2010-12-31

『鴎外のベルリン——交通・衛生・メディア』

美留町義雄
鴎外のベルリン——交通・衛生・メディア
A5判上製/228頁/定価3500円+税
ISBN978-4-89176-797-6  C0095
*本書では「鴎」の字は正字を用いています(區+鳥)。


■内容紹介
鴎外が見聞した、2つの《帝国》の相貌。
代表作『舞姫』の舞台となるこの新興都市で、
少壮エリート鴎外森林太郎は何を実見し、
日本の現実へと変奏させたのか?
従来の作家像/作品像を刷新する、
新たなる《都市空間の文学》の試み。
カフカが住んだ時代のベルリンとは時期がずれるが、プラハの「衛生化」などの動きとカフカ文学を絡めて論じた
三谷研爾『世紀転換期のプラハ—モダン都市の空間と文学的表象』 三元社
http://franzkafka1883-1924.blog.so-net.ne.jp/2010-03-07

などの類書。

『ハプスブルク帝国の情報メディア革命—近代郵便制度の誕生』 (集英社新書)も併せて。


■著者紹介
美留町 義雄 (ビルマチ ヨシオ)
1967年、東京に生まれる。立教大学文学部ドイツ文学科卒業、同大学院文学研究科博士後期課程(ドイツ文学専攻)満期退学。日本学術振興会特別研究員(PD)を経て、大東文化大学文学部准教授。専攻、ドイツ近代文学を基盤とした比較文学・文化研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■資料として貴重
19世紀後半のドイツを再現する貴重図版80点以上収録!
ジャケット裏に、1889年当時の貴重なベルリンの市街図を掲載。
本書はもちろん鴎外文学を読み解くうえで必須の資料!

■目次
第1章 ベルリンの路上にて—鴎外の足
「菩提樹下」の石畳
アスファルト
交通と制度
「普請中」の道路

第2章 交通・身体・規律—「有楽門」をめぐって
「停留所に待てる群衆」
昇降口の秩序
日比谷公園有楽門

第3章 都市の衛生—下部構造と権力
中庭の光景
ベルリンの水
「下水を汲む」鴎外
東京の衛生

第4章 ベルリンの喫茶店にて—「バウエル茶房」と鴎外
カフェ・バウアー
鴎外とイタリア
情報センターとしてのカフェ
ベルリンのファスト・フード

第5章 伝便と広告柱—鴎外と情報メディア
伝便
気送郵便
断絶したネットワーク
「小包郵便物に就て」
広告柱
林立するリトファス柱
「独身」の終焉

2010-12-23

ドイツ国立図書館、オクスフォード大学、Europeanaが、第一次世界大戦期の私文書等のデジタルアーカイブ構築で合意

「私文書等」になにが含まれるかわかりませんが
興味深い取り組みです

http://current.ndl.go.jp/node/17313
ドイツ国立図書館、オクスフォード大学、Europeanaが、第一次世界大戦期の私文書等のデジタルアーカイブ構築で合意
Posted 2010年12月20日
2010 年12月16日、欧州デジタル図書館Europeanaのプレスリリースによると、ドイツ国立図書館と英国のオクスフォード大学、そして
Europeanaが第一次世界大戦期の私文書等をデジタル化し、オンラインアーカイブを作成することで合意したようです。これは、オクスフォード大学がすでに英国内で進めていた"Grate
War Archive"による同様の取り組みをドイツにも広げるために、Europeanaがドイツ国立図書館に対してオクスフォード大学との提携を持ちかけたことによるものとのことです。
Great War Archive
http://www.oucs.ox.ac.uk/ww1lit/gwa
1914-18 archive alliance signed (2010/12/16付け Europeanaのプレスリリース)
http://version1.europeana.eu/c/document_library/get_file?uuid=fa159661-1b01-4b2d-a862-172231afc9e0&groupId=10128
Germany and UK work together on First World War archive (2010/12/16付け
Research Informationの記事)
http://www.researchinformation.info/news/news_story.php?news_id=698
Britain, Germany to create online WW1 archive (2010/12/16付け Reutersの記事)
http://www.reuters.com/article/idUSTRE6BF3HJ20101216

2010-12-17

千葉市美術館ほか「ブラティスラヴァ世界絵本原画展とチェコの人形劇」展

先日、標記展覧会に行ってきました
http://www.ccma-net.jp/exhibition_01.html
全国各地を巡回するようなので、お近くであればぜひに

フルジム人形劇博物館の協力を得て、家庭用人形劇場8台及び人形約170体
が展示されていたのですが、
家庭用人形劇場が、『変身』の舞台そのもののような気がしました
1つの部屋を基本としていて、ドアの開け閉めによって場面が変わるという
人形劇のビデオ上映もあり、字幕なしですが臨場感があって
おもしろかったです
また、人形劇は、チェコナショナリズムの主力媒体であり、
「ドイツ人の圧政に苦しむ象徴的キャラクター」なども紹介されていました
(赤鬼のようなかんじでした)
盛んになったのが、ちょうど1912年からとのことで
そのあたりも興味深かったです

連続公開セミナー「小説の演劇化の理論と解釈」第2回:2010.11.11.(木)16時〜18時カフカ『審判』

企画のご案内です
Prof. Hans=Peter Bayerdörfer 連続公開セミナーの案内
テーマ:小説の演劇化の理論と解釈
講師:ハンス=ペーター・バイヤーデルファー教授(ミュンヘン大学演劇学研究所)
(Prof. Hans=Peter Bayerdörfer, Univ. München)
主催:中央大学文学部ドイツ語文学文化専攻
近年のドイツや日本では小説を舞台化することが演劇の大きな潮流となっています。ゲーテの『若きウェルテルの悩み』、フォンターネの『エフィー・ブリースト』やカフカの『審判』の舞台化などがその例として挙げられます。こうした傾向を踏まえ、今回の連続セミナーではドイツにおける小説の舞台化の理論と解釈についてバイヤーデルファー教授の説明をいただき、それから参加者間での討論を進めてゆく予定です。是非、ご参加ください。
* 本セミナーはドイツ語で進められます。
開催日時:
1回:11月 6日(土)16時~18時 : ゲーテ『若きウェルテルの悩み』
2回:11月11日(木)16時~18時 : カフカ『審判』
会場 :中央大学 多摩校舎 文学部ドイツ語文学文化専攻共同研究室(文学部3号館高層棟5F)
http://www.chuo-u.ac.jp/chuo-u/campusmap/tama_map/index_j.html
http://www.chuo-u.ac.jp/chuo-u/access/access_tama_j.html
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style="color:#0000FF;text-align:left">大きな地図で見る</a></small>

司会 :高橋慎也(文学部ドイツ語文学文化専攻教授)
参加申し込み:文学部ドイツ語文学文化専攻共同研究室(3号館5F、Tel:
042-674-3739)E-MAIL:shintaka@tamacc.chuo-u.ac.jp
*当日参加も可能です

電子展示「東欧における結婚式」

欧州デジタル図書館 Europeanaが新たなバーチャル展示を公開しました。今回のテーマは「東欧における結婚式」(Weddings in
Eastern Europe)とのことで、ハンガリー、リトアニア、ポーランド、スロベニアにおける結婚式の伝統について、お見合いから結婚式が終わるまでを、資料を交えて解説しています。
Weddings in Eastern Europe
http://econnect.ait.co.at/wedding-exhibition/
Wedding Traditions Featured In New Virtual Exhibition (2010/10/28付け
Eurooeanaのニュース)
http://version1.europeana.eu/web/guest/news/-/blogs/wedding-traditions-featured-in-new-virtual-exhibition

論文管理ソフトのご紹介

論文管理ソフト?のご紹介です
Academic reference management software for researchers | Mendeley
http://www.mendeley.com/
Mendeleyの使い方
http://acguy.info/mendeley

カフカ原稿の行方に判決が出たそうです

カフカ原稿の行方に判決が出たそうです
Kafkaesque conundrum
Scholars and lawyers have been poring over the contents of 10 bank
vaults opened this summer in Tel Aviv and Zurich: manuscripts written
in the hands of Franz Kafka and Max Brod. Their opinions may sway the
outcome of the bitter tug-of-war over the men's estates.
http://www.haaretz.com/weekend/week-s-end/kafkaesque-conundrum-1.314307
 Kafka's Last Trial
New York Times - ‎2010年9月22日‎
http://www.nytimes.com/2010/09/26/magazine/26kafka-t.html

『イディッシュ語辞典』 上田 和夫 著

<大学書林>
『イディッシュ語辞典』 上田 和夫 著
税込価格 : \63000 (本体 : \60000)
http://www.bk1.jp/product/3309749/?s=gm14082802

『チェコ民族再生運動』12,075円

> 著者の紹介文
> http://www.kobe-u.ac.jp/info/book/1005_03.htm
>
> 目次(pdf)
> http://www.iwanami.co.jp/.PDFS/02/2/0238610.pdf
>
> より詳細な概要については石川達夫のホームページ (http://web.cla.kobe-u.ac.jp/staff/ti/index)
> を参照されたい。また、岩波書店のホームページ
> (http://www.iwanami.co.jp/hensyu/tan/index_t.html) で最初の30ページを無料閲覧できる。

「演劇なるもの」をめぐっての原理的考察

> 演劇インタラクティヴ 日本×ドイツ
>
> 編者:谷川道子(東京外国語大学教授、GCOE研究協力者)、秋葉裕一(早稲田大学演劇博物館副館長、GCOE拠点副リーダー)
>
> 【内容】
> 世代、問題意識、専門領域を異にする十人の論者が、「演劇」をめぐって問いかけあい、語りあい、切り結んだ考察の軌跡
>
> 2010年3月1日発行
> A5判・291ページ
> 早稲田大学出版部
>
> 定価3,200円+税
> 【目次】
> 前口上 谷川道子
>
> 第一の段「演劇なるもの」をめぐっての原理的考察
> 第一場 中島裕昭:「キャラ」で見る喜劇—映画「釣りバカ日誌」とブレヒト/ヴォリヨキの『プンティラ』—
> 第二場 尾方一郎:人形劇、日本とドイツの場合—儀礼からオブジェクト・シアターへ—
> 第三場 本田雅也:ドイツと日本、「近代」と演劇—「国民/国家」が生まれるとき、「演劇」とのそれぞれのつきあいかた—
> 第四場 丸本 隆:ドイツの日本演劇受容にみる異文化「誤解」のダイナミズム—「能まがい」「歌舞伎もどき」が投じた波紋—
>
> 第二の段 20世紀初頭の<日本×ドイツ>演劇の同時代性と差異
> 第五場 谷川道子:築地小劇場の成立と展開—ドラマティストとしての久保栄の位置ー
> 第六場 市川 明:宝塚歌劇とカイザーの『二つのネクタイ』—堀正旗が残したもの—
> 第七場 萩原 健:<作品の美学>よりも<作用の美学>を!—戦前の日独アジプロ演劇の実践—
>
> 第三の段 現代演劇における<日本×ドイツ>の新たなる創造性
> 第八場 秋葉裕一:ベルトルト・ブレヒトと井上ひさし—「あとから生まれてくる人々へ」の「思い残し切符」—
> 第九場 大塚 直:アングラ演劇の世界的位相—寺山修司のドイツ体験と「市街劇」成立をめぐって—
> 第十場 四ツ谷亮子:一九九〇年代以降の現代演劇の実践と批評—ドイツと接する「点」から「面」へ—
>
> 後口上 秋葉裕一
>
> http://www.enpaku.jp/publish/book/publish20100301.html

ユダヤ人カフカ、系の研究書

Manfred Voigts: Geburt und Teufelsdienst. Franz Kafka als
Schriftsteller und als Jude.
Königshausen & Neumann, Würzburg 2008.
127 Seiten, 20,00 EUR.
ISBN-13: 9783826038020
Freigabedatum: 2008-01-07
Verlag: Königshausen & Neumann

Versuch, die Vieldeutigkeit oder gar Nicht-Interpretierbarkeit von
Kafkas Texten zu dessen Existenz als Westjude in Beziehung zu setzen.
Voigts greift dabei u.a. auf die Sprachtheorie von Moses Mendelssohn
zurück.
書評
http://www.literaturkritik.de/public/rezension.php?rez_id=12052&ausgabe=200807
http://books.google.com/books?id=a7q3znB9Wn8C&pg=PP1&dq=Geburt+und+Teufelsdienst.+Franz+Kafka+als+Schriftsteller+und+als+Jude.&as_brr=3&ei=YGTnS8zDN5islQT_qKznCQ&hl=ja&cd=1#v=onepage&q&f=false

本の紹介 アラビア圏におけるカフカ受容

興味深い新刊のご紹介です
単なる「受容事情史」だけでなく、作品に伺えるカフカのアラブ観もふまえて
トータルに論じられていたら最高ですが・・
Atef Botros
Kafka – Ein jüdischer Schriftsteller aus arabischer Sicht
(Band 29 der Reihe Literaturen im Kontext. arabisch – persisch – türkisch)
ISBN 978-3-89500-673-9
2009, Gebunden. 276 Seiten, 240 x 170 mm
19,80 €
Dr. Ludwig Reichert Verlag
Tauernstraße 11
D-65199 Wiesbaden
Tel.: +49 (0)611 46 18 51 oder 946 59 11
Fax: +49 (0)611 46 86 13
■著者紹介
http://www.gei.de/index.php?id=562&L=1
http://www.uni-marburg.de/cnms/arabistik/team/botros
■内容紹介
Dieses Buch widmet sich der arabischen Kafka-Rezeption von 1939 bis
zur Gegenwart. Der Fokus liegt auf der Auseinandersetzung mit Franz
Kafka und seinem Werk durch arabische Intellektuelle, behandelt aber
auch die produktive Rezeption und stellt Werke aus der modernen
arabischen Literatur vor, die Kafkas Literatur nahstehen. Diese
Kernfrage der Rezeption als Kulturübersetzung erweitert sich um die
Beschäftigung mit Kafkas jüdischer Zugehörigkeit im Kontext des
jüdisch-arabischen Konflikts. Über diese Umwege der Rezeption wird die
moderne arabische Ideengeschichte in ihrer Vielfalt nachgezeichnet.
„Diese Beschreibung und Erklärung des arabischen Kafka liefert uns
eine sehr aufschlussreiche Charakterisierung dessen, was man im Westen
inzwischen als „Krise der arabischen Identität" zu bezeichnen sich
angewöhnt hat. Ich kenne keinen tieferen Zugang zu solcherart
Zwangsvorstellungen im Kontext des „Jüdischen" als seine detaillierte
Analysen."
Prof. Georg Meggle (Philosoph, Leipzig)
„Das Buch warnt vor dem Niedergang einer langen hermeneutischen
Tradition in einen literarischen Diskurs, der in politischen
Stereotypen gefangen ist. Er will die Momente bewahren, in denen
Kafkas Werk sich in einer seltenen Nähe zu der modernen literarischen
Tradition in der arabischen Welt findet und zur Quelle eines
progressiven Denkens in Ägypten wurde."
Galili Shahar, Haaretz, 29.09.2008
„Unabhängig von Hautfarbe, Religion, Sprache und Ort spürt jeder
Mensch die Nähe eines kranken Freundes, der in Prag lebte, seine Werke
auf Deutsch verfasste und dessen Botschaft trotz des verfrühten Todes
alle Zeiten überlebte; sein Name ist Franz Kafka", schrieb der
deutsch-irakische Schriftsteller Najem Wali. In noch größerer Nähe des
arabischen Alltages kommt Kafka in einem Gedicht des palästinensischen
Dichters Mahmud Darwisch vor: „Unter meiner Haut fand ich Kafka
schlafend, in Übereinstimmung mit unserem Alptraumgewand und mit der
Polizei in uns." Auch der Literaturnobelpreisträger Naguib Mahfouz
schrieb: „Gekannt habe ich Kafka schon vor mehr als vierzig Jahren,
aber begegnet bin ich ihm erst vor allem nach der arabischen
Niederlage von 1967."
Seit 1939 wird Kafkas Werk in der arabischen Welt gelesen,
kommentiert, übersetzt und ziemlich kontrovers diskutiert: Zwischen
Identifikation, Aneignung, literarischer Inspiration, Projektion,
Fehldeutung und Politisierung. Eine weit reichende Verbreitung erfährt
er erst 1946 durch die einführenden Essays des ägyptischen
Schriftstellers Taha Husain. Seine Kafka-Kommentare können als Teil
seines Säkularisierungsprojekts begriffen werden.
Während Kafka in der arabischen Welt in den sechziger Jahren eine
besondere Bedeutung erlangt, verschärft sich die osteuropäische
Polemik gegen ihn im Kontext des Kalten Krieges. Angeregt durch diese
Polemik und im Zuge des aufsteigenden arabischen Antizionismus stellt
sich plötzlich ab 1971 die Frage nach Kafkas Haltung zum Zionismus.
Die Rezeption des jüdischen Dichters, der sich überwiegend in Kreisen
des Prager Zionismus bewegt, wurde nach der Verschärfung des
Nahost-Konfliktes maßgeblich erschwert.
Die Abhandlung befasst sich mit der gesamten Rezeptionsgeschichte,
fokussiert vor allem auf bedeutenden Auseinandersetzungen arabischer
Intellektueller und geht darüber hinaus, um diese Rezeption im Kontext
der modernen arabischen Ideengeschichte zu deuten. In diesem
Verständnis versteht sie sich als Teil einer zukunftsorientierten
Forschung, die sich mit Austauschprozessen, Ideentransfers,
Kulturübersetzung, Überlappung und Interferenzen zwischen Europa und
dem arabischen Raum befasst, ohne diese Sphären als Gegensätze zu
begreifen.

