚みたいな収納量に!

■素材 / スチール(粉体塗装)
■サイズ / 高さ約67cm、幅約16.5cm、奥行き約20cm 重さ約1.2kg

机上 本棚 アイアン 2段
http://www.felissimo.co.jp/kraso/v12/cfm/products_detail001.cfm?GCD=405953&GWK=3639

2010-09-09

5冊以上の古本は、お電話一本で宅配業者が無料で引き取りに伺います

「ほんがえし・プロジェクト」

「ほんがえし・プロジェクト」は、古本のリユースを通じて社会貢献を行っている株式会社バリューブックスとコラボレーションし、皆さまのご家庭に眠る古本を活用することで、ひとりひとりの子どもの可能性を最大限活かす社会を実現することを目的とした活動です。

皆さまに寄付して頂いた古本は、株式会社バリューブックスにより買い取られ、買い取り額がLearning for Allに寄付されます。

ご家庭に眠る古本で、未来を担う子どもたちが良い教育を受けられる可能性があります。効果的な学習の機会を得られない子どもたちに対して、学ぶ喜びを体験してもらう機会を作るために、古本のリユースにご協力下さい。

単行本が2000冊集まったら、こんなことができます

1. 学習困難な状況にある100人の子どもたちの学びを最大化します
2. 教育に情熱のある30人の学生に、子どもたちの学習意欲を引き出すスキルを養成します
3. 250人の子どもたちが食の大切さを学べる機会を提供します

お申し込み方法

1. 不要になった書籍と申込書(http://www.hongaeshi.jp/pdf/application.pdf)を段ボールや紙袋に詰めてください
2. 株式会社バリューブックス(0120-826-295)に電話し、「ほんがえし・プロジェクト」に申し込む旨伝えてください
3. 宅配業者が無料で集荷に参ります

※5冊以上の古本は、お電話一本で宅配業者が無料で引き取りに伺います

寄贈して頂いた書籍は、株式会社バリューブックスにより買い取られ、買い取り金額がTeach for Japan準備会Learning for
Allに寄付されます。また、買い取りのできない本は、book gift
projectにより、児童施設や老人ホーム、介護施設などに寄付されます。

連絡先
・ 電話番号:0120-826-295
・ mail:info[アットマーク]value-books.jp

詳細・お申し込み
子どもたちの未来のための「ほんがえし・プロジェクト」
http://www.hongaeshi.jp/

※「ほんがえし・プロジェクト」のリーフやポスターの掲示などにご協力いただける組織の方がいらっしゃいましたら、是非ご一報ください。本活動のリーフおよびポスターを送付させて頂きます。
http://www.learningforall.jp/lfa_support/

2010-08-16

プリンツ・オイゲン(Prinz Eugen)

プリンツ・オイゲン・フォン・サヴォア
興隆期ハプスブルク帝国を支えた男
デレック・マッケイ著
瀬原義生訳
京都 : 文理閣, 2010.5
ii, 366, 21p, 図版 [4] p ; 22cm
注記: プリンツ・オイゲンの肖像あり
プリンツ・オイゲン関係略年表: p332-333
史料・文献案内: p355-360
ISBN: 9784892596193
別タイトル: Prince Eugene of Savoy ; プリンツオイゲンフォンサヴォア
著者標目: McKay, Derek ; 瀬原, 義生(1927-)<セハラ, ヨシオ>
件名: Eugene, of Savoy, Prince of Savoy, 1663-1736

ハプスブルク家に生涯を捧げ、オーストリア帝国の全盛時代を築いた"気高い貴公子"オイゲン。彼の軍事的成功と政治的活動、芸術保護者としての業績、さらにその日常生活をもきめ細かく活写した労作の完訳。

[目次]
第1章 サヴォアの貴公子
第2章 レオポルト1世とその帝国
第3章 ハンガリーの解放
第4章 サヴォアの戦い
第5章 ゼンタの戦い
第6章 二年間の平和
第7章 スペイン継承戦争の勃発
第8章 オイゲン、帝室軍事参議会議長となる
第9章 ブリントハイム(ブレナム)の戦い
第10章 ヨーゼフ一世の帝位継承
第11章 トリーノとツーロン
第12章 南ネーデルラントの制圧
第13章 失われた平和とマルプラケの戦い
第14章 ネーデルラントにおける手詰まりとヨーゼフの死
第15章 ドゥナンの戦いとラシュタットの平和
第16章 カール六世とその大臣たち
第17章 トルコとの新しい戦争
第18章 シチリアをめぐる戦争とオイゲンに対する陰謀
第19章 ネーデルラント総督
第20章 芸術保護者としてのオイゲン
第21章 オイゲンとその友人たち
第22章 ヨーロッパの「冷たい戦争」
第23章 ウィーン第二条約とフルーリの復讐
第24章 オイゲンとオーストリアの軍隊
第25章 ポーランド継承戦争とオイゲンの死


