2012-05-28

『会社員とは何者か 会社員小説をめぐって』

カイシャイントハナニモノカ
会社員とは何者か?
会社員小説をめぐって
著者: 伊井直行

発行年月日:2012/04/26
サイズ:四六変型
ページ数:330
ISBN:978-4-06-217601-9

定価(税込):2,520円

会社員が主人公の小説って、……おもしろいの?
誰も気づかなかった「会社員」の謎に迫る、まったく新しい文学論!
『群像』連載に加筆し書籍化。
「普通のサラリーマン」とは、現代日本における凡庸な人生の代名詞である。(……)だが、そこに解くべき謎があることについて、私は強い確信を抱いている。——<「本文」より>

本書で取り上げたおもな小説
●源氏鶏太「英語屋さん」
●山口瞳「江分利満氏の優雅な生活」
●庄野潤三「プールサイド小景」
●黒井千次「メカニズムNo.1」
●絲山秋子「沖で待つ」
●長嶋有「泣かない女はいない」
●津村記久子「アレグリアとは仕事はできない」
●カフカ「変身」
●メルヴィル「バートルビー」ほか。

目次

ヒヨドリの羽ばたき
私が会社員だったころ
「サラリーマン」という言葉の二重性
「サラリーマン」という言葉の知られざる履歴
小説と職業生活
「経済小説」と会社員小説
会社員小説の射程
会社員小説の定義—階調の内にとどまる
会社員という視点
源氏鶏太の「サラリーマン小説」
会社員小説としての「プールサイド小景」
二等車の乗客
砂漠を愛する人
ゲームの空間
会社と家庭をへだてる川
法人としての会社員
会社員の誕生—岩崎彌太郎と初期三菱
会社の仕事と人間の労働—黒井千次の試み
会社員小説としてのカフカ「変身」
メルヴィル「バートルビー」—未来の人間