Fwd: カフカと同世代のアメリカ人の卒業アルバム

米ノースカロライナ大、19世紀末から20世紀半ばごろまでの学生の卒業アルバム等をデジタル化
Posted 2010年2月22日
米国のノースカロライナ大学が、学生の卒業アルバム(1890年〜1966年)や卒業生に関する雑誌(1912年〜1924年)等、かつての学生生活を知るうえで貴重な資料をデジタル化し、ウェブで公開しています。この卒業アルバムデジタル化は、他に3つの大学も加わって取り組んでいる卒業アルバムデジタル化プロジェクトの一環だということです。デジタル化はInternet
Archiveとのパートナーシップの下で行われ、デジタル化した資料はInternet Archiveのウェブサイトで管理されています。
Digitized UNC Yearbooks Bring University's History to the Web
- Library News and Events 2010/2/17付けの記事
http://www.lib.unc.edu/blogs/news/index.php/2010/02/digitized-unc-yearbooks-bring-universitys-history-to-the-web/
UNC Yearbooks(卒業アルバム)
http://www.lib.unc.edu/ncc/uncyearbooks.html
The Alumni Review(卒業生に関する雑誌)
http://www.lib.unc.edu/ncc/alumnireview.html
Carolina Digital Library and Archives Digital Production Center
http://cdla.unc.edu/index.html?page=dpctech

Felix Weltschの伝記

Kafkas fast unbekannter Freund: Leben und Werk von Felix Weltsch.
Philosoph, Journalist und Zionist (Broschiert)
von Carsten Schmidt (Autor)
Broschiert: 300 Seiten
Verlag: Königshausen & Neumann (März 2010)
Sprache: Deutsch
ISBN-10: 3826042743
ISBN-13: 978-3826042744

全欧州規模のホロコースト関係資料のオンラインデータベース化プロジェクトが始まる

http://current.ndl.go.jp/node/17138

日本語で読める最も詳しいチェコ語の文法書?『中級チェコ語文法』

●『中級チェコ語文法』【語学】
金指久美子 著 11月26日刊 ■3990円
初級を終えた学習者待望の一冊。格変化・活用・数量表現など、辞書ではなかなか
分からない用法を詳しく解説しました。見開き一項目、丁寧な説明と例文でつづる
「読む」文法書です。
http://www.hakusuisha.co.jp/detail/index.php?pro_id=08548

カナダ国立図書館・文書館(LAC)、世界大戦期の捕虜収容所関係資料の利用ガイドを公開

カナダ国立図書館・文書館(LAC)、世界大戦期の捕虜収容所関係資料の利用ガイドを公開
カレントアウェアネス-R chojo
2010年11月25日、カナダ国立図書館・文書館(LAC)が、同館の所蔵する、第一次および第二次世界大戦期の捕虜収容所関係資料の利用ガイドを公開しています。
Thematic Guides - Unpublished Guides - Internment Camps in Canada
during the First and Second World Wars
http://www.collectionscanada.gc.ca/the-public/005-1142.27-e.html
New Guide for Internment Camps in Canada during the First and Second
World Wars (2010/11/25付け LACのニュース)
http://www.collectionscanada.gc.ca/whats-new/013-499-e.html

記事紹介『 「イズム」から「データ」へ デジタル人文学の進展』

http://current.ndl.go.jp/e1123
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■E1123■ 「イズム」から「データ」へ デジタル人文学の進展
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2010年11月16日付けのNew York Times紙に,「人文学の豊かな可能性の扉
を開くデジタルのカギ」(Digital Keys for Unlocking the Humanities'
Riches)と題された記事が掲載された。ここでは,同記事と,記事執筆者で
あるコーエン(Particia Cohen)氏が16日と17日に同紙のブログに書いた関
連記事を基に,主に米国でのデジタル人文学の進展やプロジェクトについて
紹介する。
記事冒頭では,20世紀の人文学の歴史が,フロイト主義,構造主義,ポス
ト・コロニアリズム等といった「イズム(主義)」によって牽引されてきた
のに対して,今後は「データ」が人文学の研究方法にとって大きな位置を占
めるだろうと述べられている。デジタル人文学の助成をしている全米人文科
学基金(NEH)のボブレー(Brett Bobley)氏によると,膨大な量のデータ
を分析することで,そこにパターンと流れを発見することが可能となり,予
期せぬ問題提起につながるという。
スタンフォード大学のエーデルシュタイン(Dan Edelstein)氏は,17-18
世紀の啓蒙運動の時代に欧州の人文主義者たちが手紙のやり取りで形成した
ネットワークである「文芸共和国」を研究している。記事では,啓蒙運動は
イングランドを出発点として欧州のその他の地域へと広がったと考えるのが
通説であるが,エーデルシュタイン氏を中心としたプロジェクト"Mapping
of the Republic of Letters"で,ロックやヴォルテール,ルソー等の当時
の思想家の手紙のやり取りを地図上にマッピングすると,パリとロンドン間
の手紙の往復が実際は少数であることが分かったとある。
ドリュー大学のフォイス(Martin K. Foys)氏は,11世紀に作られた「バ
イユーのタペストリー」をデジタル化するプロジェクトを行った。「バイユ
ーのタペストリー」とは,フランスのノルマンディ公ウィリアムが1066年の
ヘイスティングスの戦いでイングランドを征服するまでの歴史を表わした,
長さ224フィート(約70m)の織物であるとのことである。このデジタル化に
よって,タペストリー全体を画面上でスクロールさせることで確認すること
ができるようになり,フォイス氏によると,このようなデジタル化は中世研
究を変える可能性を持つものであるという。またフォイス氏はこのほかにも,
欧州中世の地図と関連資料をオンラインでネットワーク化して,複数の研究
者が同時に扱うことの出来るようにするプロジェクト"Digital
Mappaemundi"も進めているとのことである。
以上のほか,2010年3月に欧州10か国によって始められた,芸術・人文学
のデータのデジタル化を目指したプロジェクト"Digital Research
Infrastructure for the Arts and Humanities"や,Googleによるデジタル
人文学への助成(E1081参照)等が紹介されている。また,個々の取組みと
して,ヴァージニア大学で行われている,紀元320年の古代ローマの都市の
様子を三次元でデジタル化する "Rome Reborn" というプロジェクトや,
1850年から1900年までの米国における鉄道網や通信網,蒸気船等の発展を地
図やグラフ等で表した,ネブラスカ大学での"Railroads and the Making
of Modern America"といったプロジェクト等,多様なプロジェクトが言及
されている。
前出のフォイス氏は,デジタル人文学によって研究者コミュニティ全体で
の研究協力が容易になると,研究者の仕事の方法を根底から変えることにつ
ながると述べている。一方,プリンストン大学のグラフトン(Anthony
Grafton)氏は,デジタル人文学はすばらしい成果を生み出すものであるが,
人文学の成果の多くは解釈に拠るものであり,デジタル化がすべてを成しう
るものではないと述べ,デジタルメディアは方法であって目的ではないと指
摘している。
Ref:
http://www.nytimes.com/2010/11/17/arts/17digital.html
http://artsbeat.blogs.nytimes.com/2010/11/16/digitally-mapping-the-republic-of-letters/
http://artsbeat.blogs.nytimes.com/2010/11/17/from-ancient-rome-to-a-valley-in-virginia-more-digital-humanities-projects/
E1081
( http://current.ndl.go.jp/e1081 )

カフカの<ペア>とその基本機能 吉田仙太郎著

タイトル 思索する耳 : ワーグナーとドイツ近代
責任表示 三光長治〔ほか〕著
出版地 東京
出版者 同学社
出版年 1994.6
形態 463p ; 20cm
ISBN 4-8102-0091-4
目次
ジークフリート 三光長治著.
ジークフリートは誰か? 池上純一著.
悟性と感情の弁証法 杉谷恭一著.
ワーグナーの<Unwillkur>概念をめぐる序論的考察 藤野一夫著.
ニーチェのワーグナー・コンプレックス 谷本慎介著.
歌劇『タンホイザー』試論 藤田総平著.
暁の頌歌 山崎太郎著.
ハンス・ザックスのパラドックス 三宅幸夫著.
「ワーグナー/ミュラー」の『トリスタンとイゾルデ』 谷川道子著.
初期アドルノの音楽理論 好村冨士彦著.
アドルノのマーラー論に見る逆説的表現竜村あや子著.
アドルノの「パラタクシス」 高木昌史著.
ダールハウス、ブロッホ、ハルム 杉橋陽一著.
暴力と救済 高橋順一著.
ジークフリートと竜 桜井春隆著.
バロック悲劇としての『ハムレット』恒川隆男著.
J.W.リッターの自己描写 ラルフ=ライナー・ヴーテノー著 高辻知義訳.
愛するアヒム… 池内紀著.
カフカの<ペア>とその基本機能 吉田仙太郎著.
ローベルト・ヴァルザー 渡辺勝著.
パウル・ツェランあるいは詩という非対称性前田良三著.
ブルク劇場における保守と革新の構図 丸山匠著.
わがワーグナー体験 三光長治ほか述. \
三光長治略歴・三光長治業績一覧:p453〜460

『トーラーの名において シオニズムに対するユダヤ教の抵抗の歴史』

単行本: 432ページ
出版社: 平凡社 (2010/4/2)
言語 日本語
ISBN-10: 4582702872
ISBN-13: 978-4582702873
発売日: 2010/4/2
商品の寸法: 21.2 x 16 x 3.2 cm
原書はフランス語で、 Au nom de la Torah: Une histoire de l'opposition juive au
sionisme, 2004。

■内容紹介
シオニズム運動とイスラエル建国がいかにユダヤの教義トーラーに反すると考えられてきたかを歴史的に辿る。パレスチナ問題と反ユダヤ主義の歴史の冷静な理解に不可欠の書。
■帯
〈ユダヤ人国家イスラエル〉という虚構
政治的公正さの風向きの変化で危うさが目立つ国。
シオニズムのユダヤ教僭称/キリスト教のシオニズム化/のおかげで
道義的検証を免れてきた軍事パワー。
これを神への反逆と告発するユダヤ教思想、
その諸潮流を照らし出す必読書。——板垣雄三
シオニズムがユダヤ教の延長にあるものと
考えている人びとには、本書を読むことを薦めたい。
だが、イスラエルが真にユダヤ教の国であるなどと
信じ込んでいる人びとには、本書を読むことを必須としたい。
——シュロモ・サンド(テル=アヴィヴ大学歴史学教授)
■目次
日本語版の読者へ
ヨセフ・アガシ教授による序文
プロローグ
第一章 いくつかの指標
非宗教化と同化/歴史——闘争の舞台
反シオニストと非シオニスト
第二章 新しいアイデンティティー
メシア主義から民族主義へ
「非宗教的ユダヤ人」の誕生
不完全な転身
ユダヤ人、ヘブライ人、イスラエル人?
現代ヘブライ語と非宗教的なアイデンティティー
第三章 〈イスラエルの地〉、流謫と帰還のはざまで
戒律の侵犯と流謫
メシアに対する用心深さ
シオニズムの理念
シオニズムの企図
第四章 武力行使
成文化された平和主義
ロシアのユダヤ人——苛立ちと暴力
矜持と自衛
解放と植民地化——民族主義の二つの顔
度重なるイスラエルの勝利
テロリズムの起源に
第五章 協調路線の限界
〈聖地〉におけるシオニズムの抵抗
ディアスポラの地におけるシオニズムの拒絶
国家との関係
国家とユダヤ教
第六章 シオニズム、ショアー、イスラエル国
大災厄の原因
ショアーに対するシオニストたちの姿勢
奇跡的再生か、継続的破壊か?
第七章 破壊の予言と存続のための戦略
ユダヤの連続性のなかにイスラエル国が占める位置
公的な議論とその限界
約束か、脅威か?
■著者紹介
ラブキン,ヤコヴ・M.
1945年、旧ソ連レニングラード(現サンクト=ペテルブルク)生まれ。レニングラード大学で化学を専攻、モスクワ科学アカデミーで科学史を学ぶ。1973年以来、カナダ、ケベック州モンレアル(モントリオール)大学で歴史学を講じる(現在、同大学教授)。科学史(とりわけSTSの観点から)、ロシア史、ユダヤ史を専門とする。2008‐09年に二度、日本に滞在し、東京大学大学院人文社会系研究科、同志社大学一神教学際研究センター(CISMOR)などで、シンポジウム、公開講座、研究会などを精力的にこなした
菅野 賢治
1962年、岩手県生まれ。パリ第10(ナンテール)大学博士課程修了。一橋大学法学部助教授、東京都立大学人文学部准教授を経て、東京理科大学理工学部教授。専門はフランス語フランス語圏文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

Fwd: Elisabeth Lack著『カフカの描く「動く物体」:動きの実験室としての日記と手紙』

Kafkas bewegte Körper: Die Tagebücher und Briefe als Laboratorien von
Bewegung [Broschiert]
# Broschiert: 254 Seiten
# Verlag: Fink (Wilhelm); Auflage: 1., Aufl. (28. Oktober 2009)
# Sprache: Deutsch
# ISBN-10: 3770548566
# ISBN-13: 978-3770548569
# Größe und/oder Gewicht: 23,6 x 15,8 x 2,2 cm
Franz Kafkas Tagebücher und Briefe sind ein Fundus für die
literarische Darstellung expressiver Körper.
»Kafkas bewegte Körper Die Tagebücher und Briefe als Laboratorien von
Bewegung« ist die erste Auseinandersetzung mit den literarischen
Möglichkeiten und Verfahren des Motion Capturing in Kafkas Schreiben.
Elisabeth Lack arbeitet Kafkas spezifische somatologische Poetologie
heraus, die sich aus dessen Arbeit an der Metapher ableitet und weist
auf die Nähe seiner bewegten Körper zur Körperdarstellung in den neuen
Medien, z.B. in den gezoomten oder im Tempo verzerrten Bewegungen in
den Fotografien Muybridges hin.
Franz Kafka's diaries and letters are a fund for the literary
representation of expressive bodies. » Kafka's moved bodies the
diaries and letters as laboratories of movement « the first discussion
with the literary possibilities and procedures of the inflexion
Capturing is in Kafka's writing. Elisabeth Lack works out of Kafka
specific "somatologische Poetologie" which is derived from his work on
the metaphor and points to the nearness of his moved bodies to the
body representation in the new media, e.g., in the zoomed or in the
tempo to distorted movements in the photographs Muybridges.
Elisabeth Lack ist Referentin für das wissenschaftliche Leitbild an
der Humboldt-Universität zu Berlin.
Elisabeth Lack is an advisor for the scientific model at the Humboldt
University to Berlin.

独文学会のメルマガより、中島敦のカフカ受容について書いたエッセイ

日付: 2009年11月30日21:45

今日配信のメルマガに、中島敦のカフカ受容について書いた
エッセイが載ってました

●中島敦の独乙語の時間(N. Yamamuro)[J]
http://www.jgg.jp/modules/kolumne/details.php?bid=65

クビーンに似た画風の絵もある。とても知的なBD(バンド・デシネ)。

ニコラ・ド・クレシー『天空のビバンドム』
http://www.amazon.co.jp/dp/4864100446/

大戦間期の雰囲気があると思ったら、

巻末のインタビューでドイツ表現主義やジョージ・グロッスから影響を受けたとのこと。

 

カフカが訪れたイタリアとは少し時期がずれるかもしれませんが「古写真によるイタリア案内」

最晩年のヴァールブルク(Aby M.Warburg,1866-1929)
と助手ビングのイタリア旅行日誌を編纂した本『ビングとともに、ローマ、ナポリ、カプリ、そしてイタリア』
http://www.corso-willkommen.de/index.php?id=61

カフカ文献レファレンスのご紹介

Goebel, Rolf J.:
Kafka, Contextualization, and Cultural Studies
(Journal of the Kafka Society of America 20(1/2) 1996.6/12 pp.14-18
国会図書館請求記号: Z52-E573)
http://crd.ndl.go.jp/GENERAL/servlet/detail.reference?id=1000075302

2010-11-10

『ベンジャミン・フランクリン、アメリカ人になる』

ベンジャミン・フランクリン、アメリカ人になる
ゴードン・S・ウッド 著
池田 年穂 訳
金井 光太朗 訳
肥後本 芳男 訳
A5判/上製/392頁
初版年月日:2010/09/10
ISBN:978-4-7664-1772-2
(4-7664-1772-0)
Cコード:C0023
税込価格:3,780円

■内容紹介
アメリカ建国の父、フランクリン評伝。
▼アメリカ建国の父ベンジャミン・フランクリン。その波乱に富んだ人生を、ピューリツァー賞・バンクロフト賞受賞の歴史学者ゴードン・S・ウッドが鮮やかに描き出す。
▼18 世紀、なぜ彼は実業から手を引いて紳士になったのか? また、なぜあの時期を選んで『フランクリン自伝』を書き始めたのか?
18世紀のイギリス帝国の中で典型的なジェントルマンに上りつめようと奮闘し、最終的にイギリス本国に拒絶された人物としての新しいフランクリン像を描き出す。
▼実利主義的なアメリカ人の典型としての従来のフランクリン像を否定した、米国で話題の評伝The Americanization of
Benjamin Franklin, Penguin Press, 2004 の邦訳。

■目次

 日本語版への序
 序
 謝辞

序 章
 庶民的な建国の父
 フランクリンの仮面を剥ぐ
 一八世紀に生きた歴史上のフランクリン
 多くの仮面をかぶった男

第1章 フランクリン、紳士になる
 ボストンでの幼少期
 フィラデルフィアに出奔する
 後ろ盾を得る
 一七二四年から一七二六年にかけてのロンドン滞在
 フィラデルフィアに戻る
 結婚する
 紳士と庶民
 中間層
 フリーメイソン
 公民としての活動
 フランクリン、中間層的地位に悩む
 「コウモリ紳士」
 フランクリンの富
 ついに紳士になる

第2章 フランクリン、イギリス帝国主義者となる
 フランクリンの電気実験
 公職に就くことの重要性
 フランクリンの新世界へのビジョン
 オルバニー連合案
 ペンシルヴェニアの政治
 本国へ派遣される
 富への道
 ロンドン
 デボラ
 王党派フランクリン
 フランクリン、アメリカに一時帰国する
 「余生はロンドンっ子」として

第3章 フランクリン、愛国派となる
 印紙税法
 印紙税法危機に対するフランクリンの対応
 イングランド人の尊大ぶり
 議会へのアメリカ代表派遣
 庶民院でのフランクリン審問証言
 フランクリンの新しい帝国観念
 アメリカではイギリス人らしすぎて、イギリスではアメリカ人らしすぎる
 英米双方の陰謀
 外部課税としてのタウンゼンド関税諸税
 フランクリンとフィラデルフィアに残された家族
 政府のお役に
 ヒルズバラ卿との対立関係
 『自伝』
 ハチンソン書簡事件
 枢密院議場でのさらし者
 帝国救済最後の努力

第4章 フランクリン、外交官となる
 猜疑
 個人感情に関わる問題
 情熱的な革命家
 イギリスの和平提案を拒絶
 駐フランス使節団
 アメリカ人の象徴
 使節の諸問題
 足を引っ張る同僚使節
 フランスとの同盟
 厄介な狂信者、ジョン・アダムズ
 フランクリンの外交的功績

第5章 フランクリン、アメリカ人になる
 『自伝』ふたたび
 道徳的完成に至る計画
 祖国アメリカの異邦人
 フィラデルフィアへの帰還
 合衆国憲法制定会議
 連邦議会とフランクリンの闘争
 フランクリンと奴隷制
 フランクリンの死
 フランクリンの死に対する反応
 労働の賛美
 セルフメイドのビジネスマンになる
 アメリカ国民性の神話

 訳者解説
 訳者あとがき
 参考文献
 註
 人名索引
 事項索引

【著者】
ゴードン・S・ウッド(Gordon S. Wood)
1933 年マサチューセッツ州コンコード生まれ。1955年タフツ大学を優等で卒業後、空軍将校として一時日本に駐留。帰国後、ハーヴァード大学大学院に進学し、バーナード・ベイリンのもとで歴史学の博士号を取得。ハーヴァード大学、ウィリアム・アンド・メアリー大学等で教鞭を執った後、1969年以降、ブラウン大学歴史学部アルバ・O・ウェイ講座教授。2008年に教授職を引退し、現在はブラウン大学名誉教授。1969年に刊行したThe
Creation of the American Republic, 1776-1787(The University of North
Carolina Press)でバンクロフト賞を受賞。1992年にはThe Radicalism of the American
Revolution(Vintage)を刊行し、翌年ピューリツァー賞(歴史書部門)を受賞。その他の主要著作として、The
Americanization of Benjamin Franklin(本書)、Revolutionary Characters:
What Made the Founders Different(Penguin, 2006), The Purpose of the
Past: Reflections on the Use of History (Penguin, 2008)
などがある。現代アメリカを代表する歴史家の一人。