----------------------
バロックの騎士 : プリンツ・オイゲンの冒険
飯塚信雄著
東京 : 平凡社, 1989.2
334p ; 20cm
注記: サヴォイ公子オイゲン関連年表: p326-327 ; 参考文献: p328-329
ISBN: 4582472168
件名: Eugen, Prinz von Savoyen. ; Eugène,Prince of Savoie -- Carrig
nan(1663-1736)

父ルイ14世から疎んじられて軍人を選んだオイゲン公子は、トルコの脅威からオーストリアを護った救国の英雄であり、自ら建てたウィーンのベルヴェデーレ宮殿に集まる文人たちの、パトロンでもあった。

[目次]
第1章 ルイ14世からの脱走
第2章 竜騎兵連隊長となる
第3章 トルコ軍のウィーン包囲-1683年夏
第4章 篭城する市民たち
第5章 美女オランプ
第6章 ベルグラードへ
第7章 ソワソンのお嬢さま
第8章 軍隊の組織と生態
第9章 センタの合戦
第10章 再びイタリア戦線へ
第11章 マルバラ公との友情
第12章 ベルグラードの死闘
第13章 快男児ボンヌヴァル
第14章 ベルヴェデーレ宮の建設
第15章 美しさローリ、バティアニー伯爵夫人
第16章 最後の出番
第17章 最大の敵-老衰
第18章 オイゲン伝説の誕生

2010-08-15

NHK教育:芸術劇場 − 劇場中継「変身」(原作フランツ・カフカ) −

チャンネル :教育/デジタル教育1
放送日 :2010年 8月13日(金)
放送時間 :午後11:29〜14日午前1:15(106分)
ジャンル :劇場/公演>現代劇・新劇

カフカ原作「変身」をイギリスの演出家、スティーブン・バーコフが緻密に演出した舞台。40年間、世界の様々なアーティストが演じた主人公に森山未來が挑み、熱演した。

【原作】フランツ・カフカ
【演出】スティーブン・バーコフ
【出演】森山未來,穂のか,福井貴一,丸尾丸一郎,久世星佳,永島敏行

番組HP
http://www.nhk.or.jp/art/

NHKオンデマンド:見逃し番組サービスで視聴する(有料)
https://www.nhk-ondemand.jp/

2010-08-12

鳥影社『ローベルト・ヴァルザー作品集』全5巻(新本史斉/若林 恵/F・ヒンターエーダー=エムデ訳)

私は誰も私にならないことを願う。
私だけが、私自身に耐えられる。
多くを知り、たくさんのことを見、何も言わない、ただそれだけである。

第1巻 タンナー兄弟姉妹(新本史斉訳)

2010年7月、第1巻刊行
サイズ 四六判 ページ 381P
ISBN 9784862652515 (4862652514) C-CODE 0097

今日のヨーロッパ文学において古典的存在とされるスイスの散文作家、ローベルト・ヴァルザーの長編小説と散文小品を集成。1には、「タンナー兄弟姉妹」を収録。
生きるということに特別な意味を付与しない主人公ジーモン——自分の生を「ただただ生きる」ことで、彼は手に触れるように世界を感じるのである。

吉田孝夫「ローベルト・ヴァルザーの二次性の文学」 京都大学大学院課程博士論文 2000
http://opac.ndl.go.jp/recordid/000000352249/jpn

新本史斉:「母の言葉」の喪失から生まれる「微笑む言葉」、「舞い落ちる」散文--ローベルト・ヴァルザーの小説『タンナ--兄弟姉妹』をその前史から読む
津田塾大学紀要 (42), 135-163, 2010-03


第2巻 助手
第3巻 ヤコプ・フォン・グンテン
第4巻 ベルリン時代、ビール時代の散文作品(『散歩』他)
第5巻 ベルン時代の散文作品と遺稿(『盗賊』他)

2010年8月28日(土)から9月25日(土)まで『オマージュ種村季弘展』

前半:種村季弘とマニエリスム幻想(仮称)
後半:大衆への回帰と晩年(仮称)

