ISBN978-4-13-016032-2,
発売日:2012年01月下旬,
判型:A5, 524頁
■内容紹介
シオニズム運動の枢要を担ってきたロシア帝国出身のユダヤ人たち.しかし彼らのなかには,シオニストでありながらあえてロシアにとどまる「ロシア・シオニズム」思想の系譜が存在した.歴史的な文脈を丁寧にたどりながら,シオニズムの新たな側面に光をあてる.【第1回東京大学南原繁記念出版賞】
■主要目次
序 章 パレスチナに行かなかったシオニスト
第1章 ロシア帝国におけるシオニズムの生成
第1節 ロシア帝国という場
第2節 ロシア帝国とユダヤ人
第3節 初期のシオニズム
小 括 目標としての「ネーション」
第2章 「ネーション」概念にはいかなる利点があったのか
第1節 帝政末期のロシア・シオニズムと『ラスヴェト』
第2節 ナショナリズムを分析する理論的視角
第3節 ドゥブノフとユダヤ・ナショナリズム
第4節 集団間アイデンティティとしての「ネーション」
第5節 『ラスヴェト』における本質規定の忌避
小 括 集団内/集団間アイデンティティの相互自律性
第3章 本質規定を忌避するナショナリズム
第1節 ナショナリズムと本質主義
第2節 シオニズムにおける「東」と「西」
第3節 「一人のユダヤ知識人の歴史」
第4節 民族の社会経済的基盤への注目
第5節 非ユダヤ人の影への反発
第6節 「ユダヤ社会」の「ルネサンス」
小 括 社会という位相
第4章 シオニズムの「想像の文脈」
第1節 ネーションの想像と文脈の想像
第2節 二〇世紀初頭のロシア・東欧における民族理論
第3節 ロシア・シオニズムにおける国家、民族、公共圏
第4節 シオニズムとパレスチナ・アラブ
小 括 シオニズムの「国際規範」の光と影
終 章 一九一七年——消えた帝国、散っていった夢
第1節 一九一七年革命とシオニズム
第2節 結 論