【訳者】
池田年穂(いけだ としほ)
1950年生まれ。慶應義塾大学教授。移民論、移民文学。

金井光太朗(かない こうたろう)
1953年生まれ。東京外国語大学大学院教授。アメリカ政治史。

肥後本芳男(ひごもと よしお)
1959年生まれ。同志社大学教授。アメリカ社会文化史。

2010-11-04

『白雪姫たちの世紀末 闇の女王をめぐるヨーロッパ19世紀末の文化論』

白雪姫たちの世紀末 闇の女王をめぐるヨーロッパ19世紀末の文化論
郁文堂
原研二著
出版年月日 2010/08/01
ISBN 9784261073034
判型・ページ数 4-6・216ページ
定価 本体1,800円+税
■内容紹介
「白雪姫」をキーワードに、19世紀後半から20世紀はじめにかけてのヨーロッパの文学と文化、特にオーストリアを中心とする文化(文学・思想・絵画・音楽・建築など)を読み解きます。
各章に読書案内・解説付。写真・図版多数。
■目次
はじめに
1黒い群れの女王
コラム:受容美学
2 白雪姫と王妃
(1)王の不在
(2)本当は怖くないグリム童話
コラム:メルヒェンの構造分析と様式分析
3 白いオフィーリア
(1)ランボーとオフィーリア
(2)ミレイのオフィーリア
コラム:だまし絵
コラム:エリザベス・シッダル
(3)漱石とオフィーリア
コラム:ランスロットと、シャーロットの姫
(4)黒いオフィーリア—オフィーリアの歴史
コラム:セーヌ川の身元不明の女
4 ユーディットの微笑み
コラム:ルル
5 裏返しのピエタ
(1)ココシュカの『ピエタ』
(2)惨殺された人形 ココシュカとアルマ・マーラー・ヴェルフェル
6 ファッションの変貌
7 ウィーンのファッサーデ
8 王妃の物語 皇妃エリーザベトとウィーンの音楽
(1)エリーザベト・フォン・エスターライヒ
コラム:シシーの映画
(2)フランツ・ヨーゼフとオペレッタ
コラム:フランツ・ヨーゼフと文学
コラム:ルートヴィヒ・アンツェングルーバーとその妻
(3)アルノルト・シェーンベルクと欠けている言葉
コラム:オペラとオペレッタ
9 女性性との思想的対決
(1)解体の告知者 エルンスト・マッハ
(2)マッハ批判 フッサール
(3)女性性の克服 オットー・ヴァイニンガー
(4) ヒステリー女性への関心 ジークムント・フロイト
コラム:父親殺し
10 闇の女王を越えて
(1)闇の女王の正体
(2)闇の女王のかなた
コラム: 読書案内
あとがき

■原 研二
1951年3月8日宮城県仙台市に生まれる。1974年東北大学文学部卒業、同大学大学院に進学。1977年東北大学文学部ドイツ文学研究室助手。
1978年筑波大学現代語・現代文化学系助手。1978年‐80年ボン大学、ザールラント大学留学。1981年筑波大学現代語・現代文化学系講師。
1986年東北大学文学部ドイツ文学専攻分野助教授。1995年東北大学文学部ドイツ文学専攻分野教授。1997年東北大学大学院文学研究科ドイツ文学専攻分野教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


■評・野家啓一(科学哲学者)

誰もが知るグリム童話の「白雪姫」の物語を縦糸に、女性像の変容という観点からヨーロッパ世紀末の文化状況を読み解いた秀作である。

ムージル研究者である著者は、彼の作品に現れる「黒い群れの女王」という表現に注目する。そして、その正体を暴くための手がかりを正負両面で「女性的なもの」の象徴である白雪姫に求める。

白雪姫の残像は、『ハムレット』のオフィーリアを媒介にしてランボーの詩やミレイの絵画、さらに漱石の『草枕』にまで辿(たど)られる。こうして「文学的なテキストや絵画が孤立したものではなく、ある時代の思潮のなかにある」ことが浮き彫りにされる。

後半、舞台は世紀末ウィーンに移り、当時の建築や音楽を背景に、著者はクリムトの「ユーディット」像に「裏返しにされた白雪姫」を、また皇妃エリーザベトに「時代の白雪姫の一人」を見る。そこから「闇の女王」の正体は秩序の解体と解放への予兆であることが明らかにされる。

文学研究の面白さと奥深さを存分に伝えてくれる本書は、一昨年惜しまれつつ早世した気鋭の独文学者の遺著である。(郁文堂、1800円)
(2010年11月8日  読売新聞)

2010-10-12

松浦寿輝のカフカ論(”Eine kaiserliche Botschaft”)

2010/10/10(日)朝日新聞掲載
水野和夫(エコノミスト)書評によると、

松浦寿輝「帝国の表象」(『帝国とは何か』37-60頁)
は、カフカ『皇帝の親書』(Eine kaiserliche Botschaft)を扱っているという。

■帝国とは何か
■山内 昌之,増田 一夫,村田 雄二郎 編
■体裁=四六判・上製・カバー・278頁
■品切重版未定
■1997年2月26日
■ISBN4-00-002712-3 C0031
帝国は終わったのか,それとも姿を変えた帝国支配の始まりか-権力構造から心性まで,帝国の実相をさまざまな角度から考える.
われわれの文化と精神に痕跡を留める帝国の構造を探り,実在した帝国の勃興と衰亡に,帝国支配の現実と本質とを発見する.
現代の社会と意識の深層に横たわる「帝国」を掘り起こす,野心的論集.
■目次
作品 著者 ページ
帝国の地平 増田一夫 著 1-8
帝国の遺産 山内昌之 著 9-36
帝国の表象 松浦寿輝 著 37-60
アメリカ文学と帝国主義 柴田元幸 著 61-82
共和国の二重の身体 増田一夫 著 83-110
中国皇帝と天皇 村田雄二郎 著 111-136
遊牧のローマ帝国 本村凌二 著 137-154
多様性と開放性の帝国 鈴木董 著 155-180
帝国の幻影 石田勇治 著 181-202
帝国の残像 木畑洋一 著 203-224
民族協和の幻像 山室信一 著 225-250
帝国ふたたび 山内昌之 著 251-266

■Eine kaiserliche Botschaft
Der Kaiser - so heißt es - hat dir, dem Einzelnen, dem jämmerlichen
Untertanen, dem winzig vor der kaiserlichen Sonne in die fernste Ferne
geflüchteten Schatten, gerade dir hat der Kaiser von seinem Sterbebett
aus eine Botschaft gesendet. Den Boten hat er beim Bett niederknien
lassen und ihm die Botschaft ins Ohr geflüstert; so sehr war ihm an
ihr gelegen, daß er sich sie noch ins Ohr wiedersagen ließ. Durch
Kopfnicken hat er die Richtigkeit des Gesagten bestätigt.Und vor der
ganzen Zuschauerschaft seines Todes - alle hindernden Wände werden
niedergebrochen und auf den weit und hoch sich schwingenden
Freitreppen stehen im Ring die Großen des Reichs - vor allen diesen
hat er den Boten abgefertigt. Der Bote hat sich gleich auf den Weg
gemacht; ein kräftiger, ein unermüdlicher Mann; einmal diesen, einmal
den andern Arm vorstreckend schafft er sich Bahn durch die Menge;
findet er Widerstand, zeigt er auf die Brust, wo das Zeichen der Sonne
ist; er kommt auch leicht vorwärts, wie kein anderer. Aber die Menge
ist so groß; ihre Wohnstätten nehmen kein Ende. Öffnete sich freies
Feld, wie würde er fliegen und bald wohl hörtest du das herrliche
Schlagen seiner Fäuste an deiner Tür. Aber statt dessen, wie nutzlos
müht er sich ab; immer noch zwängt er sich durch die Gemächer des
innersten Palastes; niemals wird er sie überwinden; und gelänge ihm
dies, nichts wäre gewonnen; die Treppen hinab müßte er sich kämpfen;
und gelänge ihm dies, nichts wäre gewonnen; die Höfe wären zu
durchmessen; und nach den Höfen der zweite umschließende Palast; und
wieder Treppen und Höfe; und wieder ein Palast; und so weiter durch
Jahrtausende; und stürzte er endlich aus dem äußersten Tor - aber
niemals, niemals kann es geschehen -, liegt erst die Residenzstadt vor
ihm, die Mitte der Welt, hochgeschüttet voll ihres Bodensatzes.
Niemand dringt hier durch und gar mit der Botschaft eines Toten. - Du
aber sitzt an deinem Fenster und erträumst sie dir, wenn der Abend
kommt.

2010-09-19

本の収納 一手に引き受けます!ミニライブラリーがつくれるコンパクトブックスタンドの会

フェリシモ > クラソ > 本の収納 一手に引き受けます!ミニライブラリーがつくれるコンパクトブックスタンドの会

どんどん増える本の収納の悩みを解決してくれる、シンプル&コンパクトなブックスタンド。ミニマムスペースでも効率よく、さまざまなサイズの本やDVDをまとめてすっきり。部屋ごとにカラーで使い分けるのはもちろん、並べて置けば大きな本棚みたいな収納量に!

■素材 / スチール(粉体塗装)
■サイズ / 高さ約67cm、幅約16.5cm、奥行き約20cm 重さ約1.2kg

机上 本棚 アイアン 2段
http://www.felissimo.co.jp/kraso/v12/cfm/products_detail001.cfm?GCD=405953&GWK=3639

2010-09-09

5冊以上の古本は、お電話一本で宅配業者が無料で引き取りに伺います

「ほんがえし・プロジェクト」

「ほんがえし・プロジェクト」は、古本のリユースを通じて社会貢献を行っている株式会社バリューブックスとコラボレーションし、皆さまのご家庭に眠る古本を活用することで、ひとりひとりの子どもの可能性を最大限活かす社会を実現することを目的とした活動です。

皆さまに寄付して頂いた古本は、株式会社バリューブックスにより買い取られ、買い取り額がLearning for Allに寄付されます。

ご家庭に眠る古本で、未来を担う子どもたちが良い教育を受けられる可能性があります。効果的な学習の機会を得られない子どもたちに対して、学ぶ喜びを体験してもらう機会を作るために、古本のリユースにご協力下さい。

単行本が2000冊集まったら、こんなことができます

1. 学習困難な状況にある100人の子どもたちの学びを最大化します
2. 教育に情熱のある30人の学生に、子どもたちの学習意欲を引き出すスキルを養成します
3. 250人の子どもたちが食の大切さを学べる機会を提供します

お申し込み方法

1. 不要になった書籍と申込書(http://www.hongaeshi.jp/pdf/application.pdf)を段ボールや紙袋に詰めてください
2. 株式会社バリューブックス(0120-826-295)に電話し、「ほんがえし・プロジェクト」に申し込む旨伝えてください
3. 宅配業者が無料で集荷に参ります

※5冊以上の古本は、お電話一本で宅配業者が無料で引き取りに伺います

寄贈して頂いた書籍は、株式会社バリューブックスにより買い取られ、買い取り金額がTeach for Japan準備会Learning for
Allに寄付されます。また、買い取りのできない本は、book gift
projectにより、児童施設や老人ホーム、介護施設などに寄付されます。

連絡先
・ 電話番号:0120-826-295
・ mail:info[アットマーク]value-books.jp

詳細・お申し込み
子どもたちの未来のための「ほんがえし・プロジェクト」
http://www.hongaeshi.jp/

※「ほんがえし・プロジェクト」のリーフやポスターの掲示などにご協力いただける組織の方がいらっしゃいましたら、是非ご一報ください。本活動のリーフおよびポスターを送付させて頂きます。
http://www.learningforall.jp/lfa_support/

2010-08-16

プリンツ・オイゲン(Prinz Eugen)

プリンツ・オイゲン・フォン・サヴォア
興隆期ハプスブルク帝国を支えた男
デレック・マッケイ著
瀬原義生訳
京都 : 文理閣, 2010.5
ii, 366, 21p, 図版 [4] p ; 22cm
注記: プリンツ・オイゲンの肖像あり
プリンツ・オイゲン関係略年表: p332-333
史料・文献案内: p355-360
ISBN: 9784892596193
別タイトル: Prince Eugene of Savoy ; プリンツオイゲンフォンサヴォア
著者標目: McKay, Derek ; 瀬原, 義生(1927-)<セハラ, ヨシオ>
件名: Eugene, of Savoy, Prince of Savoy, 1663-1736

ハプスブルク家に生涯を捧げ、オーストリア帝国の全盛時代を築いた"気高い貴公子"オイゲン。彼の軍事的成功と政治的活動、芸術保護者としての業績、さらにその日常生活をもきめ細かく活写した労作の完訳。

[目次]
第1章 サヴォアの貴公子
第2章 レオポルト1世とその帝国
第3章 ハンガリーの解放
第4章 サヴォアの戦い
第5章 ゼンタの戦い
第6章 二年間の平和
第7章 スペイン継承戦争の勃発
第8章 オイゲン、帝室軍事参議会議長となる
第9章 ブリントハイム(ブレナム)の戦い
第10章 ヨーゼフ一世の帝位継承
第11章 トリーノとツーロン
第12章 南ネーデルラントの制圧
第13章 失われた平和とマルプラケの戦い
第14章 ネーデルラントにおける手詰まりとヨーゼフの死
第15章 ドゥナンの戦いとラシュタットの平和
第16章 カール六世とその大臣たち
第17章 トルコとの新しい戦争
第18章 シチリアをめぐる戦争とオイゲンに対する陰謀
第19章 ネーデルラント総督
第20章 芸術保護者としてのオイゲン
第21章 オイゲンとその友人たち
第22章 ヨーロッパの「冷たい戦争」
第23章 ウィーン第二条約とフルーリの復讐
第24章 オイゲンとオーストリアの軍隊
第25章 ポーランド継承戦争とオイゲンの死


----------------------
バロックの騎士 : プリンツ・オイゲンの冒険
飯塚信雄著
東京 : 平凡社, 1989.2
334p ; 20cm
注記: サヴォイ公子オイゲン関連年表: p326-327 ; 参考文献: p328-329
ISBN: 4582472168
件名: Eugen, Prinz von Savoyen. ; Eugène,Prince of Savoie -- Carrig
nan(1663-1736)

父ルイ14世から疎んじられて軍人を選んだオイゲン公子は、トルコの脅威からオーストリアを護った救国の英雄であり、自ら建てたウィーンのベルヴェデーレ宮殿に集まる文人たちの、パトロンでもあった。

[目次]
第1章 ルイ14世からの脱走
第2章 竜騎兵連隊長となる
第3章 トルコ軍のウィーン包囲-1683年夏
第4章 篭城する市民たち
第5章 美女オランプ
第6章 ベルグラードへ
第7章 ソワソンのお嬢さま
第8章 軍隊の組織と生態
第9章 センタの合戦
第10章 再びイタリア戦線へ
第11章 マルバラ公との友情
第12章 ベルグラードの死闘
第13章 快男児ボンヌヴァル
第14章 ベルヴェデーレ宮の建設
第15章 美しさローリ、バティアニー伯爵夫人
第16章 最後の出番
第17章 最大の敵-老衰
第18章 オイゲン伝説の誕生

2010-08-15

NHK教育:芸術劇場 − 劇場中継「変身」(原作フランツ・カフカ) −

チャンネル :教育/デジタル教育1
放送日 :2010年 8月13日(金)
放送時間 :午後11:29〜14日午前1:15(106分)
ジャンル :劇場/公演>現代劇・新劇

カフカ原作「変身」をイギリスの演出家、スティーブン・バーコフが緻密に演出した舞台。40年間、世界の様々なアーティストが演じた主人公に森山未來が挑み、熱演した。

【原作】フランツ・カフカ
【演出】スティーブン・バーコフ
【出演】森山未來,穂のか,福井貴一,丸尾丸一郎,久世星佳,永島敏行

番組HP
http://www.nhk.or.jp/art/

NHKオンデマンド:見逃し番組サービスで視聴する(有料)
https://www.nhk-ondemand.jp/

2010-08-12

鳥影社『ローベルト・ヴァルザー作品集』全5巻(新本史斉/若林 恵/F・ヒンターエーダー=エムデ訳)

私は誰も私にならないことを願う。
私だけが、私自身に耐えられる。
多くを知り、たくさんのことを見、何も言わない、ただそれだけである。

第1巻 タンナー兄弟姉妹(新本史斉訳)

2010年7月、第1巻刊行
サイズ 四六判 ページ 381P
ISBN 9784862652515 (4862652514) C-CODE 0097

今日のヨーロッパ文学において古典的存在とされるスイスの散文作家、ローベルト・ヴァルザーの長編小説と散文小品を集成。1には、「タンナー兄弟姉妹」を収録。
生きるということに特別な意味を付与しない主人公ジーモン——自分の生を「ただただ生きる」ことで、彼は手に触れるように世界を感じるのである。

吉田孝夫「ローベルト・ヴァルザーの二次性の文学」 京都大学大学院課程博士論文 2000
http://opac.ndl.go.jp/recordid/000000352249/jpn

新本史斉:「母の言葉」の喪失から生まれる「微笑む言葉」、「舞い落ちる」散文--ローベルト・ヴァルザーの小説『タンナ--兄弟姉妹』をその前史から読む
津田塾大学紀要 (42), 135-163, 2010-03


第2巻 助手
第3巻 ヤコプ・フォン・グンテン
第4巻 ベルリン時代、ビール時代の散文作品(『散歩』他)
第5巻 ベルン時代の散文作品と遺稿(『盗賊』他)

2010年8月28日(土)から9月25日(土)まで『オマージュ種村季弘展』

前半:種村季弘とマニエリスム幻想(仮称)
後半:大衆への回帰と晩年(仮称)

■アクセス
東京メトロ有楽町線 銀座一丁目駅2番出口より徒歩1分
〒104-0061 東京都中央区銀座2-2-18 西欧ビル1F
電話: 03-5524-3060
スパンアートギャラリー
http://www.span-art.co.jp/

http://maps.google.com/maps?f=q&source=s_q&hl=en&geocode=&q=%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E9%83%BD%E4%B8%AD%E5%A4%AE%E5%8C%BA%E9%8A%80%E5%BA%A72-2-18&sll=35.339354,139.44706&sspn=0.072396,0.154324&ie=UTF8&hq=&hnear=Japan,+T%C5%8Dky%C5%8D+Metropolis+Ch%C5%AB%C5%8D+Ward%E9%8A%80%E5%BA%A7%EF%BC%92%E4%B8%81%E7%9B%AE%EF%BC%92%E2%88%92%EF%BC%91%EF%BC%98&z=16

■開館時間
11:00から19:00まで
日曜・祝祭日休館

  今展は独文学者の故種村季弘氏の業績を原稿や書簡などの
  遺品と、縁のあるアーティストの作品で振り返る内容と
  なるそうです。先日ご子息で画廊オーナーである品麻氏が
  「黒き血の宴」にお越し下さったのですが、準備がとても
                  大変だと仰っておられました。準備の大変さに比して
                  素晴らしい展覧会になると思われますので、ぜひご高覧
                  下さいませ。

2010-08-11

西村清和『イメージの修辞学 ことばと形象の交叉』

単行本: 542ページ
出版社: 三元社 (2009/11)
ISBN-10: 488303254X
ISBN-13: 978-4883032549
発売日: 2009/11
商品の寸法: 21 x 15.6 x 3.8 cm

■内容紹介
「読むこと」そして「見ること」で得られるイメージの相違と連関についての議論は古代より続き、いまも多彩な主張が乱立している。それらを精査し、「読書とイメージ」「視覚的隠喩」「小説の映画化」「"物語る絵"のナラトロジー」「小説と挿絵」の五つの視点から、ことばと形象の交叉がもたらす経験とその歴史的変遷を、多くの実例をひきながら問いなおす。

http://djfumiya-in-the-mix.blogspot.com/2010/03/blog-post_1057.html
http://franzkafka1883-1924.blog.so-net.ne.jp/2010-03-29

■目次
序 7
第�部 ことばとイメージ

第1章 読書とイメージ 12

1 観念とイメージ 12
   イメージ化の読み/12 近代認識論における「イメージ」/14
   詩と絵画のパラゴーネ/16 詩の絵画的描写/18 バーク/22 レッシング/25
2 知覚とイメージ 27
   ウィトゲンシュタイン/27 イメージと知識/28 イメージと知覚/31
3 意味とイメージ 34
   意味の規格型と素性/35 イメージ価と「概念的——ペグ」/37
4 読書とイメージ 39
   サルトル/40 イメージの「効果」/42 ホメーロスの描写/45