■アクセス
東京メトロ有楽町線 銀座一丁目駅2番出口より徒歩1分
〒104-0061 東京都中央区銀座2-2-18 西欧ビル1F
電話: 03-5524-3060
スパンアートギャラリー
http://www.span-art.co.jp/

http://maps.google.com/maps?f=q&source=s_q&hl=en&geocode=&q=%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E9%83%BD%E4%B8%AD%E5%A4%AE%E5%8C%BA%E9%8A%80%E5%BA%A72-2-18&sll=35.339354,139.44706&sspn=0.072396,0.154324&ie=UTF8&hq=&hnear=Japan,+T%C5%8Dky%C5%8D+Metropolis+Ch%C5%AB%C5%8D+Ward%E9%8A%80%E5%BA%A7%EF%BC%92%E4%B8%81%E7%9B%AE%EF%BC%92%E2%88%92%EF%BC%91%EF%BC%98&z=16

■開館時間
11:00から19:00まで
日曜・祝祭日休館

  今展は独文学者の故種村季弘氏の業績を原稿や書簡などの
  遺品と、縁のあるアーティストの作品で振り返る内容と
  なるそうです。先日ご子息で画廊オーナーである品麻氏が
  「黒き血の宴」にお越し下さったのですが、準備がとても
                  大変だと仰っておられました。準備の大変さに比して
                  素晴らしい展覧会になると思われますので、ぜひご高覧
                  下さいませ。

2010-08-11

西村清和『イメージの修辞学 ことばと形象の交叉』

単行本: 542ページ
出版社: 三元社 (2009/11)
ISBN-10: 488303254X
ISBN-13: 978-4883032549
発売日: 2009/11
商品の寸法: 21 x 15.6 x 3.8 cm

■内容紹介
「読むこと」そして「見ること」で得られるイメージの相違と連関についての議論は古代より続き、いまも多彩な主張が乱立している。それらを精査し、「読書とイメージ」「視覚的隠喩」「小説の映画化」「"物語る絵"のナラトロジー」「小説と挿絵」の五つの視点から、ことばと形象の交叉がもたらす経験とその歴史的変遷を、多くの実例をひきながら問いなおす。

http://djfumiya-in-the-mix.blogspot.com/2010/03/blog-post_1057.html
http://franzkafka1883-1924.blog.so-net.ne.jp/2010-03-29

■目次
序 7
第�部 ことばとイメージ

第1章 読書とイメージ 12

1 観念とイメージ 12
   イメージ化の読み/12 近代認識論における「イメージ」/14
   詩と絵画のパラゴーネ/16 詩の絵画的描写/18 バーク/22 レッシング/25
2 知覚とイメージ 27
   ウィトゲンシュタイン/27 イメージと知識/28 イメージと知覚/31
3 意味とイメージ 34
   意味の規格型と素性/35 イメージ価と「概念的——ペグ」/37
4 読書とイメージ 39
   サルトル/40 イメージの「効果」/42 ホメーロスの描写/45

第二章 視覚的隠喩は可能か  48

1 転義とモデル 48
   隠喩の代置理論、比較理論/49 隠喩の相互作用理論/50
2 隠喩と類比 53
   認識論的隠喩論/53 類比による世界認識/55
3 隠喩と象徴 57
   記号論的隠喩論/57 隠喩的例示/58 暗示と象徴/61
4 隠喩の述語限定理論 64
   一時的な言語ルール/64 アスペクトの認知/66 述語限定理論/68
5 隠喩と直喩 71
   比較と同定の陳述文/72 恣意的直喩/74 隠喩の「含み」/76
6 隠喩とイメージ 78
   隠喩のイコン性/78 非言語的隠喩/80
7 絵画的隠喩 83
   視覚的ジョークとカリカチュア/83 視覚的駄洒落/86
   合成イメージ/89 広告の発話/92
8 映画的隠喩 95
   隠喩的モンタージュ/96 映画的文彩/98 説話外的なイメージ/101

第三章 詩と絵画のパラゴーネ 104

1 ことばの優位 104
   エクフラシス/104 パラゴーネ/105
2 イメージの形而上学と解釈学 107
   イコノグラフィーとイコノロジー/107 ベーム「イメージの解釈学」/108
   ベッチマン「美術史解釈学」/111 イムダール「イコニーク」/113
3 「露出した意味」 115
   バルト「逐字的メッセージ」/116
4 知覚経験と名指し 118
   ブライソン「図像的なもの」/118 構文的な絵画/121 心理学的唯名論/124
5 視像の情熱、形態の欲望 126
   位相化/127 言語のテクスチュアと絵画のテクスチュア/128
第�部 小説の映画化

第四章 物語と描写 132

1 描写の位置 132
   映画化への欲望と批判/132 補助的言説としての描写/135
   描写の近代とリアリズム/137
2 テクスト・タイプと「奉仕」関係 139
   「物語に奉仕する描写」・「描写に奉仕する物語」/140
3 意味の統辞法、知覚の統辞法 142
   明示的な描写/143 モンタージュ——知覚の統辞法/145 描写の物語/147
4 描写の物語 149
   心的イメージと知覚映像/149 小説の描写/151
   映画の描写/152 「効果」の対比と異同/154

第五章 語りのモード 156

1 語りの「態」 156
   物語言説と物語内容/156 「不可視の観察者」と語り手/158
2 語りの「視点」 161
   〈背後から〉の視点/162 〈ともにある〉視点/165 内面のリアリズム/168
   〈情況〉の視点/173 〈外部から〉の視点/177 物語の叙法のパターン/178
3 映画における語りの視点 180
      1.〈全知〉の視点、〈情況〉の視点/181
      2.〈ともにある〉視点/185 ● 三人称と一人称/188 ● 「一人称映画」/190
      3.〈外部から〉の視点/191 語りの視点の混合と移行/193
第�部 「物語る絵」のナラトロジー

第六章 「物語る絵」の叙法 196

1 絵画の「物語」 196
   タブローという装置/196 絵画のナラトロジー/200
2 物語言説のメディア——中世の「物語る絵」 202
   ミニアチュール/202 ビザンチンの壁画/205
   ステンドグラス/207 聖なるテクストの優位/210
3 エクフラシスの修辞学 211
   絵解きとしてのエクフラシス/211 ゼウクシス的イリュージョニズム/213
   イコン的イリュージョニズム/215 超越的な〈全知〉の視点/217
4 描かれた世界の自立 220
   ジョットの革新/220 「含蓄ある瞬間」/223
   ヒューマニストのエクフラシス/225 アルベルティの「構図」と遠近法/227
   ヴァザーリの美的なエクフラシス/228
5 指示者のモチーフ 230
   超越論的〈全知〉の視点/230 修辞的イリュージョニズム/232
   美的イリュージョニズム/234 「劇的クロース・アップ」/236
6 画中の代理人——「母と子」と「後ろむき」のモチーフ 239
   奥行き方向の劇的緊張/239 「母と子」のモチーフ/242
   「後ろむき」のモチーフ/245
7 美的イリュージョニズム 248
   描写的リアリズム/248 ディドロの美的なエクフラシス/251
   美術カタログ/255 イメージに奉仕することば/257
8 「没入」のモチーフ 259
   〈情況〉の視点と絵画的描写のリアリズム/259
   没入のモチーフと内面性/262 「演劇的」と「タブロー」/265
9 仮象論の逆説と〈ともにある〉視点 269
   観者の現前と不在のパラドックス/269 観者の美的な存在情況/271
   肉眼の「視角」と語りの「視点」/273 物語る絵の〈ともにある〉視点/276
   交叉する視線のドラマ/280
10 情況のタブロー 282
   メロドラマ/282 明暗法——光の遠近法/284 物語る絵の叙法のパターン/286
      1.超越的〈全知〉の視点/287
      2.超越論的〈全知〉の視点/287
      3.〈ともにある〉視点、〈情況〉の視点/288

第七章 近代絵画における語りの視点 290

1 小説と絵画の遠近法 290
   ケンプの受容美学/290 「観者の位置」に自覚的な構成/290
   「多重遠近法的」な構成/292 小説と絵画のパラレリズム/294
2 目撃者の「視角」と語りの「視点」 299
   語りの「態」と「叙法」/299 目撃者と「内包された読者」/300
   カメラマンと映画監督と画家/305
   指示者のモチーフ、後ろむきのモチーフ/306
3 〈ともにある〉視点の画面構成 309
   エッグ《過去と現在》/309 クリンガー《母》/312 スケッチの美学/314
第�部 小説と挿絵

第八章 近代小説と挿絵 318

1 挿絵の歴史 318
   十五世紀/319 十六世紀/320 十七世紀/321 十八世紀/323 グラヴロー/327
2 形象のディスクール——グラヴロー 330
   ルソー『新エロイーズ』挿絵/330 挿絵の記号論的分析——バシィ/333
   語りの光源・サン=プルー/336 読者の反応——ラブロスの分析/338
3 私的な情感——コドウィエツキーとストザード 340
   コドウィエツキー/340 ストザード/343
4 近代的叙法の成熟 346
   ターナー——廃墟・ゴシック・ピクチャレスク/346
   ビュイックとクルックシャンク——ビネット/348
   小説の挿絵と舞台のタブロー/351 挿絵の映画的手法/352
   ラファエル前派/355 内省の挿絵に対する批判/357