第二章 視覚的隠喩は可能か  48

1 転義とモデル 48
   隠喩の代置理論、比較理論/49 隠喩の相互作用理論/50
2 隠喩と類比 53
   認識論的隠喩論/53 類比による世界認識/55
3 隠喩と象徴 57
   記号論的隠喩論/57 隠喩的例示/58 暗示と象徴/61
4 隠喩の述語限定理論 64
   一時的な言語ルール/64 アスペクトの認知/66 述語限定理論/68
5 隠喩と直喩 71
   比較と同定の陳述文/72 恣意的直喩/74 隠喩の「含み」/76
6 隠喩とイメージ 78
   隠喩のイコン性/78 非言語的隠喩/80
7 絵画的隠喩 83
   視覚的ジョークとカリカチュア/83 視覚的駄洒落/86
   合成イメージ/89 広告の発話/92
8 映画的隠喩 95
   隠喩的モンタージュ/96 映画的文彩/98 説話外的なイメージ/101

第三章 詩と絵画のパラゴーネ 104

1 ことばの優位 104
   エクフラシス/104 パラゴーネ/105
2 イメージの形而上学と解釈学 107
   イコノグラフィーとイコノロジー/107 ベーム「イメージの解釈学」/108
   ベッチマン「美術史解釈学」/111 イムダール「イコニーク」/113
3 「露出した意味」 115
   バルト「逐字的メッセージ」/116
4 知覚経験と名指し 118
   ブライソン「図像的なもの」/118 構文的な絵画/121 心理学的唯名論/124
5 視像の情熱、形態の欲望 126
   位相化/127 言語のテクスチュアと絵画のテクスチュア/128
第�部 小説の映画化

第四章 物語と描写 132

1 描写の位置 132
   映画化への欲望と批判/132 補助的言説としての描写/135
   描写の近代とリアリズム/137
2 テクスト・タイプと「奉仕」関係 139
   「物語に奉仕する描写」・「描写に奉仕する物語」/140
3 意味の統辞法、知覚の統辞法 142
   明示的な描写/143 モンタージュ——知覚の統辞法/145 描写の物語/147
4 描写の物語 149
   心的イメージと知覚映像/149 小説の描写/151
   映画の描写/152 「効果」の対比と異同/154

第五章 語りのモード 156

1 語りの「態」 156
   物語言説と物語内容/156 「不可視の観察者」と語り手/158
2 語りの「視点」 161
   〈背後から〉の視点/162 〈ともにある〉視点/165 内面のリアリズム/168
   〈情況〉の視点/173 〈外部から〉の視点/177 物語の叙法のパターン/178
3 映画における語りの視点 180
      1.〈全知〉の視点、〈情況〉の視点/181
      2.〈ともにある〉視点/185 ● 三人称と一人称/188 ● 「一人称映画」/190
      3.〈外部から〉の視点/191 語りの視点の混合と移行/193
第�部 「物語る絵」のナラトロジー

第六章 「物語る絵」の叙法 196

1 絵画の「物語」 196
   タブローという装置/196 絵画のナラトロジー/200
2 物語言説のメディア——中世の「物語る絵」 202
   ミニアチュール/202 ビザンチンの壁画/205
   ステンドグラス/207 聖なるテクストの優位/210
3 エクフラシスの修辞学 211
   絵解きとしてのエクフラシス/211 ゼウクシス的イリュージョニズム/213
   イコン的イリュージョニズム/215 超越的な〈全知〉の視点/217
4 描かれた世界の自立 220
   ジョットの革新/220 「含蓄ある瞬間」/223
   ヒューマニストのエクフラシス/225 アルベルティの「構図」と遠近法/227
   ヴァザーリの美的なエクフラシス/228
5 指示者のモチーフ 230
   超越論的〈全知〉の視点/230 修辞的イリュージョニズム/232
   美的イリュージョニズム/234 「劇的クロース・アップ」/236
6 画中の代理人——「母と子」と「後ろむき」のモチーフ 239
   奥行き方向の劇的緊張/239 「母と子」のモチーフ/242
   「後ろむき」のモチーフ/245
7 美的イリュージョニズム 248
   描写的リアリズム/248 ディドロの美的なエクフラシス/251
   美術カタログ/255 イメージに奉仕することば/257
8 「没入」のモチーフ 259
   〈情況〉の視点と絵画的描写のリアリズム/259
   没入のモチーフと内面性/262 「演劇的」と「タブロー」/265
9 仮象論の逆説と〈ともにある〉視点 269
   観者の現前と不在のパラドックス/269 観者の美的な存在情況/271
   肉眼の「視角」と語りの「視点」/273 物語る絵の〈ともにある〉視点/276
   交叉する視線のドラマ/280
10 情況のタブロー 282
   メロドラマ/282 明暗法——光の遠近法/284 物語る絵の叙法のパターン/286
      1.超越的〈全知〉の視点/287
      2.超越論的〈全知〉の視点/287
      3.〈ともにある〉視点、〈情況〉の視点/288

第七章 近代絵画における語りの視点 290

1 小説と絵画の遠近法 290
   ケンプの受容美学/290 「観者の位置」に自覚的な構成/290
   「多重遠近法的」な構成/292 小説と絵画のパラレリズム/294
2 目撃者の「視角」と語りの「視点」 299
   語りの「態」と「叙法」/299 目撃者と「内包された読者」/300
   カメラマンと映画監督と画家/305
   指示者のモチーフ、後ろむきのモチーフ/306
3 〈ともにある〉視点の画面構成 309
   エッグ《過去と現在》/309 クリンガー《母》/312 スケッチの美学/314
第�部 小説と挿絵

第八章 近代小説と挿絵 318

1 挿絵の歴史 318
   十五世紀/319 十六世紀/320 十七世紀/321 十八世紀/323 グラヴロー/327
2 形象のディスクール——グラヴロー 330
   ルソー『新エロイーズ』挿絵/330 挿絵の記号論的分析——バシィ/333
   語りの光源・サン=プルー/336 読者の反応——ラブロスの分析/338
3 私的な情感——コドウィエツキーとストザード 340
   コドウィエツキー/340 ストザード/343
4 近代的叙法の成熟 346
   ターナー——廃墟・ゴシック・ピクチャレスク/346
   ビュイックとクルックシャンク——ビネット/348
   小説の挿絵と舞台のタブロー/351 挿絵の映画的手法/352
   ラファエル前派/355 内省の挿絵に対する批判/357

第九章 明治期小説の「改良」と挿絵 361

1 小説の「改良」 361
   坪内逍遙『小説神髄』/362 内面のリアリズムと文体/365
   制度としての漢文体/368
2 『当世書生気質』 370
   新味と限界/370 二葉亭四迷『浮雲』/374
3 言文一致運動 377
   語尾と待遇感情/377 「である」体の採用/379
4 逍遙以後の小説 381
   「人間派」と「没理想」/381 西洋近代叙法の例外的さきがけ/383
   「自叙躰」の流行/385 三人称〈ともにある〉視点の確立/390
5 日本における「物語る絵」 393
   絵巻の文法/393 江戸の戯作本/396 洋風画/398
6 戯作下絵から小説挿絵へ 400
   来日画家の影響/401 洋風挿絵受容の限界/404 新聞小説と挿絵/407
   浮世絵系挿絵/409 容斎派の画家たち/412 洋画家たちの参入/413
7 小坂象堂と自然主義 415
   日本画の自然主義/415 无声会/419
8 梶田半古と新風 422
   烏合会/422 梶田半古の日本画/424 富岡永洗と梶田半古/426
   右田年英と松本洗耳/429 新旧挿絵の混在/431 梶田半古とアール・ヌーボー/433
9 鏑木清方の小説経験 437
   西洋画の翻案/438 情況のタブローと〈ともにある〉視点/441

註 445
あとがき 509

事項索引 1
人名索引 7
参考文献 13
■西村 清和
1948年京都府生まれ。東京大学文学部美学芸術学科卒業、同大学院修了。東京大学大学院人文社会系研究科教授。著書—『遊びの現象学』(勁草書房、サントリー学芸賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

2010-08-03

日本語-チェコ語 チェコ語-日本語の両引き辞典

<国際語学社>
『簡明日本語−チェコ語 チェコ語−日本語辞典』 阿部 昇吉 編著
税込価格 : \3675 (本体 : \3500)
著者 阿部 昇吉 編著
ジャンル 諸外国語 > ロシアと近隣諸国の言葉 > チェコ語
シリーズ 簡明辞典
出版年月日 2010/07/29
ISBN 9784877315221
判型・ページ数 B6・304ページ
定価 本体3,500円+税

■内容紹介
簡明シリーズ第五段!日本語-チェコ語 チェコ語-日本語の両引き辞典。
 1万1,000語収録の「簡明辞典」シリーズ第五弾は、チェコ語です。チェコは九割がチェコ人の占めるスラヴ系民族の国家。
 チェコ語はもちろん、ロシア語にも精通した著者が送る渾身の一冊です。チェコ語勉学者のバイブルとなること間違いありません。


■目次
1.著者前書き
2.表記について
3.チェコ共和国国歌
4.チェコ語の基本会話
5.チェコ語アルファベット一覧
6.日本語引き
7.チェコ語引き
8.四季、月、曜日、数字一覧
9.写真で綴るチェコ

2010-08-02

オドラデクに関する日本語名エッセイ 澁澤龍彦『思考の紋章学』所収

思考の紋章学-7-オドラデク
『文芸』 15(4), p156-165, 1976-04

和図書 1−6(6件)

1. 思考の紋章学 / 澁澤龍彦. -- 新装新版. -- 河出書房新社, 2007.3. -- (河出文庫)
2. 渋沢竜彦全集. 14. -- 河出書房新社, 1994.7
3. 思考の紋章学 / 渋沢竜彦. -- 白水社, 1988.5. -- (新編ビブリオテカ渋沢竜彦)
4. 思考の紋章学 / 渋沢竜彦. -- 河出書房新社, 1985.10. -- (河出文庫)
5. ビブリオテカ渋沢龍彦. 6 / 渋沢龍彦. -- 白水社, 1980.3
6. 思考の紋章学 / 渋沢龍彦. -- 河出書房新社, 1977.5

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オドラデク跳梁--ドラコニアの1960年代 (渋沢竜彦<特集>)
高山 宏
ユリイカ 20(7), p123-135, 1988-06

異端の日本学の系譜--「しろうるり」とオドラデク (渋沢竜彦--幻想のミソロジ-<特集>) -- (批評・渋沢竜彦のビブリオテカ)
野口 武彦
国文学 解釈と教材の研究 32(8), 60-67, 1987-07

2010-07-28

暗がりのあかり——チェコ写真の現在展

主催:
株式会社 資生堂
会期:
2010年6月19日(土)~8月8日(日)
会場:
資生堂ギャラリー
〒104-0061
東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル地下1階
Tel:03-3572-3901 Fax:03-3572-3951
平日 11:00~19:00 日曜・祝日 11:00~18:00 毎週月曜休 入場無料
*7月19日は祝日ですが休館いたします
後援:
チェコ共和国大使館
Czech Centre Tokyo

チェコ共和国の首都プラハは、スラブ文化圏における芸術文化の中心的役割を担ってきました。1910年代末よりダイナミックな前衛芸術運動が展開され、チェコ・アヴァンギャルドがおこるなど、中欧のみならずEU、ロシア等、他地域へも多大な影響を与えています。また近年では、日本でもブックデザインや絵本、アニメーション映画をはじめとするチェコの独特な芸術文化への人気が高まっています。
本展では、その芸術文化の一翼を担う写真表現に焦点をあわせ、現代のチェコを代表する下記の10名の写真家を紹介します。
ウラジミール・ビルグス、 ヴァーツラフ・イラセック、 アントニーン・クラトフヴィール、
ミハル・マツクー、 ディタ・ペペ、 イヴァン・ピンカヴァ、 ルド・プレコップ、トノ・スタノ、
インドジヒ・シュトライト、テレザ・ヴルチュコヴァー

写真の創成期より連綿と続く伝統と歴史を継承し、新たな表現を開拓し続けてきたチェコ写真の現在を、ポートレート、風景、フォトモンタージュ、ドキュメンタリーなど多岐に渡る彼らの作品を通して紹介します。

1830年代半ばの写真登場直後より、チェコ・スロバキアにも写真技術は伝わり、当時から多くの写真家たちが活躍していました。そして1990年以降、写真が芸術表現の手法として用いられるようになるとともに、同国からフランティシェク・ドルティコル、ヨゼフ・スデック、ヤン・サウデック、ヨゼフ・コーデルカなど、多くの重要な写真家が輩出されてきました。1991年のソビエト連邦解体から自由化を経て、旧共産圏の芸術文化が一挙に世界中へ広まりましたが、チェコの写真表現もその潮流にのり、欧米をはじめとする西側諸国へと広く知れ渡ることとなりました。そして1998年から99年にかけて、バルセロナ、パリ、ローザンヌ、プラハ、ミュンヘンの5都市で「モダンビューティー:チェコ・アヴァンギャルド写真1918-1948」展が開催され、チェコの写真芸術を世界的に認知させることとなりました。また2005年には、プラハ工芸美術館とプラハ市ギャラリーの2館を会場に、「チェコ20世紀写真展」が開催されました。同展は、チェコ国内で初めて20世紀におけるチェコ写真の歴史と発展を紹介するという趣旨のもと、400人以上のチェコ・スロバキア人写真家による作品約1300点が出品され、その後2009年にドイツ・ボンの国立芸術展覧会ホールへも巡回しています。

本展は、その独特な表現と作品水準の高さで世界的に注目を集めるチェコ写真の現在を紹介する、日本初の展覧会となります。モノクローム写真を主流として独自の発展を続けてきたチェコ写真を現在最も注目を集める10名の写真家の作品約50点を通してお楽しみください。

ウラジミール・ビルグス
Vladimír Birgus
1954年 チェコ共和国フリーデク=ミーステク生まれ
都市風景や人々を題材に構成的な作品を撮る。写真家としてのほか、教育者、写真研究家としても活躍
ヴァーツラフ・イラセック
Václav Jirásek
1965年 チェコ共和国カルヴィナー生まれ
ポートレートや風景に荒廃、死といった耽美的イメージを重ね合せ、それらが引き起こす人間の反応を表現
アントニーン・クラトフヴィール
Antonín Kratochvíl
1947年 チェコ共和国ロヴォシッチェ生まれ
ポートレートとドキュメンタリー写真の領域で活躍、ドラマチックなルポルタージュで世界的名声を獲得
ミハル・マツクー
Michal Macků
1963年 チェコ共和国ブルンタール生まれ
アイデンティティの喪失と破壊をテーマに、独自の技法による"Gellage"シリーズを制作
ディタ・ペペ
Dita Pepe
1973年 チェコ共和国オストラヴァ生まれ
現代社会における多様な女性たちをテーマに、自身がその対象に扮する「Self-portraits」シリーズを制作
イヴァン・ピンカヴァ
Ivan Pinkava
1961年 チェコ共和国ナーホト生まれ
神話や古典、中世の巨匠による絵画作品からのインスピレーションをもとに聖書を題材にした作品を制作
ルド・プレコップ
Rudo Prekop
1959年 スロバキア共和国コシツェ生まれ
ステージド・フォトグラフィの領域において紙の断片や鏡の破片などを用いるなど、独創的な作品を制作
トノ・スタノ
Tono Stano
1960年 スロバキア共和国ズラテー・モラフツェ生まれ
女性の身体をモチーフに、独創的で洗練されたモノクローム写真を制作
インドジヒ・シュトライト
Jindřich Štreit
1946年 チェコ共和国フセチーン生まれ
世界的に活躍するドキュメンタリー写真家。世界各地を廻り、素朴な人間の存在と美しさをテーマに撮影
テレザ・ヴルチュコヴァー
Tereza Vlčková
1983年 チェコ共和国フセチーン生まれ
少女をモデルに、場所・時代が漠然とした、神話や寓話を思わせる神秘的なイメージの作品を制作

朝日新聞夕刊評(2010年7月28日)
『チェコの空気ムンムン「暗がりのあかり」 銀座で写真展』

グローバル化が進んでも、美術作品にはその国の空気を感じさせるものがある。東京・銀座の資生堂ギャラリーで開催中の「暗がりのあかり――チェコ写真の現在展」は、チェコの空気に満ちた展覧会だ。同国の写真表現の全体像を紹介しようと、20~60代の幅広い年代から10人を選び、49点を展示。分野別に壁に並べた。

 ドキュメンタリー写真では、インドジヒ・シュトライトが近代化で失われつつあるチェコの田舎暮らしを、アントニーン・クラトフビールが戦争や民族対立に揺れる中東欧を撮る。

 ヌード写真の分野で、トノ・スタノはポーズを取ったモデルの裸を写す。「センス」(1992年)では女性の身体が官能的な一本の曲線に。ミハル・マツクーは、写真上で自分の裸体を引き裂く。モノクロームの作品の中には、耽美(たんび)的だったり、不穏や疎外を感じさせたりするものが多い。

 テレザ・ブルチェコバーのカラー写真も不気味だ。作品には双子の少女が並んで写るが、中にはデジタルで合成した偽の双子もいるという。

 チェコの人口は日本の10分の1以下。だが、担当した資生堂の井関悠学芸員は「写真家の層は厚い。伝統と歴史を尊重した上で自分のスタイルを追求している」と話す。

 首都プラハは、スラブ文化圏の芸術の中心地の一つ。重々しくて濃密なチェコの空気を感じることができる写真展だ。(西田健作)

『デクステリティ 巧みさとその発達』

ニコライ A.ベルンシュタイン 著
工藤和俊 訳
佐々木正人 監訳

A5判並製 ● 320頁
定価4,410円(本体4,200円+税)
2003年7月15日発行
ISBN 978-4-7608-2821-0 ● C3011

紹介
運動はどのようにして環境に出会うのか。本書は,現在,生態心理学,運動研究,認知科学の最先端で,運動のアフォーダンスとして注目を集める「デクステリティ」の7論考。
一度も書かれたことのない人間の運動に関する本

目次

 日本語版への序文   マイケル・ターヴェイ

 著者まえがき

第�章 巧みさ(デクステリティ)とは何か
  科学戦隊の偵察と戦闘
  心理物理学的能力
  巧みさ(デクステリティ)——勝利者
  巧みさ(デクステリティ)の値打ちが高いわか
  巧みさ(デクステリティ)とは何か
第�章 運動制御について
  人間の運動器官における動きの多様性
  舌と眼の動きについて
  運動制御はなぜ難しいか
  自由度二および三とは何か?
  冗長な自由度をどのように克服するか
  筋の弾性による問題
  運動の協応とは何か?
  筋 ‐ 間接感覚とその補助
第�章 動作の起源について
  大いなる生物の競争
  尺度と配役
  生命と興奮性の出現
  神経系の創成
  体の口側は、いかにして頭側になったか
  防御? それとも攻撃?
  横紋筋を使いこなす
  横紋筋の弱点
  袋小路の節足動物
  脊椎動物の進化
  感覚による調整
  体肢の発達
  豊かになる動作
  爬虫類王国の全盛
  覇権争い
  鳥類が到達した運動
  錘体路系はいかにして錘体外路系を呑み込んだか
第�章 動作の構築について
  ゼウスと人間についての神話
  脳の摩天楼
  生理的早産の赤ん坊
  新しい課題と脳の発達
  豊かになる感覚的印象
  動作のリストと背景レベル
  脊髄の引き金機構
第�章 動作機構のレベル
  緊張(トーン)のレベル——レベルA
  筋 ‐ 関節リンクのレベル——レベルB
    レベルBの構造
    レベルBの機能
  空間のレベル——レベルC
    レベルCの構造
    空間場とは何か?
    レベルCに属する運動の特性
    空間レベルの動作
  行為のレベル——レベルD
    行為とは何か
    主な特徴
    調整と自動化
  巧みさの種類について
  行為のタイプ
  子供の運動形成
第�章 練習と運動スキル
  運動スキルについての誤った考え
  練習可能性はどのようにして発現するか
  運動スキルとは何か
  運動スキルの構築
    先導レベルと運動の構成
    調整の同定と分配
    背景調整の割りあて
    動作の自動化
    背景調整の調和を奏でる
    標準化
    安定化
第�章 巧みさ(デクステリティ)とその特徴
  巧みさ(デクステリティ)についてすでに分かっていること
  どこでどのように巧みさ(デクステリティ)は現れるのか
  巧みさ(デクステリティ)には何ができるのか
  巧みさ(デクステリティ)の仕事ぶり
  巧みさ(デクステリティ)の核心
  巧みさ(デクステリティ)の先見性
  巧みさ(デクステリティ)と美しさ
  巧みさ(デクステリティ)はどのように発達するか


 著者あとがき
 主要語句解説   工藤和俊
 [解題]運動はどのようにして環境に出会うのか
      —ベルンシュタインの三つの発見  佐々木正人
 訳者あとがき   工藤和俊
 人名索引
 事項索引


著者について
「本書が書かれたのは、約半世紀前。ソビエト社会主義共和国連邦をスターリンが統治していた時代だ」(訳者あとがき)

ベルンシュタインが一般向けの科学書としての本書を執筆していたころ、ベルンシュタインは気鋭の生理学者だった。1947年には『動作の構築について』という本を出版し、「動作障害の治療に携わる外科医たち」から高い評価を得たことで、スターリン賞という国家的な賞を受けた。
ところが、ベルンシュタインがパブロフの条件反射説を批判したこと、ソ連国内に反ユダヤ主義の風潮広がっていたことが重なり、ユダヤ人であったベルンシュタインは「パブロフを貶める非国民的研究者として共産党の機関誌「プラウダ」誌上で公然と批判される」ようになってしまう。
ベルンシュタインは、職を失い、出版は取りやめになってしまった。
歳月が流れ、忘れられた原稿がとうとう発見されたとき、ベルンシュタインが亡くなってから20年が過ぎていた。
ゴルバチョフ政権下、ベルンシュタインの業績は再評価され、1991年には本書(原書)が出版され、1996年には英訳版が出版された。この日本語版は英語版がベースになっている。

『ヴィジュアル・リーディング 西洋中世におけるテクストとパラテクスト VISUAL READING: Text and Paratext in the Middle Ages』

松田隆美:著
発行:ありな書房
A5判 256ページ 上製
定価:4,800円+税 総額を計算する
ISBN978-4-7566-1014-0 C0070
奥付の初版発行年月:2010年07月 書店発売日:2010年07月14日

■紹介

テクストとイメージが織りなすアートフルな宇宙が広がる、中世ヨーロッパの彩色写本。各種挿絵入り本を対象に、挿絵を中心としたパラテクストの機能をテクストとの関連において分析し、中世後期の読書文化を考察する。

西洋中世の書物の大半は絵入りである。特に、写本から印刷本への移行期に当たる15−16世紀には、写本、印刷本を問わず多くの挿絵入り本が制作されて広範な読書層を獲得した。工房生産の時祷書写本、木版画による挿絵を多用して印刷された時祷書、「羊飼いの暦」として知られる実用的教訓書などはその代表例である。これらの書物は、挿絵とテクストとのあいだにダイナミックな相関性を作り上げ、読者層の実用的だが限定的なリテラシーを想定して、読者に書物を視覚的に読むことをうながしている。

■目次
序章 中世写本のイメージとテクスト
1 教会によるイメージの擁護
2 中世写本の挿絵の類型
3 コンピラティオとミセラニー性
4 西洋中世の書物生産と流通
第一章 時祷書のテクストとパラテクスト
1 書物としての時祷書
2 時祷書の利用の実際
3 時祷書の基本的構成
4 時祷書の制作と書籍工房
5 活版印刷による時祷書
6 時祷書の用途の多様化
第二章 時祷書の変容−典礼書から教訓書へ
1 周縁部のイメージ
2 予型論の物語絵シリーズ
3 暦の中世的宇宙
4 「人生における諸時期」
5 時祷書の暦と「人生の十二時期」
第三章 「羊飼いの暦」と中世的宇宙
1 羊飼いの知恵と心身の「健康」
2 「羊飼いの暦」と時祷書
第四章 「専門の読み手」とミセラニー写本
1 アマチュア絵師の仕事
2 北イングランドの宗教文学ミセラニー写本
3 解釈のユニットとしてのコンピラティオ
終章 中世の書物のポピュラリティ

あとがき
主要参考文献
索引

■著者
松田隆美(マツダタカミ)
慶応大学文学部教授 イギリス・ルネサンス文学 書物文化史

上記内容は本書刊行時のものです。

2010-06-22

『闘う小説家バルザック』

闘う小説家バルザック
芳川泰久
ISBN4-7967-0219-9
1999年5月
2800円
四六判上製304頁
エディション: 単行本
出版社: せりか書房
出版日: 1999/05
ISBN-10: 4796702199
ISBN-13: 978-4796702195

19世紀初めパリのパサージュを通行する群衆の中に小説の登場人物と読者を発見し、彼らの欲望が織りなす近代社会の縮図を全く新しい知的パラダイムのもとに描いたバルザックの創造の秘密に迫る

バルザックは、現代的なジャーナリズムや出版業界の勃興(ぼっこう)期に身を置き、小説家という新たな「職業」を生きた人間だった。評伝ではなく、出版・パリ・解剖学・三角測量など、核となるテーマや想像力の根源から解明する手法が新鮮。

折しも二百年生誕を機に、日本で五月二十日の誕生日にあわせたかのように、芳川泰久『闘う小説家バルザック』(せりか書房)、石井晴一『バルザックの世界』の二著が出、鹿島茂・山田登世子編バルザック『人間喜劇』コレクション(藤原書店)の第一回『ペール・ゴリオ』の新訳も出た。さらに大矢タカヤス編になるバルザック『人間喜劇』全作品あらすじもその別巻として刊行された。まことににぎわしいバルザックの復権の様である。


目次

1830年〈パリもの〉の誕生
私生活の発見
小説のパサージュ
両性具有—sexualit´eの顕現
「動物」はいかに分類線を横断するか
遠征—異種との遭遇
解剖小説家
活字鋳造・植字・組版
地上を天上に折り畳む論理
〔ほか〕

2010-06-21

2010年6/20(日)に掲載された書評

■カフカ Classics in Comics
ヴィレッジブックス 西岡兄妹、フランツ・カフカ著 池内紀訳 価格:¥1,365
評 中条省平(学習院大学教授)
■カフカ自撰小品集
みすず書房 フランツ・カフカ著 吉田太郎訳 価格:¥2,940
評 中条省平(学習院大学教授)

T・G・マサリク『ロシアとヨーロッパ ロシアにおける精神潮流の研究 』

ロシアとヨーロッパ—ロシアにおける精神潮流の研究 (1)
ISBN4-915730-34-4 C0022
A5判上製376頁
定価5040円(本体4800円+税)
2002.10

チェコの思想家T・G・マサリク(1850-1937)はロシア研究家としても名高く、そのロシア研究の集大成が本書である。この著作は、ロシア精神史研究の古典として知られ、各国語に訳されており、邦訳も、第1、2巻については、かつてみすず書房から『ロシア思想史』の題名で出されている(現在は絶版)。今回の邦訳は、まだ日本語に訳されていない第3巻を含めた全3巻を、プラハのマサリク研究所が厳密な校訂を経て刊行したチェコ語版(1995-6
年)から訳したものである。

第1部「ロシアの歴史哲学と宗教哲学の諸問題」では、ロシア精神を理解するための前提として、ロシア国家の起源から第一次革命に至るまでのロシア史を概観する。第2部「ロシアの歴史哲学と宗教哲学の概略」では、チャアダーエフからゲルツェンまでの思想家たちを検討する。

* 目次

+ はしがき
+ 序 ロシアとヨーロッパ——ロシアの僧侶
1. ロシアの歴史哲学と宗教哲学の諸問題
1. 「聖なるルーシ」——第三のローマとしてのモスクワ
2. ピョートルの改革。ロシアとヨーロッパの結合
3.
フランス革命後の神権政治的反動と、セヴァストーポリに臨んでのその敗北。政治的、哲学的革命の始まり。(エカテリーナ二世——ニコライ一世)
4. 一八六一年の農奴解放と行政改革
5.
束の間の自由主義の後の、ニコライ体制の復活と継続。——テロリズム的ゲリラ革命の発展と、その犠牲者としてのアレクサンドル二世。——強化された神権政治的反動とその反テロリズム。日本との戦争における神権政治的反動の敗北
6. 最初の大衆革命と憲法の始まり。反革命
7. ロシアの歴史哲学と宗教哲学の諸問題(総括)
8. ロシア研究のための文献
2. ロシアの歴史哲学と宗教哲学の概略
1.

9. P・J・チャアダーエフ。正教の神権政治に対するカトリックの神権政治
10. スラヴ主義。正教の神権政治のメシアニズム。スラヴ主義と汎スラヴ主義
11. 西欧主義。V・G・ベリンスキー
12. 西欧主義とスラヴ主義との統合。アポロン・グリゴーリエフ
13. アレクサンドル・ゲルツェン。哲学的、政治的急進主義
+ 訳者あとがき
+ 人名索引


ロシアとヨーロッパ—ロシアにおける精神潮流の研究 (2)
# 単行本: 508ページ
# 出版社: 成文社 (2004/06)
# ISBN-10: 4915730352
# ISBN-13: 978-4915730351
# 発売日: 2004/06
# 商品の寸法: 21.2 x 15.6 x 3.8 cm

ISBN4-915730-35-2 C0022
A5判上製512頁
定価7245円(本体6900円+税)
2004.06

チェコの思想家T・G・マサリク(1850-1937)はロシア研究家としても名高く、そのロシア研究の集大成が本書である。この著作は、ロシア精神史研究の古典として知られ、各国語に訳されており、邦訳も、第1、2巻については、かつてみすず書房から『ロシア思想史』の題名で出されている(現在は絶版)。今回の邦訳は、まだ日本語に訳されていない第3巻を含めた全3巻を、プラハのマサリク研究所が厳密な校訂を経て刊行したチェコ語版(1995-6
年)から訳したものである。

第2部「ロシアの歴史哲学と宗教哲学の概略」(続き)では、バクーニンからミハイローフスキーまでの思想家たち、反動家たち、より新しい思想潮流を検討する。第3部第1編「神権政治対民主主義」では、西欧哲学と比較したロシア哲学の特徴を析出し、ロシアの歴史哲学的分析を行う。

* 目次

2. ロシアの歴史哲学と宗教哲学の概略(続き)
2.

14. M・A・バクーニン。革命的アナーキズム
15. リアリズムとニヒリズム。チェルヌィシェフスキーとドブロリューボフ、ピーサレフ
3.

16. ラヴローフとミハイローフスキー。いわゆる社会学的な主観主義者
4.

17. 公的な神権政治の理論家たち——カトコーフ、ポベドノースツェフ、レオーンチエフ
18. ウラヂーミル・ソロヴィヨーフ——神秘主義としての宗教
5.

19.
現代の社会主義——マルクス主義と社会民主主義。マルクス主義とナロードニキ主義。マルクス主義における危機。宗教問題——社会革命党
20. 現代のアナーキズム——P・クロポトキン。アナーキズムと社会主義
21. 自由主義
22. 革命主義の危機によせて——宗教問題
3.

1. 神権政治対民主主義——革命の問題
23. ロシア哲学における認識論の問題
24. ロシア哲学の宗教問題
25. 神権政治対民主主義
26. 民主主義と革命
27. 聖なるルーシ——ロシアの修道僧とフォイエルバッハ
+ 人名索引


ロシアとヨーロッパ—ロシアにおける精神潮流の研究 (3)
# 単行本: 474ページ
# 出版社: 成文社 (2005/09)
# ISBN-10: 4915730360
# ISBN-13: 978-4915730368
# 発売日: 2005/09
# 商品の寸法: 21 x 15.4 x 3 cm

ISBN4-915730-36-0 C0022
A5判上製480頁
定価6720円(本体6400円+税)
2005.08

チェコの思想家T・G・マサリク(1850-1937)はロシア研究家としても名高く、そのロシア研究の集大成が本書である。この著作は、ロシア精神史研究の古典として知られ、各国語に訳されており、邦訳も、第1、2巻については、かつてみすず書房から『ロシア思想史』の題名で出されている(現在は絶版)。今回の邦訳は、まだ日本語に訳されていない第3巻を含めた全3巻を、プラハのマサリク研究所が厳密な校訂を経て刊行したチェコ語版(1995-6
年)から訳したものである。

第3部第2編「神を巡る闘い——ドストエフスキー」は、本書全体の核となるドストエフスキー論であり、ドストエフスキーの思想を批判的に分析する。第3編「巨人主義かヒューマニズムか——プーシキンからゴーリキーへ」では、ドストエフスキー以外の作家たちを論じる。

* 目次

3.


+ まえがき
2. 神を巡る闘い——ロシア問題の歴史哲学者としてのドストエフスキー
+ ドストエフスキーの伝記
+ ドストエフスキーの公式
1. ニヒリズム——アナーキズム的無神論
2. ゾシマ——宗教哲学(ニヒリズムを克服するロシアの修道僧)
3. フォイエルバッハ対修道僧
4. 大審問官
5. 異端者ゾシマ——懐疑主義者ドストエフスキー
6. 哲学と教養
7. 宗教と道徳I
8. 宗教と道徳II(カラマーゾフ主義)
9. 殺人と自殺
10. ドストエフスキーの公式は誤っている
11. ロシアの全人
12. 人間性と民族性。民族性と宗教
13. ショーヴィニズム。人名の浪費
14. ロシア的性格
15. ロシアとヨーロッパ
16. 外交政策——内政に勝る外交
17. 内 政
18. ツァーリズム
19. ベリンスキーからウヴァーロフへ

3. 巨人主義かヒューマニズムか——プーシキンからゴーリキーへ
+ ロシア文学と世界文学におけるドストエフスキー
1. A・S・プーシキン
2. オネーギン——ファウスト
3. G・G・バイロン
4. ミュッセのローラ
5. M・J・レールモントフ
6. N・V・ゴーゴリ
7. I・A・ゴンチャローフ
8. I・S・トゥルゲーネフ
9. L・N・トルストイ
10. デカダン派
11. M・ゴーリキー
+ 結論
+ 断片
+ マサリクとロシア——ヨーロッパから見たロシア——石川達夫
+ 人名総索引

2010-06-12

「埼玉大学リベラル・アーツ叢書」3冊、非売品

ピーター・M・ディリー『英国のエンブレムと物質文化 シェイクスピアと象徴的視覚性 』(伊藤博明訳編)
シモナ・チュピチ+リディヤ・メレニク『アート×ポリティックス×ナショナル・アイデンティティ──ユーゴスラヴィアの近代芸術をめぐって』(井口壽乃編)
ミランカ・トーディチ+金子隆一+加須屋明子『写真×プロパガンダ×デザイン』(井口壽乃編)

埼玉大学図書館
http://home.lib.saitama-u.ac.jp/

埼玉大学大学院文化科学研究科
http://wwwnew.kyy.saitama-u.ac.jp/gs/

埼玉大学教養学部
http://wwwnew.kyy.saitama-u.ac.jp/

2010-06-11

高山宏『ふたつの世紀末』

税込価格: ¥2,520 (本体 : ¥2,400)
出版 : 青土社
サイズ : 20cm / 297p
ISBN : 4-7917-5669-X
発行年月 : 1998.11
# 単行本: 297ページ
# 出版社: 青土社; 新装版版 (1998/10)
# ISBN-10: 479175669X
# ISBN-13: 978-4791756698
# 発売日: 1998/10

奇形の庭園をさまよい歩き、厄災画や廃墟イメージの死臭に酔いしれ、速度とスペクタクルに我を忘れた18世紀末。現代の私達の世紀末もこの反復なのかもしれない。膨大な資料を駆使して描く世紀末論。86年刊の新装版。

パニックの美学。「終末」の原風景。畸形の庭園を逍遙し、厄災画や廃墟イメージの死臭に酔いしれ、眩暈を誘う速度とスペクタクルに我を忘れた18世紀末
—。現代の我らの世紀末もまた眼差しの刺戟を求め、「驚異」の数々を世界の果てまで渉猟した、18世紀末の偏奇な感性の反復にすぎないのではないか。厖大な資料を駆使して描く全く斬新な世紀末論。

2010-06-10

田中純『政治の美学—権力と表象』(東京大学出版会、2008.12)

田中純『政治の美学』

東京大学出版会,2008年


ISBN978-4-13-010109-7, 判型:A5, 624頁

税込5250円/本体5000円

政治的暴力が美化される情動の論理を,芸術や学問と政治が交差する領域において探求する表象文化論のスリリングな実践.政治的情動と官能的な美が共犯関係を結ぶ過程を,テクスト分析・イメージ分析によって探る.時代論,政体論,結社論,表象論の四部構成.

目次

I 一九七〇年代のナチ・テロル・ロック ——時代論

序「ファシズムの美学」再考 ——スーザン・ソンタグ「魅惑するファシズム」

美と腐敗 猥褻な理想と暴力のエロス化


1 キッチュな黙示録 ——ハンス・ユルゲン・ジーバーベルク『ヒトラー、ドイツからの映画』

ヒトラー映画『没落』 死のキッチュとその累乗 集団的記憶の徹底操作——ジーバーベルク『ヒトラー、ドイツからの映画』(一)
導入部の分析——ジーバーベルク『ヒトラー、ドイツからの映画』(二) 人形による悲哀劇——ジーバーベルク『ヒトラー、ドイツからの映画』(三)
審美主義の逆説


2 白い恐怖、赤い亡霊 ——クラウス・テーヴェライト『男たちの妄想』と一九七〇年代ドイツ

観客のまなざしとファシズム──パゾリーニ『サロ、あるいはソドムの一二〇日』 堤防としての身体──テーヴェライト『男たちの妄想』(一)
生まれきらなかった男たち——テーヴェライト『男たちの妄想』(二) もうひとつの皮膚──テーヴェライト『男たちの妄想』(三)
歴史認識と無意識──テーヴェライト『男たちの妄想』(四) 自伝から同時代史へ 赤軍派の亡霊 「抽象急進主義」と芸術


3 自殺するロックンロール ──デヴィッド・ボウイにおけるロック・イデオロギー

ロック・イデオロギーの「呼びかけ」 分身という戦略──『ジギー・スターダスト』 ロックの「時間」と「夢」
総合芸術作品のメディア力──『ダイアモンドの犬たち』 ロックの臨界点──『ロウ』


第I部・結び──亡霊的権力あるいは権力の亡霊


II 権力の身体 ——政体論

序 権力の三つの身体 ——聖体から革命の身体へ

聖体の超実在性 国家という怪物の身体 理想的身体とその脆さ


1 ギリシア幻想の身体 ——ヨハン・ヨアヒム・ヴィンケルマンと古代の模倣

禁忌の土地 完全な身体というファンタスム 寓意的解体のまなざし 古代を「もどく」


2 レヴィヤタン解剖 ——カール・シュミットにおけるイメージ・表象・身体

カール・シュミットのイコノロジー 時間の政治的イコノグラフィー 表象の過剰補償 近代的政治の身体あるいは肉 獣人としての主権者の肖像


3 子午線のデザイン ——カール・シュミット『大地のノモス』

ヨーロッパの美的政治とその解体 子午線の彼方──シュミットとコジェーヴ


4「英霊」の政治神学 ——橋川文三と「半存在」の原理

二つの生命 幽顕思想と祖霊信仰 天皇制政治神学の教理問答 「死のメタフィジク」と「死に損い」——橋川文三の思想的根拠(一)
「超越者としての戦争」——橋川文三の思想的根拠(二) 「美」に抗する「歴史」——橋川文三の思想的根拠(三)