第九章 明治期小説の「改良」と挿絵 361

1 小説の「改良」 361
   坪内逍遙『小説神髄』/362 内面のリアリズムと文体/365
   制度としての漢文体/368
2 『当世書生気質』 370
   新味と限界/370 二葉亭四迷『浮雲』/374
3 言文一致運動 377
   語尾と待遇感情/377 「である」体の採用/379
4 逍遙以後の小説 381
   「人間派」と「没理想」/381 西洋近代叙法の例外的さきがけ/383
   「自叙躰」の流行/385 三人称〈ともにある〉視点の確立/390
5 日本における「物語る絵」 393
   絵巻の文法/393 江戸の戯作本/396 洋風画/398
6 戯作下絵から小説挿絵へ 400
   来日画家の影響/401 洋風挿絵受容の限界/404 新聞小説と挿絵/407
   浮世絵系挿絵/409 容斎派の画家たち/412 洋画家たちの参入/413
7 小坂象堂と自然主義 415
   日本画の自然主義/415 无声会/419
8 梶田半古と新風 422
   烏合会/422 梶田半古の日本画/424 富岡永洗と梶田半古/426
   右田年英と松本洗耳/429 新旧挿絵の混在/431 梶田半古とアール・ヌーボー/433
9 鏑木清方の小説経験 437
   西洋画の翻案/438 情況のタブローと〈ともにある〉視点/441

註 445
あとがき 509

事項索引 1
人名索引 7
参考文献 13
■西村 清和
1948年京都府生まれ。東京大学文学部美学芸術学科卒業、同大学院修了。東京大学大学院人文社会系研究科教授。著書—『遊びの現象学』(勁草書房、サントリー学芸賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

2010-08-03

日本語-チェコ語 チェコ語-日本語の両引き辞典

<国際語学社>
『簡明日本語−チェコ語 チェコ語−日本語辞典』 阿部 昇吉 編著
税込価格 : \3675 (本体 : \3500)
著者 阿部 昇吉 編著
ジャンル 諸外国語 > ロシアと近隣諸国の言葉 > チェコ語
シリーズ 簡明辞典
出版年月日 2010/07/29
ISBN 9784877315221
判型・ページ数 B6・304ページ
定価 本体3,500円+税

■内容紹介
簡明シリーズ第五段!日本語-チェコ語 チェコ語-日本語の両引き辞典。
 1万1,000語収録の「簡明辞典」シリーズ第五弾は、チェコ語です。チェコは九割がチェコ人の占めるスラヴ系民族の国家。
 チェコ語はもちろん、ロシア語にも精通した著者が送る渾身の一冊です。チェコ語勉学者のバイブルとなること間違いありません。


■目次
1.著者前書き
2.表記について
3.チェコ共和国国歌
4.チェコ語の基本会話
5.チェコ語アルファベット一覧
6.日本語引き
7.チェコ語引き
8.四季、月、曜日、数字一覧
9.写真で綴るチェコ

2010-08-02

オドラデクに関する日本語名エッセイ 澁澤龍彦『思考の紋章学』所収

思考の紋章学-7-オドラデク
『文芸』 15(4), p156-165, 1976-04

和図書 1−6(6件)

1. 思考の紋章学 / 澁澤龍彦. -- 新装新版. -- 河出書房新社, 2007.3. -- (河出文庫)
2. 渋沢竜彦全集. 14. -- 河出書房新社, 1994.7
3. 思考の紋章学 / 渋沢竜彦. -- 白水社, 1988.5. -- (新編ビブリオテカ渋沢竜彦)
4. 思考の紋章学 / 渋沢竜彦. -- 河出書房新社, 1985.10. -- (河出文庫)
5. ビブリオテカ渋沢龍彦. 6 / 渋沢龍彦. -- 白水社, 1980.3
6. 思考の紋章学 / 渋沢龍彦. -- 河出書房新社, 1977.5

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オドラデク跳梁--ドラコニアの1960年代 (渋沢竜彦<特集>)
高山 宏
ユリイカ 20(7), p123-135, 1988-06

異端の日本学の系譜--「しろうるり」とオドラデク (渋沢竜彦--幻想のミソロジ-<特集>) -- (批評・渋沢竜彦のビブリオテカ)
野口 武彦
国文学 解釈と教材の研究 32(8), 60-67, 1987-07