第II部・結び──芸術家という「王」たち


III 男たちの秘密 ——結社論

序 男性結社のエロス ——三島由紀夫と結社論の諸問題

恋する結社 ドイツにおける男性結社論の系譜 脆弱な男性性 稚児と幼童天皇 絶対者との契り


1 主権の秘密 ——オットー・ヘフラー『ゲルマン人の祭祀秘密結社』とその周辺

『年齢階梯制と男性結社』から『古ゲルマンの青年入社式と男性結社』へ
社会・文化的症候としての神話学──ヘフラー『ゲルマン人の祭祀秘密結社』(一)
エクスタシー的儀礼からの国家秩序の生成──ヘフラー『ゲルマン人の祭祀秘密結社』(二) ギンズブルグによるヘフラー批判とその盲点
狼たちの結社——ヘフラー周辺の議論から カネッティの群衆論と『ゲルマン人の祭祀秘密結社』


2 戦士の到来 ——社会学研究会とジョルジュ・デュメジル

秘密結社と「冬の風」 戦士と魔術師──一九三〇年代のデュメジル(一) 生ける神話──一九三〇年代のデュメジル(二)
聖社会学と「政治の審美化」 戦士の罪──デュメジルとクラストル


3 亡命者たちの山 ——日本における男性結社論の系譜

「無縁」な者たちの「組合」——中沢新一『芸術人類学』からの遡行(一) 王と山伏──中沢新一『芸術人類学』からの遡行(二)
『古日本の文化層』と「日本とゲルマンの祭祀秘密結社」 新羅花郎とその変容 亡命の民たち


第III部・結び──保田與重郎『萬葉集の虗藭』とカントロヴィッチ「秘密のドイツ」


IV 建築と政体 ——表象論

序 建築空間の政治学 ——ミース、アールト、ル・コルビュジエ

帝国・小国・遊牧民


1 近代というナルシス ——ル・コルビュジエの遡行的問い

水上のユートピア パルテノン神殿と建築の決定的瞬間 幾何学と起源 建築と表象


2 小国民の建築 ——アルヴァ・アールトの「小さな人間」

建築の戦い 小国民の政治と芸術 ヘテロトピア・触覚性・遊牧民


3 ファシズムの表象 ——ジュゼッペ・テラーニの倒錯的合理主義

裏返された「ガラスの家」──カーサ・デル・ファッショ 古代との闘争——ダンテウム 建築と政治


4「どうしようもないもの」との葛藤 ——堀口捨己における日本・近代・建築

「様式なき様式」の形容矛盾 庭という夢の舞台 パルテノンの女神 「ほのかなる かそけきもの」へ


第IV部・結び──ナルシスたちの闘争と逃走


エピローグ


附録

年表

書誌・フィルモグラフィ・ディスコグラフィ

図版一覧

索引

ゲーテ ボヘミアの森

74歳のゲーテが19歳の女性にフラれて、馬車の中で「マリーエンバートの悲歌」を書いた。

「『マリーエンバートの悲歌』と訳されるからおごそかだが、マリーエンは『マリアの』といった意味だ。聖母マリアである。バートは温泉、『悲歌』の原語『エレギーエン』はエレジーのドイツ語。観音温泉エレジー、つまりは『湯の町エレジー』である。
 ついでながら温泉町マリーエンバートの恋は一八二三年のことである。ナポレオンの没落のあと帝国全土にわたり、宰相メッテルニヒによる監視体制がととのっていた。湯治町にはワケありな人物が出入りするので、とりわけ監視の目が厳しい。老ゲーテの恋愛のことも、当局に報告が届いていた。当局の指示は『特に調査の要なし』。老人が小娘にいいよってフラれたという、笑うべき一件として処理されたらしいのだ。」
池内紀『ゲーテさん こんばんは』

『ゲ−テ地質学論集 〈鉱物篇〉』

ちくま学芸文庫
ゲ−テ地質学論集 〈鉱物篇〉

ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲ−テ 木村直司
筑摩書房 (2010/06 出版)

502p / 15cm / 文庫判
ISBN: 9784480092939

地球の生成と形成を探って岩山をよじ登り洞窟を降りる詩人。鉱物・地質学的な考察や紀行から、新たなゲーテ像が浮かび上がる。文庫オリジナル。

収録作品 ページ
形態学的序論 27−96
ハルツ山地 99−119
テューリンゲンの森 120−141
ボヘミアの森 142−208
地球の生成理論 233−285
山々の観相学的考察 286−339
岩石の水成論と火成論 340−399
地層構造学的試論 400−430


ゲーテ全集 新装普及版 第14巻(全15巻)
自然科学論
■ 著者名: ゲーテ /著
木村直司 /訳
前田富士男 /訳
野村一郎 /訳
高橋義人 /訳
永野藤夫 /訳
轡田収 /訳
■ カテゴリ名:書籍/全集・著作集
■ 発刊日:2003年06月05日
■ 判型:B6判
■ ページ数:562
■ 税込価格:2,100 円(本体 2,000 円)
■ ISBNコード:978-4-267-01674-5
■ Cコード:0398
目次:
科学方法論 木村直司訳
形態学序説 前田富士男訳
植物学 野村一郎訳
動物学 高橋義人訳
地質学 永野藤夫訳
気象学 轡田収訳
色彩論 木村直司訳
訳注
解説
付・ゲーテの自然科学文献書誌

2010-06-09

『ウィーン—多民族文化のフーガ』

書名: ウィーン 多民族文化のフーガ
うぃーん たみんぞくぶんかのふーが

ISBN(10/13桁): 978-4-469-21328-7

著者名: 饗庭孝男、伊藤哲夫、加藤雅彦、小宮正安、西原稔、檜山哲彦、平田達治
著(あえばたかお、いとうてつお、かとうまさひこ、こみやまさやす、にしはらみのる、ひやまてつひこ、ひらたたつじ)

定価: 2,520円(四六判・370頁)

都市形成と文化醸成のダイナミズムを探る
内容説明:
ヨーロッパの十字路に位置するウィーン。そこは、各地から多様な文化が流れ込み独自の融合を遂げた文化形成の舞台となった。多民族の文化がフーガのようにからみ合い、いかにして20世紀をリードした豊穣なポリフォニック文化が形成されたのか。都市形成と文化醸成のダイナミズムを多彩な視点から解明する。

主要目次: まえがき

オーストリア=ハンガリー帝国地図

1910年頃のウィーン主要部地図

1 多民族文化の都(加藤雅彦)
一 混血都市ウィーン
二 ウィーン宮廷へ豊穣の西欧文化
三 ドナウ多民族帝都
四 世紀末文化の多民族性

2 ウィーンの都市空間と建築(伊藤哲夫)
一 古代ローマ期——ゲルマンに対する防衛拠点
二 ロマネスク期——ヨーロッパ交易の十字路として発展
三 ゴティク期——帝国の宮廷都市へ
四 ルネサンス期——トルコとの戦いと宮廷の整備
五 バロック期——繁栄する多民族の帝都
六 新古典主義・ビーダーマイヤー期——勃興する市民が支えた都市文化
七 近代都市形成期——世紀末文化が花開いたメトロポリス

3 ウィーン・バロック——その形態と思考(饗庭孝男)
一 感性の祝宴としてのバロック
二 ウィーン・バロックの呼び水——反宗教改革と対トルコ戦の勝利
三 ウィーン・バロック建築探訪
四 バロック期に培われたウィーン人の死生観
五 イタリア人芸術家に先導され、独自の定着をみたウィーン・バロック

4 「音楽の都」ウィーンの秘密——宮廷と「多民族」音楽都市(小宮正安)
一 ウィーン・フィルの「調和」
二 帝国の音楽
三 「宮廷音楽家」列伝
四 壁の中の音楽
五 「音楽都市」のトポロジー
六 ドイツ音楽の中心として

5 劇場都市ウィーンとオペラの世界——ジングシュピール文化の形成を中心に(西原 稔)
一 オペラという理想
二 ウィーンのオペラ様式の成立
三 モーツァルトとオペラ

6 学際都市ウィーン(檜山哲彦)
一 新たな時代の風
二 閉塞する伝統に挑む
三 強靱な自己観察が切り拓く新たな時代

7 文化メトロポーレ・ウィーンの光と影——シュニッツラーの作品に映し出された十九世紀末ウィーン(平田達治)
一 城塞都市から文化メトロポーレへ
二 世紀末の円形都市ウィーンを舞台にした『輪舞』

あとがき
写真・図版出典一覧
著者紹介

ウィーンは古来ヨーロッパにおける東西南北を結ぶ交通の要衝に位置し、ローマ帝国の北辺の前線基地としてローマとゲルマンの接点となったことから始まり、近世にはオスマン・トルコと西欧キリスト教世界が対峙したときの最前線となり、冷戦時代には東西両陣営の接点ともなった。そこでは、ゲルマン、スラヴ、イタリア、ハンガリー、トルコなどの文化が、食生活など日常的なレベルでもまじりあい、さらに宮廷を通してブルグントやスペイン、フランスの文化も流れ込んだ。異文化がせめぎあう中にあって、それらが共存し融合するための舞台という役どころが、まるでこの都市の遺伝子のようになってしまっているかのようにすら見える。本書は、こうした多彩な要素がからみあった文化が生み出されたウィーンの文化土壌がいかなるものであり、そこで都市の遺伝子がどのように発現したのかを、「多民族文化」をキーワードに、分野を異にする七人の執筆者の視点から探ったものである。(『まえがき』より一部抜粋)

この本の
キーワード: オーストリア、ハンガリー、ドナウ、西欧文化、バロック、オペラ、文化メトロポーレ、宮廷都市、音楽都市、劇場都市、学際都市、円形都市、城塞都市

『チェコ民族再生運動 —— 多様性の擁護,あるいは小民族の存在論 ——』

■体裁=A5判・上製・函入・528頁
■定価 12,075円(本体 11,500円 + 税5%)
■2010年5月27日
■ISBN978-4-00-023861-8 C3022

著者の紹介文
http://www.kobe-u.ac.jp/info/book/1005_03.htm

目次(pdf)
http://www.iwanami.co.jp/.PDFS/02/2/0238610.pdf

より詳細な概要については石川達夫のホームページ (http://web.cla.kobe-u.ac.jp/staff/ti/index)
を参照されたい。また、岩波書店のホームページ
(http://www.iwanami.co.jp/hensyu/tan/index_t.html) で最初の30ページを無料閲覧できる。

2010-06-08

千葉雅也氏の論文

・「待ち伏せる存在——ジル・ドゥルーズのスピノザ/ライプニッツ解釈における動物の問題」
『フランス哲学・思想研究』 第13号、日仏哲学会、pp. 128-136、2008年
http://wwwsoc.nii.ac.jp/sfjph/journal.html

・「動き過ぎてはいけない——ジル・ドゥルーズと節約」
『レゾナンス』 第3号、 東京大学教養学部フランス語部会、pp. 88-89、2005年
http://langue-fr.c.u-tokyo.ac.jp/resonances/resonances03/resonances2004_note_j.pdf

・「喪のリトルネロ——ジル・ドゥルーズにおいて、出来事の手前に」
『SITE ZERO/ZERO SITE』 第0号、 メディア・デザイン研究所、pp. 96-124、2006年
http://site-zero.net/contents/vol0/post_10/

『メディアと文学が表象するアメリカ』

著者
山下 昇 編著 入子文子/森岡裕一/石田依子/石塚則子/秋田淳子/丹羽隆昭/渡辺克昭/西山けい子/塚田幸光/森あおい/片渕悦久/山本秀行/田口哲也/ヤリタミサコ

メディアと文学が表象するアメリカ

規格
46判/400頁/定価3,990円

ISBN
978-4-269-73018-2

ジャンル

* アメリカ関連

レベル
--


--

メディアアメリカ文学
メディアの発展はアメリカとアメリカ人をいかに変えたか。文学はその変化をいかにとらえて表現したか。またメディアの発展はいかに文学を変えたか。メディアとアメリカ文学の親密性を解剖する本邦初のアメリカ・メディア文学論。
書籍内容 Contents

序章 共振/交錯するメディアとアメリカ文学 山下昇

第1部 メディアとしての文学/文学のなかのメディア
第1章 ホーソーンの<みた>二つのイングランド 入子文子
第2章 ボトルと奴隷 森岡裕一
第3章 『大統領の娘』に描かれた人種意識 石田依子
第4章 シャーロット・パーキンス・ギルマンのメディア戦略 石塚則子
第5章 『レディーズ・ホーム・ジャーナル』における電話 秋田淳子
第6章 イエロー・キャブと回転木馬 丹羽隆昭
第7章 9・11と「灰」のエクリチュール 渡辺克昭

第2部 交錯するメディアと文学
第8章 ポーと映画 西山けい子
第9章 エレファント・イン・ザ・ズー 塚田幸光
第10章 トニ・モリスンとマーガレット・ガーナー物語 森あおい
第11章 ウェブサイトは作者をどう投影するか 片渕悦久
第12章 マイノリティのソロ・パフォーマンスにおけるメディアと身体 山本秀行
第13章 現代詩とポピュラーミュージック 田口哲也
第14章 現代詩とスポークンワードについて ヤリタミサコ

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2010-05-28

連載 セイレーンの誘惑│南イタリア、神話の呪縛圏(1)─田中純

pp.354-385 連載 セイレーンの誘惑│南イタリア、神話の呪縛圏(1)─田中純
Series: Seduction of Sirens: South of Italy, Enchanted Realm of
Mythology 1─Jun Tanaka

『SITE ZERO/ZERO SITE』No.3
「特集=ヴァナキュラー・イメージの人類学」
(責任編集:田中純/特集企画:門林岳史|B6変形/全392頁/2,200円[送料・消費税込])

2010-05-13

カフカが生前みずから編んだ短篇集3冊を一冊に

カフカが生前みずから編んだ短篇集3冊を一冊に。透明感のある吉田仙太郎訳のカフカ

2010年5月14日発行予定

大人の本棚 第3期
カフカ自撰小品集
[著者] フランツ・カフカ [訳者] 吉田仙太郎

* 四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/232頁
* 定価 2,940円(本体2,800円)
* ISBN 978-4-622-08080-0 C1397

『カフカ自撰小品集』吉田仙太郎訳 《大人の本棚》
http://www.msz.co.jp/news/topics/08080.html

『カフカ自撰小品集』
吉田仙太郎訳 《大人の本棚》[14日刊]

40歳という若さで亡くなったカフカは、生前、みずから編んだ本を6冊刊行している。そのなかの短篇集3冊『観察』(1913)『田舎医者』(1919)『断食芸人』(1924)を一冊にまとめたのが本書。
三つの短篇集の刊行時期は、カフカの約20年の作家活動のちょうど初期、中期、後期に当たる。『観察』、『田舎医者』から『断食芸人』へ。形式面では超短篇から中編へ、内容面では無垢でロマンチックな孤独感が現実味のある幻想へと変化を遂げてゆくのが見てとれる。

本読み人生において、カフカは通行手形のようなところがある。デビュー作からすでに異彩を放っていたカフカの「潔癖きわまるドイツ語散文によって統御された」文体は、読書を試練と考えているようだから。一定のリズムを刻みながら、どこかに向かって微修正されていく、その文章を追うことの単調さ、不気味さ……

「笑いとならんで大切にしたいのは〈退屈〉である。ヨゼフィーネや小さい女や断食芸人の正体のまわりをめぐるほとんど永遠の〈ぐるぐるまわり〉、こうした言説のゆきつもどりつの〈さすらい〉と〈ゆらぎ〉、そこから生ずる退屈に、耐えることである。そしてすっかり身を委ねることである。」(「訳者まえがき」より)

そう、カフカを読むときのあの不安は、〈退屈〉に耐えられそうにない自分への不安でもあるのだ。長くカフカとつきあってきた訳者のさりげない案内のおかげで、この無味な〈退屈〉がこのうえないごちそうのように思えてくる。

「シューベルトは訓練によって理解できる音楽なんだ。僕だって最初に聞いたときは退屈だった。君の歳ならそれは当然のことだ。でも今にきっとわかるようになる。この世界において、退屈でないものには人はすぐに飽きるし、飽きないものはだいたいにおいて退屈なものだ。そういうものなんだ。僕の人生には退屈する余裕はあっても、飽きているような余裕はない。たいていの人はその二つを区別することができない。」(村上春樹『海辺のカフカ』上より)
これは、カフカで連想した小説のなかに出てくるある会話。シューベルトをカフカに、音楽を文学に置き換えて読むことは、カフカという名前の少年が主人公のこの小説において自然なことだろう。
原文の息づかいが聞こえてくるような、透明感のある吉田仙太郎訳のカフカ。訳文が導く〈退屈〉の贅沢に身を委ねてほしい。

2010-05-10

「カフカ的転身」

2010年5月7日朝日新聞夕刊7面掲載コラム「私の収穫」
東京大学名誉教授 宇沢弘文 第2回「フェスティンガー」

認知的不協和理論を掲げた天才的社会心理学者でアメリカ陸軍チーフサイコロジストだったフェスティンガーが、
ベトナム戦争中、妻と3人の子、スタンフォード大学教授職を捨てて失踪したそうである。終戦後、文化人類学をいちから学んで教授になったとのこと。これを宇沢氏は「カフカ的転身」と書いている。

新刊紹介 アラブ圏におけるカフカ受容

Atef Botros
Kafka – Ein jüdischer Schriftsteller aus arabischer Sicht
(Band 29 der Reihe Literaturen im Kontext. arabisch – persisch – türkisch)

ISBN 978-3-89500-673-9
2009, Gebunden. 276 Seiten, 240 x 170 mm
19,80 €
Dr. Ludwig Reichert Verlag
Tauernstraße 11
D-65199 Wiesbaden
Tel.: +49 (0)611 46 18 51 oder 946 59 11
Fax: +49 (0)611 46 86 13

■著者紹介
http://www.gei.de/index.php?id=562&L=1
http://www.uni-marburg.de/cnms/arabistik/team/botros

■内容紹介
Dieses Buch widmet sich der arabischen Kafka-Rezeption von 1939 bis
zur Gegenwart. Der Fokus liegt auf der Auseinandersetzung mit Franz
Kafka und seinem Werk durch arabische Intellektuelle, behandelt aber
auch die produktive Rezeption und stellt Werke aus der modernen
arabischen Literatur vor, die Kafkas Literatur nahstehen. Diese
Kernfrage der Rezeption als Kulturübersetzung erweitert sich um die
Beschäftigung mit Kafkas jüdischer Zugehörigkeit im Kontext des
jüdisch-arabischen Konflikts. Über diese Umwege der Rezeption wird die
moderne arabische Ideengeschichte in ihrer Vielfalt nachgezeichnet.

„Diese Beschreibung und Erklärung des arabischen Kafka liefert uns
eine sehr aufschlussreiche Charakterisierung dessen, was man im Westen
inzwischen als „Krise der arabischen Identität" zu bezeichnen sich
angewöhnt hat. Ich kenne keinen tieferen Zugang zu solcherart
Zwangsvorstellungen im Kontext des „Jüdischen" als seine detaillierte
Analysen."
Prof. Georg Meggle (Philosoph, Leipzig)

„Das Buch warnt vor dem Niedergang einer langen hermeneutischen
Tradition in einen literarischen Diskurs, der in politischen
Stereotypen gefangen ist. Er will die Momente bewahren, in denen
Kafkas Werk sich in einer seltenen Nähe zu der modernen literarischen
Tradition in der arabischen Welt findet und zur Quelle eines
progressiven Denkens in Ägypten wurde."
Galili Shahar, Haaretz, 29.09.2008

„Unabhängig von Hautfarbe, Religion, Sprache und Ort spürt jeder
Mensch die Nähe eines kranken Freundes, der in Prag lebte, seine Werke
auf Deutsch verfasste und dessen Botschaft trotz des verfrühten Todes
alle Zeiten überlebte; sein Name ist Franz Kafka", schrieb der
deutsch-irakische Schriftsteller Najem Wali. In noch größerer Nähe des
arabischen Alltages kommt Kafka in einem Gedicht des palästinensischen
Dichters Mahmud Darwisch vor: „Unter meiner Haut fand ich Kafka
schlafend, in Übereinstimmung mit unserem Alptraumgewand und mit der
Polizei in uns." Auch der Literaturnobelpreisträger Naguib Mahfouz
schrieb: „Gekannt habe ich Kafka schon vor mehr als vierzig Jahren,
aber begegnet bin ich ihm erst vor allem nach der arabischen
Niederlage von 1967."
Seit 1939 wird Kafkas Werk in der arabischen Welt gelesen,
kommentiert, übersetzt und ziemlich kontrovers diskutiert: Zwischen
Identifikation, Aneignung, literarischer Inspiration, Projektion,
Fehldeutung und Politisierung. Eine weit reichende Verbreitung erfährt
er erst 1946 durch die einführenden Essays des ägyptischen
Schriftstellers Taha Husain. Seine Kafka-Kommentare können als Teil
seines Säkularisierungsprojekts begriffen werden.
Während Kafka in der arabischen Welt in den sechziger Jahren eine
besondere Bedeutung erlangt, verschärft sich die osteuropäische
Polemik gegen ihn im Kontext des Kalten Krieges. Angeregt durch diese
Polemik und im Zuge des aufsteigenden arabischen Antizionismus stellt
sich plötzlich ab 1971 die Frage nach Kafkas Haltung zum Zionismus.
Die Rezeption des jüdischen Dichters, der sich überwiegend in Kreisen
des Prager Zionismus bewegt, wurde nach der Verschärfung des
Nahost-Konfliktes maßgeblich erschwert.
Die Abhandlung befasst sich mit der gesamten Rezeptionsgeschichte,
fokussiert vor allem auf bedeutenden Auseinandersetzungen arabischer
Intellektueller und geht darüber hinaus, um diese Rezeption im Kontext
der modernen arabischen Ideengeschichte zu deuten. In diesem
Verständnis versteht sie sich als Teil einer zukunftsorientierten
Forschung, die sich mit Austauschprozessen, Ideentransfers,
Kulturübersetzung, Überlappung und Interferenzen zwischen Europa und
dem arabischen Raum befasst, ohne diese Sphären als Gegensätze zu
begreifen.

------上記テクスト英訳(機械翻訳結果)---------------
This book is dedicated to the Arab reception of Kafka in 1939 to the
present. The focus is on the articulation of Franz Kafka and his work
at nearby by Arab intellectuals, but also treats the productive
reception and presents works of modern Arabic literature, Kafka's
literature. This core question of the reception as a cultural
translation is extended to the study of Kafka's Jewish affiliation in
the context of Jewish-Arab conflict. About this roundabout way the
reception of modern Arab intellectual history is traced in its
diversity.

"This description and explanation of the Arabic Kafka gives us a very
interesting characterization of what we in the West has been described
as" crisis of Arab identity, "habit. I know of no deeper access of
such delusions in the context of the "Jewish" as his detailed
analysis. "
Prof. Georg Meggle (philosopher, Leipzig)

"The book warns of the demise of a long tradition of hermeneutics in a
literary discourse that is trapped in political stereotypes. He wants
to preserve the moments in which Kafka's work is found in a rare
proximity to the modern literary tradition in the Arab world and the
source of a progressive thought in Egypt. "
Shahar Galili, Haaretz, 29.09.2008

"Regardless of race, color, religion, language and place feels every
person close to a sick friend, who lived in Prague and wrote his works
in German and whose message survived despite the premature death of
all time, his name is Franz Kafka," wrote the German -Iraqi writer
Najem Wali. In even more close to the Arab daily life comes Kafka
before in a poem by Palestinian poet Mahmoud Darwish: "Under my skin I
found Kafka sleeping, in accordance with our nightmare robe and with
the police in us." Even the Nobel Prize winner Naguib Mahfouz wrote,
"knew I Kafka already more than forty years ago, but I met him first,
especially after the Arab defeat of 1967. "
Since 1939, read Kafka's works in the Arab world, says, translated and
discussed quite a controversy: between identification, appropriation,
literary inspiration, projection, misinterpretation and
politicization. A far-reaching distribution in 1946 he learned through
the introductory essays of Egyptian writer Taha Husayn. Kafka's
comments as part of his secularization project are understood.
While Kafka in the Arab world in the sixties, acquired a special
importance, the Eastern European polemics intensified against him in
the context of the Cold War. Stimulated by this controversy and in the
wake of the rising Arab anti-Zionism is suddenly in 1971 the question
of Kafka's attitude toward Zionism. The reception of the Jewish poet
who moves in circles most of the Prague Zionism was made difficult by
the significant worsening of the Middle East conflict.
The paper deals with the entire reception history, focuses primarily
on major conflicts of Arab intellectuals and more broadly, to
interpret this reception in the context of modern Arab history of
ideas. In this understanding, it is understood as part of a
future-oriented research, which deals with exchange processes, idea
transfers, cultural translation, overlap and interference between
Europe and the Arab world, without understanding these spheres as
opposites.

■関連書

世紀末ウィーン文化探究―「異」への関わり - 単行本 (2009/7) 西村 雅樹

越境と内省―近代ドイツ文学の異文化像 - 単行本 (2009/10) 松村 朋彦

カフカの"中国"と同時代言説―黄禍・ユダヤ人・男性同盟 - 単行本 (2010/4) 川島 隆

Geburt und Teufelsdienst: Franz Kafka als Schriftsteller und als Jude 著者: Manfred Voigts

Manfred Voigts: Geburt und Teufelsdienst. Franz Kafka als
Schriftsteller und als Jude.
Königshausen & Neumann, Würzburg 2008.
127 Seiten, 20,00 EUR.
ISBN-13: 9783826038020
Freigabedatum: 2008-01-07
Verlag: Königshausen & Neumann

Versuch, die Vieldeutigkeit oder gar Nicht-Interpretierbarkeit von
Kafkas Texten zu dessen Existenz als Westjude in Beziehung zu setzen.
Voigts greift dabei u.a. auf die Sprachtheorie von Moses Mendelssohn
zurück.

書評
http://www.literaturkritik.de/public/rezension.php?rez_id=12052&ausgabe=200807

http://books.google.com/books?id=a7q3znB9Wn8C&pg=PP1&dq=Geburt+und+Teufelsdienst.+Franz+Kafka+als+Schriftsteller+und+als+Jude.&as_brr=3&ei=YGTnS8zDN5islQT_qKznCQ&hl=ja&cd=1#v=onepage&q&f=false

2010-04-27

〈貴種流離譚〉とか〈オデュッセイア〉

あまたの冒険を経験し成功を収め、やがてめでたく故郷に帰還する物語。

2010-04-21

『死のミメーシス ベンヤミンとゲオルゲ・クライス』

「死のミメーシス」とは、アドルノがベンヤミンを評した言葉。原語を直訳すると「死への模倣」となる。このアドルノの語法はドイツ語ではかなり異様らしい。死を模倣をすることができないのであるから、志向性は存在しないはずである。それでは「死のミメーシス」は「死への衝動」なのか。志向するのが「死せるもの」ではなく、なぜ「死」そのものだったのかという疑問が残ると著者は述べている。

本書は、ベンヤミンにおけるゲオルゲ・クライスのもつ意味や影響を論じたもので、30年以上にわたって書かれた論文を加筆訂正したり、新たな章を追加をし一書にした。ゲオルゲもベンヤミンも、どちらもボードレールを独訳者であるというそれだけの知識をもとにして論文を書いたのが始まりだったとある。

16頁に、
「ホーム」(Heim)
というものが当時のベルリンでどういうものであったか、というトピックが

目次
:様式・夭折-ありし日の若者たち
「神話」と「神話的なもの」(翻訳・姿勢-ボードレールの『白鳥』
異教・神学-バッハオーフェンと「宇宙論サークル」
原像・幻像-ゲオルゲ、クラーゲス、アドルノ)
再現のメディア(朗読・祭祀-パンヴィッツ、ベーリンガー、ヘリングラート
活字・筆跡-ゲオルゲ、クラーゲス
写真/相貌-ゲオルゲ、ダウテンダイ)
作品を読むベンヤミン(引用・転位-テクスト群としてのヘルダーリーン
句切/身体-ゲーテ、ヘルダーリーン、ゲオルゲ
形姿/歴史-ゲオルゲ、カフカ、クレー)

出版社名
:岩波書店

発行年月
:2010年3月

ページ数/版型
:330,16ページ/20

ISBNコード
:978-4-00-023475-7(4-00-023475-7)

ベンヤミンの思考は、今日もなお挑発し続ける。その思想の生成過程から、近代と反近代のはざまで、不可能な「第三の道」を探った精神の秘密に迫る。ゲオルゲとその周辺への親近と疎隔に隠された事情-神話的なものの豊饒な親和力から、「死」を梃子にして身を解き放とうとするベンヤミンの逆説的な身振りは、神話と革命、神話と純粋言語、神話と神学をめぐるその両義的な思考の道筋について、多くを語っている。「死のミメーシス」という生存を賭けた営みをテクストから掘り起こし、思想が跳躍する瞬間をハイスピードカメラでとらえる。

2010-04-19

西岡兄妹のカフカ短編作品漫画化

カフカ 《Classics in Comics》
西岡兄妹
1,365円(本体価格 1,300円+税)
2010/04/20発売
978-4-86332-239-4
『変身』ほか、不朽の名作を完全コミック化!!
斬新で大胆で かつ あくまでも正確なカフカ文学の「翻訳」。柴田元幸
フランツ・カフカの名作が西岡兄妹の驚異の筆致で現代によみがえる!!<収録作品>家父の気がかり / 変身 / バケツの騎士 /
ジャッカルとアラビア人 / 兄弟殺し / 禿鷹 / 田舎医者 / 断食芸人 / 流刑地にて(モンキービジネスでの好評連載を単行本化)

モンキービジネスで好評連載されていた作品群に、あの名作「変身」をなんと描きおろしで収録!この「変身」ですが、この話にはお決まりの「あれ」の姿が出てきません。「変身」の漫画・映像化は過去いくつもありますが、これは初の試みのはず…。あとはぜひ本書を読んでお確かめください。カフカ漫画の決定版です。

請求記号 Z71-Y311
タイトル Monkey business
並列タイトル モンキービジネス
巻次・年月次 v. 1 (2008 spring)-
出版地 東京
出版者 ヴィレッジブックス‖ヴィレッジ ブックス
出版年 2008-
形態 ; 21cm
注記 責任編集: 柴田元幸
注記 v. 5は2刷もあり
刊行頻度 Q: 季刊
全国書誌番号 01023158
団体・会議名標目 ヴィレッジブックス‖ヴィレッジ ブックス
NDLC ZK24
本文の言語コード jpn: 日本語
書誌ID 000010284889


8号
Classics in Comics
西岡兄妹 家父の気がかり フランツ・カフカ(訳=池内紀)原作
定価:1,470円(本体価格 1,400円+税)
ISBN:978-4-86332-216-5

7号
定価:1,365円(本体価格 1,300円+税)
ISBN:978-4-86332-187-8
Classics in Comics
西岡兄妹 禿鷹 フランツ・カフカ(訳=池内紀)原作

6 2009.Sum.
Classics in Comics
西岡兄妹 兄弟殺し フランツ・カフカ(訳=池内紀)原作

5 2009.Spr.
Classics in Comics
西岡兄妹 バケツの騎士 フランツ・カフカ(訳=池内紀)原作

4号
定価:1,050円(本体価格1,000円+税)
ISBN:978-4-86332-119-9
Classics in Comics
西岡兄妹 ジャッカルとアラビア人 フランツ・カフカ(訳=池内紀)原作


2 2008.Sum.
Classics in Comics
西岡兄妹 田舎医者 フランツ・カフカ(訳=池内紀)原作

1 2008.Spr.
Classics in Comics
西岡兄妹 流刑地にて フランツ・カフカ(池内紀=訳)原作

2010-04-08

18世紀から20世紀にかけての読書

ハーバード大学図書館、「読むとは何か?」の歴史研究に役立つオンラインコレクションを公開


ハーバード大学図書館は、「読むとは何か?」ということの知識的、文化的、政治的歴史研究に役立つ同館資料のコレクションを、"Reading:
Harvard Views of Readers, Readership, and Reading
History"として、オンラインで公開しました。コレクションには、注釈付きの個人の蔵書、個人の蔵書目録、ハーバード大学図書館の記録資料、18世紀から20世紀にかけての読みの教科書などが含まれています。

Reading: Harvard Views of Readers, Readership, and Reading History
http://ocp.hul.harvard.edu/reading/

2010-04-02

ドイツの図書館におけるデジタル化とグローバル化の先進的な取り組み

堀内 美穂. "ドイツの図書館におけるデジタル化とグローバル化の先進的な取り組み ドイツ・スタディーツアー報告会&ワークショップ".
情報管理. Vol. 53, No. 1, (2010), 41-44 .
http://www.jstage.jst.go.jp/article/johokanri/53/1/53_41/_article/-char/ja

2010-04-01

『死のミメーシス——ベンヤミンとゲオルゲ・クライス』

ベンヤミンの思想は、なぜ今日もなお喚起的であり続けるのか。言語戦略と美的思考、そして神話性を三つの柱として、両義的にして繊細な思想の戦略を捉えようとする。ゲオルゲとその周辺の青年群像への親近と疎隔は、ベンヤミンの道程のどんな秘密とかかわるのか。近代と反近代のはざまで、不可能な第三の道を探った精神の軌跡。

# 単行本: 352ページ
# 出版社: 岩波書店 (2010/3/31)
# 言語 日本語
# ISBN-10: 4000234757
# ISBN-13: 978-4000234757
# 発売日: 2010/3/31
# 商品の寸法: 18.8 x 14 x 3.6 cm

表象と批評
—— 映画・アニメーション・漫画 ——
加藤 幹郎
出版社: 岩波書店
■体裁=四六判・上製・224頁
■定価 2,940円(本体 2,800円 + 税5%)(未刊)
■2010年4月28日
■ISBN978-4-00-024502-9 C0037
なぜ『レベッカ』の怯える妻は,何度も呆然・自失するのか? ライアン二等兵の「声」は画面のどこから聞こえてくるのか?
ヒッチコック,スピルバーグ,エドガー・G.アルマー,イーストウッド,新海誠,荒木飛呂彦,ちばてつや,楳図かずおetc.ジャンルを超えて,それぞれの最重要作品を凝視し,その魅力に肉薄する,待望の評論集.

イタリアのおもかげ
ディケンズ
伊藤 弘之,下笠 徳次,隈元 貞広 訳
出版社: 岩波書店
■赤229-8
■体裁=文庫判・並製・カバー・432頁
■定価 987円(本体 940円 + 税5%)(未刊)
■2010年4月16日
■ISBN978-4-00-322298-0
1844年7月,32歳のディケンズは家族とともにイタリアに向けて出発した.ジェノヴァを拠点に,およそ1年にわたって,ヴェネツィア,ピサ,ローマ,ナポリなど各地を見て回った.本書はディケンズ独特の観察眼が発揮された臨場感あふれる紀行文となっており,随所に滲み出ているカトリック批判はとりわけ印象深い.本邦初訳.

2010-03-29

『イメージの修辞学――ことばと形象の交叉』


評者◆高山 宏
新世紀のレトリケーの誕生――この半世紀の批評ブームの本質に関心ある人々は必読!
イメージの修辞学――ことばと形象の交叉
西村清和
No.2959 ・ 2010年03月27日




 ロラン・バルトの事故死は少し遠いこととしても、フーコー病没、ドゥルーズ自殺にデリダ、ボードリヤール今は亡く、そして批評の季節の幕あけ役だったレヴィ=ストロースの死をもって熱気の終りがいよいよ実感となりつつある。次は何? というさもしい輸入業者・消費者根性にいやでも一息入り、結局この半世紀の息せききったような批評ブームって何だったのか冷静に総括し、次につなげてくれるような仕事が出てきてよいタイミングだと思っていたところに田中純『都市の詩学』、『政治の美学』と競い合うように西村清和氏の大冊が登場してきた。処女作『遊びの現象学』(一九八九)以来、笑い、視線、虚構、現代芸術、ゲームといった一連のテーマに壮大な哲学的背景を見ようとしてきた著者ではあり、十七・十八世紀を中心に古今東西の文学・美術・映像の歴史全般を、この半世紀の批評ブームの重要作品を通して検証しようとすると聞くだに質量ともに大著ならざるはない。大判五百ページに、天才的美学者の十年の研鑽が充満。いかに徹底し周到を極めた記念碑的著作であるかは目次を一瞥すれば分かる。「ことば」と「イメージ」の関係を通して近現代を語り抜いた美学書ということでは、アンドレアス・キルヒャー『マテーシスとポイエーシス』(二〇〇三)に匹敵する新千年紀劈頭の巨篇である(ということが分かるのに、この国ではやっぱりあと十年はかかるだろう)。
 タイトルに謳う修辞学は比喩ではない。本邦に限らず昨今は西欧でもそこの素養が欠け落ちたために人文科学が電子情報に翻弄されて右往左往している文字通りの修辞学のことだ。皮肉なことに電子メディア論の王たるマクルーハンは実は古今の修辞学の巨匠たることをぼくらは彼の『グーテンベルグの銀河系』や『メディアの法則』で改めて肝に銘ずべきだ。
 西村氏が修辞学の伝統を今日に活かそうとして繰りだすのはレセプション理論(受容美学)とナラトロジー(物語論)である。現代思想といえばフランスという形で覆われてきた二十世紀後半、ドイツ解釈学が更にアメリカに渡って受容美学をうみ、米独で読者理論をうんだ動きは、哲学プラス修辞学ということで日本人ファンの一番苦手なところと見えて紹介以上の定着をみない。ましてや学界で一般的なイメージ軽視ということも手伝って美術・映像文化史の方で受容理論はなかなか本格化してこなかった。

画の受容美学ということで西村氏が一番依拠する同時代美学者ヴォルフガング・ケンプは、一九七〇年代以降の文学理論が受容美学、読者論によって経験しえたパラダイム変換が美術史学の関与なしに生じた事態を猛省すべきだと言っているのだそうだ。ことばの意味はそれを使い、受けとる人間の存在を俟ってはじめて成立する制度だというところに立ってフーコー文化史もポストモダン批評も出発した。ほぼ一九六〇年代のこと。しかるに映画論の一部が、見る人間、受容者を俟って成立する意味論をとりあげたくらいで、広義の美術史・イメージ研究はこれを信じられないくらい怠ってきた、と西村氏は一喝する。そこに気付いてスヴェトラーナ・アルパースが『描写の芸術』を発表して、いわゆる「新美術史」学が出発したのが一九八三年。アルパース、バクサンドール、ノーマン・ブライソンら「新美術史」の気鋭たちの仕事がこれほど所を得てバランスよく紹介されたのはこれが初めてで、今なおマイケル・フリードの名著『没入と劇場』(一九八〇)もブライソンの『ことばとイメージ』(八一)も未紹介未翻訳の本邦学界の怠慢には呆れはてる。
 そもそも「イメージ」とは何なのかから徹底的に(認知心理学まで含めて)語り起こし、その「ことば」との重なりと違いを述べ、パラゴーネ(画文優劣論)、エクフラシス(画文共鳴論)など、「ことばとイメージ」を考える伝統的テーマを残らず拾う原理論と、ことばのアートたる小説について受容理論的に得られた視点、叙法、人称、描写の問題を映画について見る。これが半分。残る半分がいわゆる美術史について同じアプローチができるか検証する実験の紙幅である。中世のミニアチュールや聖像画からルネサンスを経て現代にいたる西村流受容美術史はそれだけでも壮観で、昔ジョン・バージャーの『イメージ』邦訳に伊藤俊治氏が付録(?)付けた厖大な伊藤流美術史の一大パノラマを思いだした。そして我々日本人が西欧流「ことばとイメージ」感覚と出会った場としての明治年間の小説と挿絵の関係論が資料的にも非常に貴重である。
 受容理論に限らずこの半世紀の批評ブームの本質に関心ある人々は必読しなければならない。知っている批評家がほとんど全部出てくる賑やかさも楽しいが、彼らにも「混同」や「あやまり」がいかに多いかという丁寧な指摘が次々に繰り返されるのを目のあたりに、注ぎこまれた十年の威力と、待望の新世紀のレトリケーの誕生を心からことほぐものである。
(国際日本学)

2010-03-24

『カフカの〈中国〉と同時代言説 黄禍・ユダヤ人・男性同盟 』

川島 隆 著
http://franzkafka1883-1924.blog.so-net.ne.jp/2010-03-07-1
四六判 / ページ / 上製
定価: 2800 + 税
ISBN978-4-7791-1528-8 C0098
[2010年04月 刊行]
彩流社


http://www.hanmoto.com/bd/isbn978-4-7791-1528-8.html

カフカ文学に描かれた〈中国/中国人〉から、ユダヤ人男性としてのカフカが直面していた「問題」が浮かび上がってくる。抽象的に読まれがちなカフカを、同時代の言説と照らし合わせ、「現実」との具体的な関わりで読み直す。

「ホメロスのセイレーンの島々、ユリシーズの眼に白く輝く人骨に見えた黒い岩々、そこに汚れたセイレーンは、腐った息と美しい声で、巣をつくったのだ。」(クルツィオ・マラパルテ)

「ホメロスのセイレーンの島々、ユリシーズの眼に白く輝く人骨に見えた黒い岩々、そこに汚れたセイレーンは、腐った息と美しい声で、巣をつくったのだ。」(クルツィオ・マラパルテ)http://before-and-afterimages.jp/news2009/100308D90%20107.jpg

保坂和志の連載『カフカ式練習帳』

文藝春秋|雑誌|文學界
http://www.bunshun.co.jp/mag/bungakukai/

1. カフカ式練習帳(第4回) / 保坂 和志
Z13-102 文學界. 64(4) [2010.4]
2. カフカ式練習帳(第3回) / 保坂 和志
Z13-102 文學界. 64(3) [2010.3]
3. カフカ式練習帳(第2回) / 保坂 和志
Z13-102 文學界. 64(2) [2010.2]
4. カフカ式練習帳(新連載) / 保坂 和志
Z13-102 文學界. 64(1) [2010.1]

『シグニファイング・モンキー—もの騙る猿/アフロ・アメリカン文学批評理論』

THE SIGNIFYING MONKEY-A Theory of Afro-American Literary Criticism
http://en.wikipedia.org/wiki/The_Signifying_Monkey

http://books.google.com/books?id=BRXXrVQEjHcC&printsec=frontcover&dq=The+signifying+monkey&as_brr=3&ei=oZWpS8yJMJOOkATlhoSXDQ&hl=ja&cd=1#v=onepage&q=&f=false

シグニファイング・モンキー—もの騙る猿/アフロ・アメリカン文学批評理論—
THE SIGNIFYING MONKEY-A Theory of Afro-American Literary Criticism

黒人文学批評理論の古典的名著の全訳。"signifying"とは、黒人コミュニティ、特に若者たちを中心に親しまれてきた俗謡。ずる賢いごろつきである"the
Monkey"が、ジャングルの王者として君臨する"the Lion"を巧みな言語ゲームへと引き込み、第三者である"the
Elephant"との争いへと導く。

●定価4410円

●ISBN9784888964272 C0097

●A5判 上製 428頁

●ヘンリー・ルイス・ゲイツ・ジュニア 著/松本昇 清水菜穂 監訳

The signifying monkey : a theory of Afro-American literary criticism /
Henry Louis Gates, Jr. -- (BA0755392X)
New York : Oxford University Press, 1988
xxviii, 290 p. ; 25 cm
注記: Bibliography: p. 259-280 ; Includes index
ISBN: 0195034635 ; 019506075X(: pbk)
著者標目: Gates, Henry Louis, 1950-
分類: LCC : PS153.N5 ; DC19 : 810/.9/896073
件名: American literature -- Afro-American authors -- History and cr
iticism -- Theory, etc ; Afro-Americans -- Intellectual life ; Afro-
Americans in literature ; Criticism -- United States ; Oral traditio
n -- United States ; Mythology, African, in literature ; Afro-Americ
ans -- Folklore ; American literature -- African influences

シグニファイング・モンキー : もの騙る猿/アフロ・アメリカン文学批評理論
/ ヘンリー・ルイス・ゲイツ・ジュニア著 ; 松本昇, 清水菜穂監訳<シグニ
ファイング モンキー : モノ カタル サル アフロ アメリカン ブンガク ヒヒ
ョウ リロン>. -- (BB00887221)
東京 : 南雲堂フェニックス, 2009.12
426p ; 22cm
ISBN: 9784888964272
別タイトル: シグニファイングモンキー : もの騙る猿アフロアメリカン文
学批評理論 ; The signifying monkey : a theory of African-American li
terary criticism
著者標目: Gates, Henry Louis, 1950- ; 松本, 昇(1948-)<マツモト, ノボ
ル> ; 清水, 菜穂<シミズ, ナオ>
分類: NDC8 : 930.29 ; NDC9 : 930.29
件名: アメリカ文学 ; 黒人文学

2010-03-20

『啓蒙・革命・ロマン主義 近代ドイツ政治思想の起源1790-1800』

啓蒙・革命・ロマン主義 《叢書・ウニベルシタス932》
近代ドイツ政治思想の起源1790−1800年

Enlightenment, Revolution, and Romanticism
The Genesis of Modern German Political Thought, 1790-1800
Frederick C. Beiser

http://www.questia.com/library/book/enlightenment-revolution-and-romanticism-the-genesis-of-modern-german-political-thought-1790-1800-by-frederick-c-beiser.jsp

CONTENTS
Introduction 1
The Politicization of German Thought in the 1790s 1
The Myth of the Apolitical German 7

PART I. LIBERALISM
1. German Liberalism in the 1790s 13
Methodological Scruples · The Topography of Early German Liberalism ·
The Career of Early German Liberalism 13
2. The Politics of Kant's Critical Philosophy 27
Politics in Kant's Intellectual Development · The Formation of Kant's
Political Theory, 1765-1781 · Reaction to the Revolution · Theory and
Practice · The Right of Revolution · Kant and Prussian Politics Kant's
Conservatism 27
3. Philosophy and Politics in J. G. Fichte's 1794 Wissenschaftslehre 57
Fichte's Historical Significance · The Politics of the 1794
Wissenschaftslehre · The Problematic of the 1794 Wissenschaftslehre ·
Fichte on Theory and Practice The Formation of Fichte's Political
Thought, 1788-1793 57
4. The Political Thought of Friedrich Schiller, 1781-1800 84
The Problem of Schiller's Political Thought · Early Politics ·
Reaction to the Revolution, 1789-1793 The Political Aims and Context
of the Aestbetiscbe Briefe 84
5. The Early Political Theory of Wilhelm von Humboldt 111
Humboldt and the Liberal Tradition · Reaction to the Revolution · The
Genesis of Humboldt's Political Theory · Humboldt in His Prussian
Context The Theory of the State 111
6. The Political Thought of F. H. Jacobi 138
Jacobi as a Political Philosopher · The Development of Jacobi's
Political Thought, 1778-1788 · Critique of the Revolution 138
7. Georg Forster, the German Jacobin 154
Forster and the Liberal Tradition · Around the World with Captain
Cook · Politics and Anthropology The Making of the Revolutionary · The
Mature Political Theory 154

PART II. HERDER AND EARLY GERMAN ROMANTICISM
8. The Political Theory of J. G. Herder 189
Herder as a Political Thinker · Herder and the Aufkl·rung · Early
Politics · The Growth of a Radical · The Politics of Historicism · The
Mature Political Theory · Herder and the French Revolution 189
9. Early Romantic Political Theory 222
Political Romanticism: A Reexamination · The Social Function of
Romantic Art · The Critique of Civil Society · The Organic Concept of
Society Romantic Religion and Politics 222
10. The Early Politics and Aesthetics of Friedrich Schlegel 245
The Politics of Schlegel's Early Classicism · Early Republicanism ·
The Politics of Romanticism Growing Conservatism 245
11. The Political Theory of Novalis 264
Historical Significance · Novalis and the French Revolution · The
Foundation of the Romantic State · "Die Christenheit oder Europa" 264
PART III. CONSERVATISM
12. The Rise of German Conservatism 281
German Conservatism in the 1790s · Justus Möser and the Aufklärung ·
Rehberg and the Hannoverian School · The Berlin Aufklärer · The
Conservatism of Friedrich Gentz · Eudämonia: The Mouthpiece of
Reaction 281
13. The Political Philosophy of C. M. Wieland 335
Wieland as a Political Thinker · The Birth of the Social Writer ·
Wieland's Political Theory, 1758- 1788 · Wieland and the French
Revolution 335
Conclusion 363
Notes 367
Index 429


フレデリック・C.バイザー著
杉田 孝夫訳
税込価格: ¥8,715 (本体 : ¥8,300)
定価:8715円 (税込)
本体価格:8300円
販売価格:8715円 (税込)
C1310
出版 : 法政大学出版局
サイズ : 20cm / 729,13p
ISBN : 978-4-588-00932-7
発行年月 : 2010.3
利用対象 : 一般

フランス革命後10年間の分裂と緊張のなかで、1800年以後のさまざまな思想はいかにして芽生えたのか。文学・哲学・歴史の領域をつらぬいて、1790年代におけるドイツの主要な政治思想家と政治運動を概観する。

分析の対象をフランス革命後の10年間に絞り、革命によってドイツの啓蒙主義者がそれ以前に共有していた思想的なコンセンサスを失い、いかに分裂と緊張の中に置かれることになったか、その分裂と緊張の中で、1800年以後のさまざまな思想がいかにして芽生えたのかを考察する。13人の思想家をとりあげ、その言説を分析しつつ、同時代の争点とその思想的文脈に内在する時代精神を描いた大著。


著者プロフィール
フレデリック・C.バイザー(バイザー、C、フレデリック)
http://en.wikipedia.org/wiki/Frederick_C._Beiser
1949 年に生まれる.オックスフォード大学でチャールズ・テイラーの指導のもとに,ヘーゲル『精神現象学』の起源に関する博士論文『現象学の精神』(The
Spirit of the Phenomenology,
1981)により学位を得た.1991年からインディアナ大学哲学助教授,2001年からはシラキューズ大学で哲学教授を務める.本書のほか,『理性の運命』(The
Fate of Reason, 1987),『理性の主権』(The Sovereignty of Reason,
1996),『ドイツ観念論』(German Idealism, 2002, 2008),『ロマン的規範』(The Romantic
Imperative, 2003),『哲学者としてのシラー』(Schiller as Philosopher,
2005),『ヘーゲル』(Hegel, 2005)の著書がある.


杉田 孝夫(スギタ タカオ)
http://www.soc.ocha.ac.jp/Site/A3EB7B9B-7F0D-4281-9108-02D75C42957A.html
1951 年岩手県に生まれる.山形大学人文学部卒業.東京教育大学大学院文学研究科修士課程修了.東京都立大学大学院社会科学研究科博士課程単位取得満期退学.現在,お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科教授.専攻:西洋政治思想史・比較家族思想史・政治理論(生活政治学).著書(共著)に,『現代世界と国民国家の将来』(御茶の水書房,1990年),『高学歴時代の女性──大学からのメッセージ』(有斐閣,1996年),訳書(共訳)に,C.
A.リーズ『政治の世界──理論・思想・制度・国際』(御茶の水書房,1987年),Q.スキナー『思想史とはなにか──意味とコンテクスト』(岩波書店,1990年,1999年),『フィヒテ全集
第6巻 自然法論』(晢書房,1995年),『同 第21巻 社会哲学講義』(同,2009年),その他がある.

2010-03-12

柴田翔の卒業論文は「カフカの初期短編」を扱っている

『カフカセレクション2』がでましたが
お読みになりましたでしょうか?
柴田翔の作品読解はやっぱり古めかしいなとおもいつつ
卒業論文が「カフカの初期短編」だというのには興味津々

エリザベート・ド・フォントネ著/「動物たちの沈黙」/谷昌親(早稲田大学教授)/彩流社

エリザベート・ド・フォントネ著/「動物たちの沈黙」/谷昌親(早稲田大学教授)/彩流社
http://www.hanmoto.com/bd/isbn978-4-7791-1338-3.html

《動物性》という観点から、約2500年にもわたる西洋思想史の断面を見事に切り取ってみせた大著
著者はフランスの哲学者で、古代哲学にも通じている。ユダヤ問題にも関心があるよう。
この本の基本コンセプトは、ハイデッガーの「動物」議論に対する反駁のようです

『カフカセレクション3』は、ジュンク堂新宿店でバカ売れしてました
あれを読むと、やっぱり動物物語って「寓話」なんだなあ
という思いを強くします

YouTube - Franz Kafka -- Gibs auf

YouTube - Franz Kafka -- Gibs auf
Ein Film zur Parabel "Gibs auf" von Franz Kafka. Pr... Ein Film zur Parabel
" Gibs auf" von Franz Kafka. Presented by Wa*** Lit*** Studios Florian
Keller & Roland Werning. Category: Entertainment ...
<http://www.youtube.com/watch?v=vUTTr5jZlS8>

『歌姫ヨゼフィーネ、あるいはネズミの一族』小話

『カフカセレクション3』が出て、訳者浅井氏が
『歌姫ヨゼフィーネ、あるいはネズミの一族』をあとがきで絶賛していました

2009年1月5日?の朝日新聞朝刊にて
作家の桐野夏生と分子生物学者の福岡伸一さんが対談していました
桐野の『東京島』という、女1人、男30余人の島の話で
「女がいると秩序が乱れるからと異物を抹殺しようとする男社会の怖さ」を描いた
という作家に対し、「女性が一人で男性が多数というのは、オスにとって自分の存在意義が非常に不安定になる」
と福岡さんが言っています

これは、カフカ『ヨゼフィーネ』と照らし合わせると
おもしろい話ですね

『変身』のザムザは『ボケ倒し芸人』か

「ネタになる」名作文学33—学校では教えない大人の読み方 (ピンポイント選書)所収
# 単行本: 118ページ
# 出版社: プレジデント社 (2008/09)
# ISBN-10: 4833418843
# ISBN-13: 978-4833418843
# 発売日: 2008/09
# 商品の寸法: 19.2 x 11.8 x 2 cm

ドイツ・カフカ協会主催国際会議 "Kafka Interkulturell" (20.- 23. Juli 2009)

2009年7月20-23日の間、
ドイツ Marburg 近郊の Rauischholzhausen 城で開かれました

こちらをご覧ください
http://www.kafka-gesellschaft.de/pageID_6925228

Tagung Kafka Interkulturell

vom 20.-23. Juli 2009, organisiert durch die

Deutsche Kafka-Gesellschaft e.V. und das Gießener Graduiertenzentrum
der Kulturwissenschaften (GGK)

Tagungsprogramm

(Flyer)


Montag, 20. Juli 2009

10:00 Uhr Mitgliederversammlung der Deutschen Kafka-Gesellschaft e.V.

Einladung zur Mitgliederversammlung (pdf)
Anreise der Teilnehmer bis ca. 13:00 Uhr

12:30 Uhr Mittagessen

14:30 Uhr Begrüßung
durch die Vorsitzende der Deutschen Kafka-Gesellschaft e.V., Nadine Chmura

Sektion Intertextualität

15:15 – 17:30 Uhr
Christian Wiebe
„Beim Bau eines kafkaesken Textes. Überlegungen zu Situierbarkeit und
Verfremdung"

Natasha Gordinsky
„Kafka in Israel: Über die Dichtung von Israel Pinkas"
Karin Mantel
„Marie Redonnet, Silsie – Postmoderne réécriture von Kafkas Schloss?"


Dienstag, 21. Juli 2009

Sektion Komparatistik

09:30 - 11:45 Uhr
Anna Castelli
„‚Maxens topographischer Instinkt, mein Verlorensein': Kafka zwischen
Reisen und Schreiben"

Seiji Hattori
„Kafkas ‚visual turn'? Ein Versuch poetologisch-‚postkolonialer'
Lektüre des japanischen Ukiyoe-Motivs in Kafkas Beschreibung eines
Kampfes"

Hansjörg Bay (entfällt)
„Transkulturelle Stockungen. Verhaftung und Verwandlung bei Kafka und Tawada"

14:00 Uhr - 15:30 Uhr
Rachel Kafui Alinyoh
Gewalt als Schreibweise. Eine vergleichende Untersuchung zu Kafka und
afrikanischen Schriftstellern

Stephan Freißmann (entfällt)
„Anxiety of Influence? Kafkas Verwandlung, Foers Extremely Loud and
Incredibly Close und die Realitätsillusion"


Sektion Rezeption

Jean-Pierre Palmier
„Interkulturelle Hermeneutik: Zur Bedeutung von Borges' emotionaler
Kafka-Lektüre"

Jeong-Seung Paek
„Könnte sich Kafkas Motiv der Verwandlung verwandeln?"

Bernd Fischer
„Braucht Herkunft Zukunft? Zur transkulturellen Dynamik in Kafkas Amerika"


Mittwoch, 22. Juli 2009

Sektion Transkulturalität

9:00 - 10:30 Uhr

Robert Lemon
„Continental Drift: Orientalism, Anthropological Scepticism, and
Self-Critique in Kafka's Chinese Stories"

Yeon-Soo Kim
„Kafkas literarisches Spiel mit dem europäischen Orientalismus –
Analyse zu den China-Bildern in der Erzählung Beim Bau der
Chinesischen Mauer"

10:45 - 13:00 Uhr

Timm Reimers
„Zur interkulturellen Konstruktion von Kafkas Amerika-Bild"

Wilko Steffens
„Das Schloß als ‚Contact Zone': Inszenierte Naivität und
Ethnozentrismus in Kafkas letztem Romanfragment"

Özlem Firtina
„Interkulturelle Bezüge in Kafkas Die Aeroplane in Brescia"


Sektion Ästhetik

14:00 - 15:30 Uhr
Harald Neumeyer
„Raumzeit Amerika. Überlegungen zu Franz Kafkas Der Verschollene"

Evelyn Dueck
„Übersetzungskulturen – Die französischen Übersetzungen von Kafkas Der
Proceß als interkulturelle Textlandschaften. Unter besonderer
Berücksichtigung der Neuübersetzung von Axel Nesme (2001)"

16:00 - 17:30 Uhr

Marta Famula
„‚F. ist in einem Labyrint, er wird wohl kaum mehr herauskommen.' –
Mythologische und alttestamentarische Metaphern des Scheiterns in den
Texten Franz Kafkas, Friedrich Dürrenmatts und Jorge Luis Borges'"

Christoph Steier

„Der gestrichene Exot. Zur ‚tropischen Fülle' einer verworfenen
Ergänzung von Kafkas Ein Hungerkünstler"


Donnerstag, 23. Juli 2009

Sektion Autorschaft

09:00 Uhr - 11:15 Uhr

Gabriele von Bassermann-Jordan
„Franz Kafka, Kafka als Autor und das Tschechische"

Rebecca Schuman
„Die Macht des Schmutzes: Die ‚Semantisierung' des Armseligen in Kafkas Werken"

Young-Ryong Kim
„Der Labyrinthgänger in der Wüste. F. Kafkas autobiographisches
Schreiben und die Ästhetik des Zögerns"

Sektion Grenze

11:30 Uhr – 13:00 Uhr
Steffen Hannig
„Invasion und Rituale des Empfangs. Begegnung mit Grenzgängern bei
Kafka im Zeichen des Dionysos"
Michael Mayer
„‚Araber' und ‚Nomaden' – Aspekte der Kulturbegegnung in Franz Kafkas Kurzprosa"


13:00 Uhr Abschlussdiskussion